2022(令和4)年4月1日より、当科は、外科部・第一第二消化管外科部・肝胆膵外科部という長い名前から、消化器外科部というわかりやすい名称に改称しました。ちなみに英語表記はDepartment of Surgeryです。扱う疾患は主に消化器領域ですが、一般外科と呼ばれる領域ももちろんこれまで通りカバーいたします。
2021(令和3)年1月、日赤にがんセンターが発足し、本館2階で消化器がん全般に対するユニット診療と一般消化器疾患治療を、内科・外科が一体となって担当しています。
がんは、診断された日、または疑われたその日から、医療側が多職種で対応すべき疾患です。消化器系の悪性疾患が疑われてがんセンターを受診された患者さんに、迅速かつ的確な診断に基づいて関係各科の叡智を結集した最善の治療方針を示すのみならず、ご本人・ご家族の疑問や不安に応えることができる体制を目指しています。
胃がんや大腸がんは、消化器がんのうちでも頻度の高い疾患で、現在、そのほとんどを腹腔鏡下手術またはロボット支援下手術の対象としています。食道がんも、胸腔鏡腹腔鏡下手術に時には放射線や抗がん剤を併用して治療します。ロボット手術は年々増加していますが、胃がんに関して当医療センターはメンターサイトという数少ない指導施設に選ばれています。
肝胆膵外科で扱う膵臓がんや肝臓がんについても、症例を選んで腹腔鏡下手術を適用しますが、この領域では開腹による大手術を要する疾患が少なくありません。重要な血管や脈管・組織と近接する実質臓器の手術に臨んでは、術前の緻密な画像診断と精緻な手術操作、迅速かつ正確な術中診断と判断が必要とされます。
消化管外科および肝胆膵外科領域の疾患の詳細や治療実績については、当該ページをご覧ください。
腹腔鏡下手術は、がんの手術だけではなく、今やあらゆる種類の良性疾患にも応用されています。導入後すでに30年となる胆嚢摘出術は95%以上を腹腔鏡で行い、虫垂切除術もほぼ全例を、また、そけいヘルニアなどの腹部ヘルニア修復術も2/3程度を腹腔鏡下で行うようになりました。昨年2022(令和4)年のデータでは、消化器外科に関する全手術数1,429例のうち全身麻酔手術は1,234例(86.3%)、そのうち腹腔鏡などの鏡視下手術症例は915例(74.1%)を占めました。
高度ながん医療を推し進めるのは当然ですが、当医療センターのもう1つの柱である救急医療においても、当科は大きな力を発揮せねばなりません。緊急外科手術を要する救急患者さんが、遅滞なく安心して治療を受けられるよう、救急科・集中治療部と消化器外科部が境目のない連携を保っています。
日赤手術センター内には、ハイブリッド手術室も設置しています。画像情報を手術操作にリアルタイムに反映させうる新しい技術で、循環器や脳外科領域ではすでに大きな力を発揮しています。消化器外科的応用は今後の課題ですが、たとえば外傷性腹腔内出血症例に対して緊急的にカテーテルによる止血を試み、不成功の際には円滑に開腹止血術に移行するというケースに適応があると考えています。
日赤といえば、国内外における災害支援・医療支援を忘れてはなりません。近年頻発する災害に対する支援はもちろんのこと、当医療センターは全国に91を数える日赤病院の中でわずか5ヵ所の国際救援拠点病院の1つです。
赤十字としての使命を果たすべく、この分野でも活発に活動しています。
1905(明治38)年4月 日本赤十字社和歌山支部病院として発足
1986(昭和61)年12月 第二外科部開設
2006(平成18)年9月 第一・第二外科を統合して外科部と改称、小児外科が独立
2009(平成21)年4月 乳腺専門外来を開設
2011(平成23)年4月 乳腺外科が独立
2016(平成28)年9月 消化管外科部を開設
2017(平成29)年4月 肝胆膵外科部を開設
2020(令和2)年4月 消化管外科部を第一消化管外科部と改称、第二消化管外科部を開設
2022(令和4)年4月 外科部、第一・第二消化管外科部、肝胆膵外科部を統合して消化器外科部となる
役職 | 主任部長 |
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卒業年 | 1993(平成5)年 |
専門分野 | 肝胆膵外科、肝移植 |
資格 | 日本外科学会外科専門医・指導医 日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:肝臓) 日本肝胆膵外科学会高度技能専門医 日本肝臓学会肝臓専門医 |
その他 | 京都大学医学博士 日本肝胆膵外科学会評議員 近畿外科学会評議員 |
関連するページ | 日赤和歌山情報局Hot"Medical Information すこやかな毎日のために” 肝胆膵がんの診断と治療① 肝がん(2022年6月9日公開) 肝胆膵がんの診断と治療② 胆道がん(2022年7月14日公開) 肝胆膵がんの診断と治療③ 膵がん(2022年8月11日公開) |
役職 | 部長 |
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卒業年 | 1988(昭和63)年 |
専門分野 | 上部消化管外科、内視鏡外科、ロボット手術 |
資格 |
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:食道)
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医
日本食道学会食道科認定医・食道外科専門医 日本内視鏡外科学会ロボット支援手術認定プロクター(消化器・一般外科:食道・胃) 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本消化管学会胃腸科専門医・指導医 日本消化器病学会消化器病専門医 胃がんdaVinci手術メンター |
その他 | 大阪市立大学医学博士 日本消化管学会代議員 日本胃癌学会代議員 日本内視鏡外科学会評議員 日本消化器外科学会評議員 日本臨床外科学会評議員 近畿外科学会評議員 ロボット(da Vinci)手術資格 |
関連するページ |
山下好人(個人)紹介Webサイト いいお医者さんネット メディカルノート
役職 | 部長 |
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卒業年 | 1995(平成7)年 |
専門分野 | 消化器一般外科、内視鏡外科 |
資格 |
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会ロボット支援手術認定プロクター(消化器・一般外科:直腸)
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:胃) 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本ロボット外科学会専門医国内B級 |
その他 | 京都大学医学博士 ロボット(da Vinci)手術資格 |
関連するページ |
「公開講座(赤十字県民大学)」令和5年度動画
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役職 | 副部長(兼) |
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卒業年 | 1986(昭和61)年 |
専門分野 | 消化器一般外科、肝胆膵外科 |
資格 |
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会消化器病専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医 日本移植学会移植認定医 日本肝臓学会肝臓専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:胆道) 日本緩和医療学会緩和医療認定医 |
その他 | 京都大学医学博士 産業医 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2000(平成12)年 |
専門分野 | 消化器一般外科、小児外科、肝移植(小児) |
資格 |
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医
日本小児外科学会小児外科専門医・指導医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:胆道) 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本肝臓学会肝臓専門医 日本移植学会移植認定医
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医 日本プライマリ・ケア連合学会専門医・指導医
日本ロボット外科学会専門医国内B級 |
その他 | 日本肝胆膵外科学会評議員 ロボット(da Vinci)手術資格 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2007(平成19)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本内視鏡外科学会ロボット支援手術認定プロクター(消化器・一般外科:胃) 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:胃) 日本消化器外科学会消化器外科専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
その他 | ロボット(da Vinci)手術資格 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2007(平成19)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本消化器外科学会消化器外科専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:胃) |
その他 | 京都大学医学博士 ロボット(da Vinci)手術資格 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2007(平成19)年 |
専門分野 | 消化器一般外科、肝胆膵外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本肝臓学会肝臓専門医日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:大腸) |
その他 | 京都大学医学博士 日本肝胆膵外科学会評議員 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2009(平成21)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:胃) 日本消化器外科学会消化器外科専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 |
その他 | ロボット(da Vinci)手術資格 |
役職 | 医長 |
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卒業年 | 2011(平成23)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本消化器外科学会消化器外科専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:大腸) 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本ロボット外科学会専門医国内B級 日本腹部救急医学会腹部救急認定医 |
その他 | ロボット(da Vinci)手術資格 |
役職 | 医長 |
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卒業年 | 2012(平成24)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本消化器外科学会消化器外科専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科:大腸) 日本ロボット外科学会専門医国内B級 |
役職 | 医長(兼) |
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卒業年 | 2012(平成24)年 |
専門分野 | 消化器一般外科、呼吸器外科全般 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本消化器外科学会消化器外科専門医 日本呼吸器外科学会・日本胸部外科学会呼吸器外科専門医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本小児外科学会小児外科専門医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2014(平成26)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2015(平成27)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2018(平成30)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2020(令和2)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2020(令和2)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 |
役職 | 医師(兼) |
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卒業年 | 2010(平成22)年 |
専門分野 | 消化器一般外科、外傷外科、戦傷外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 社会医学系専門医・指導医 日本腹部救急医学会腹部救急認定医 |
その他 | 日本救急医学会JATECインストラクター 日本災害医学会MCLSインストラクター |
役職 | 医師(兼) |
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卒業年 | 2011(平成23)年 |
専門分野 | 消化器一般外科 |
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本救急医学会救急科専門医 |
場所 | 本館2階(2A) |
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受付時間 | 新患:8時〜11時30分 再来:8時〜11時30分 |
区分
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月曜日
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火曜日
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水曜日
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木曜日
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金曜日 |
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AB
CD |
辰林
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金井
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一宮
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寺脇
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安近
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山田 | 奥村 | 横山 | 山下 | 伊東 | |
野間 | 青山 | 宮本 | 川添 | 佐倉 | |
C |
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-
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井上 (午後) |
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(2023年11月1日~)
※区分
(A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)
※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。
※赤字の名前は女性医師です。
術 式 | 全手術数 | 内、鏡視下手術数 |
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食道切除術 | 11 | 11 |
幽門側胃切除術 | 63 | 63 |
胃全摘術 | 33 | 32 |
結腸切除術 | 172 | 152 |
直腸前方切除術 | 75 | 71 |
直腸切断術 | 1 | 1 |
肝切除術(葉切除以上) | 11 | 0 |
肝切除術 (区域・亜区域切除術) |
22 | 10 |
肝切除術(上記以外) | 31 | 18 |
膵頭十二指腸切除術 | 20 | 0 |
膵体尾部切除術 | 13 | 12 |
膵切除術(その他) | 3 | 0 |
胆嚢摘出術 | 249 | 245 |
脾摘術 | 1 | 1 |
虫垂切除術 | 98 | 96 |
ヘルニア手術 (小児を除く) |
124 | 79 |
良性肛門疾患手術 | 9 | 0 |
その他 | 493 | 124 |
合 計 | 1,429 | 915 |
うち全身麻酔 | 1,234 | 915 |
うち緊急手術 | 229 | 97 |
がんの根治を目指しながらも、痛みやからだへの負担が少なく術後回復の早い内視鏡手術(腹腔鏡手術、胸腔鏡手術)、ロボット支援手術を積極的に行い、進行がんに対しても良好な成績を示しています。治療方針は各種がん治療ガイドラインに基づいて決定し、患者さんがご自身の病気や治療のことをしっかりと理解したうえで安心して治療を受けていただけるように努めています。消化器のがんでお悩みの患者さんは是非ともご相談ください。
当科では、一般社団法人 National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。ご理解ご協力お願いします。
従来より、当医療センターは救急全例応需の方針を掲げ、当科では年間250例近い緊急手術を行っています。これからも引き続き地域の救急医療に貢献できるよう努めてまいります。
それとともにがん診療連携の拠点病院として、さらにレベルアップを図っていきたいと思います。
2022(令和4)年4月には消化器外科部と改称しました。最先端治療であるロボット支援手術を、消化管がん、特に胃がん、直腸がんに対して積極的に行っています。また、肝胆膵領域のがんに対して、肝胆膵高度技能医による手術治療を積極的に行っています。
ご紹介いただいた患者さんの治療経過は、紹介元の先生方に逐次報告させていただき、退院後に病状が安定すれば逆紹介しています。胃がんにおいては、『胃がん術後地域連携パス』も導入しています。地域における『かかりつけ医』との機能分担による医療連携を目指しています。
当科では消化管のがんに対する外科治療を専門的に行っていますが、進行がんに対しては手術だけでなく抗がん剤治療も積極的に行い、治療成績の向上に努めています。さらに食道がんでは放射線治療科と協力しながら放射線治療を含めた集学的治療を行っています。
また、内視鏡手術の技術を生かして、さまざまな良性疾患にも広く対応しています。
現在、日本赤十字社和歌山医療センター消化器外科では、一緒に消化器外科医としての仕事をしてみたいという先生を広く募集しています。当科の年間手術数は平成28(2016)年度で1,534例と関西でも屈指の手術数を誇っています。この豊富な手術数をもとに若手の先生方は消化器の悪性腫瘍から、胆石症、ヘルニア、虫垂炎などの良性疾患、さらには、さまざまな緊急手術まで数多くの症例を経験することが可能です。一方、その道のエクスパートが最先端の内視鏡手術や高難度手術を行っていますので、症例に偏りがあり若手の先生方が執刀する機会の少ない大学病院や最先端のがん治療を学ぶことが難しい地域の病院とはこの点で大きく異なっています。当科では、外科認定医・専門医、消化器外科専門医の取得に必要な経験が足りずに困るようなことは、まずありません。さらに高度な技術が要求される内視鏡外科技術認定医の取得を目指して内視鏡手術のエクスパートが日々指導を行っています。
当医療センターの手術室は2011(平成23)年に竣工された本館の5階にあり、非常にきれいでゆとりのある手術室が21室もあって関西トップクラスです。設備としては外科専用の3D内視鏡システムを2台所有しており、フル稼働しています。その他、エネルギーデバイス、手術支援ロボットなどの最新医療機器も充実しています。
21室ある手術室
3D内視鏡システム
外科医としての臨床経験を積みたい、高度な技術を習得したいと考えておられる先生方は是非、ご連絡ください。病院見学も随時受け付けています。
初期研修医の先生方、専攻医の先生方はこちら:お問い合わせフォーム
外科医のやりがいと指導体制はこちら : WEBマガジンの記事へ
当医療センターは、研修医教育において「日本一手技の上手な研修医を育てる」という目標を掲げて取り組んでいます。外科系診療科で実践する頻度の高い手技(糸結び、超音波ガイド下穿刺、皮膚縫合、腹腔鏡下縫合)を定型化し、外科ローテート中に限らず、通年でシミュレーショントレーニングを行っています。
研修医室には、動画教材やトレーニングの設備も用意されており、隙間時間に活用できます。指導医の協力体制の下、個人の到達度に応じた手術への参加も進めています。学会での発表も積極的に取り組めるよう指導しているため、外科の全国学会では2年連続で表彰されています。
当医療センターの研修医は、全国各地、多様な出身大学から集まっていますが、フレンドリーです。手技を上達させたいという学生や研修医の先生は、気軽に連絡・相談いただければと思います。いつ見学にいらしても、日々の取り組んでいる雰囲気は伝わると思います。
2021(令和3)年 日本臨床外科学会研修医Award
2022(令和4)年 日本臨床外科学会研修医Award
研修医トレーニング(講義)
研修医トレーニング(左:結紮、右:内視鏡)
川人 章史(かわひと あきふみ) 2016(平成28)年卒
熊本赤十字病院での2年間の初期研修を終え、故郷のある近畿へ戻ってきました。私の学年から始まった日本赤十字社和歌山医療センターの後期研修プログラムに沿って外科修練を積むためで、当医療センターを修練場所に選択した理由としては「症例の多さ」に始まり、「若手の戦力感」「中堅医の意識の高さ」「部長先生の懐の広さ」にあります。
当医療センターは、外科のスタートおよび若手の技量が試される「胆嚢摘出術」に関して、日本屈指の症例数を誇っています。日中あるいは当番の日にも外傷を含めた救急症例を緊急で執刀できる機会が数多くあり、その際は常に中堅医師に指導していただきながら日々技量を磨いています。難度の高い症例となると部長先生も見に来てくださったり、手術室はチーム感の漂う「学び舎」となっていました。
「内視鏡外科学会技術認定医」が10名在籍し、上部消化管・下部消化管・肝胆膵チームそれぞれにバランス良く配属されており、悪性疾患に対し最先端の定型化された内視鏡・開腹手術を経験できました。カンファレンスでは相談する垣根も低く、複雑な症例に対しては各方面からの意見を出し合い手術プランを練ることで、患者さんに対しベストな医療を心掛けています。
後期研修3年間では、最初は良性および救急疾患をベースに技量を積み、ある程度安定した手技ができるようになった段階で、それぞれの習熟度に合わせて悪性疾患も担当させていただきました。後期研修3年間を終え、「迷惑をかけた若手が恩返しできることは何か?」と尋ねた際に、部長先生始め中堅医師から「若手がいるだけで消化管外科に活気が出る、おじさんには活気は出せない」と言葉をいただいた時、「確かに」という気持ち半分、残り半分は当医療センター消化管外科チームの底知れない温かみと懐の広さを感じました。
最後に、日々の日常診療に疲れることも多いですが、私の心を癒やしてくれていたものは、「手術した患者さんおよび家族からの感謝の言葉やいただいた手紙」、それから「和歌山の自然」でした。和歌山は田舎です。田舎にしか無いものはたくさんあります。カメラが趣味で、週末にはカメラ片手に出歩いています。少し行けば、山や渓谷、海岸があり、日の出や夕焼け、田舎の星空なんてものを写真に収め、心がリフレッシュされると、また、週明けから手術といった毎日でした。非常に充実した3年間となりました。ありがとうございました。
後期研修年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | |
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食道がん切除術 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
幽門側切除術 | 総数 | 1 | 5 | 1 |
鏡視下 | 1 | 0 | 1 | |
胃全摘術 | 総数 | 0 | 4 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
結腸切除術 | 総数 | 7 | 12 | 29 |
鏡視下 | 2 | 10 | 20 | |
直腸前方切除術 | 総数 | 0 | 4 | 0 |
鏡視下 | 0 | 3 | 0 | |
直腸切断術 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
肝切除術「葉切除以上」 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
肝切除術「区域・亜区域」 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
肝切除術「上記以外」 | 総数 | 0 | 0 | 2 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
膵頭十二指腸切除術 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
膵体尾部切除術 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
膵切除術「その他」 | 総数 | 0 | 0 | 1 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
乳がん手術 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
胆嚢摘出術 | 総数 | 47 | 28 | 17 |
鏡視下 | 45 | 27 | 16 | |
脾摘術 | 総数 | 0 | 0 | 0 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
虫垂切除術 | 総数 | 25 | 21 | 17 |
鏡視下 | 24 | 20 | 16 | |
ヘルニア手術「小児以外」 | 総数 | 16 | 22 | 24 |
鏡視下 | 0 | 8 | 13 | |
良性肛門疾患に関する手術 | 総数 | 2 | 5 | 1 |
鏡視下 | 0 | 0 | 0 | |
その他(緊急・ポートなど) | 総数 | 40 | 40 | 81 |
鏡視下 |
12
|
2 | 34 | |
症例数合計 | 総数 | 138 | 141 | 173 |
鏡視下 | 84 | 70 | 100 |