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呼吸器内科


当科について

ご案内

場所

本館2F

受付時間

新患:8時〜11時30分まで
再来:8時〜11時30分まで

特色

当科は肺がん、肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、睡眠時無呼吸症候群などすべての呼吸器内科疾患の診断・治療を行っています。当センターでは呼吸器外科との充実した連携体制が特徴で、特に肺がんの診療においてはカンファレンスを通じて最良の治療が行えるよう努めています。当科は和歌山での基幹病院として先進の医療を提供することに努力するとともに、当科で経験したことを外に発信し医療の向上に寄与していかなければいけないと考えています。

慢性期呼吸器疾患においては、地域医療機関の先生方、各職種の方々との更なる連携、支援体制づくりを推進し、和歌山全体の呼吸器診療体制の構築にも寄与していきたいと考えています。人口の高齢化により、特に肺がん、慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患患者さんの絶対数は増加してきており、呼吸器内科診療の必要性がますます高まってきています。当科として出来うる最大限の努力を行っていきたいと思います。

呼吸器内科部長 杉田孝和

患者さんへ

当科では県内呼吸器系の基幹病院として、すべての呼吸器疾患患者さんを対象として診療を行っております。少しでも効率的に診療を進めるため、初診時は紹介状やレントゲンなどの資料をご持参いただけると助かります。また緊急時はERにて24時間体制で対応可能です。どうぞ安心して受診してください。

地域の先生方へ

当科は①呼吸器系の基幹病院として救急疾患、慢性疾患を問わず、すべての呼吸器疾患の診断・治療に対応すること②肺がんの診断・集学的治療③安定期の患者さんの病診連携・逆紹介という3点に特に力を入れて取り組んでいます。地域の患者さんの健康を守るには地域の先生方と私ども基幹病院との緊密な連携が欠かせないと考えております。先生方と手を携えて、患者様と地域医療のお役に立ちたいと願っております。


スタッフ紹介

医師

杉田 孝和 (すぎた たかかず)

役職 第一呼吸器内科部長
卒業年 昭和62年  
専門分野 呼吸器疾患全般
肺がんの化学療法
 
資格 日本内科学会認定内科医・指導医
日本内科学会近畿支部評議員
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本呼吸器学会代議員
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医

池上 達義 (いけうえ たつよし)

役職 第二呼吸器内科部長
卒業年 平成2年  
専門分野 呼吸器疾患全般
禁煙サポート COPD
 
資格 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本禁煙科学会禁煙支援医師
日本結核病学会結核・抗酸菌症指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医

堀川 禎夫 (ほりかわ さだお)

役職 副部長
卒業年 昭和59年  
専門分野 呼吸器疾患全般
睡眠時無呼吸症候群
 
資格 日本内科学会認定内科医・指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会指導医
日本医師会認定健康スポーツ医

寺下 聡 (てらした さとし)

役職 副部長
卒業年 平成14年  
専門分野 呼吸器疾患全般
局所麻酔下胸腔鏡
資格 日本呼吸器内視鏡学会評議員
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

深尾 あかり (ふかお あかり)

役職 副部長
卒業年 平成17年  
専門分野  
資格 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医

小西 聡史 (こにし さとし)

役職 医師
卒業年 平成19年
専門分野 気道の疾患モデリング
 資格 医学博士
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本再生医療学会再生医療認定医
京都大学大学院呼吸器内科客員研究員
大阪大学大学院生命機能研究科特任講師

野口 進 (のぐち すすむ)

役職 医師
卒業年 平成20年
専門分野  
資格 日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医

矢本 真子 (やもと まこ)

役職 医師
卒業年 平成21年
専門分野  
資格 日本内科学会総合内科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医

河内 寛明 (かわち ひろあき)

役職 医師
卒業年 平成27年  
専門分野  
 資格  日本内科学会認定内科医

垣 貴大 (かき たかひろ)

役職 医師
卒業年 平成28年
専門分野  
 資格  

住永 圭一郎 (すみなが けいいちろう)

役職 医師
卒業年 平成29年
専門分野  呼吸器内科
 資格  

田中 瑛一朗 (たなか えいいちろう)

役職 嘱託
卒業年 平成23年  
専門分野  
資格 日本内科学会認定内科医
日本呼吸器内視鏡学会評議員・気管支鏡専門医
日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医
日本医師会認定産業医

施設認定
  内科学会、呼吸器学会、呼吸器内視鏡学会


疾患・治療

当科で扱う主な疾患と当科の診療の特徴

肺がん

肺がんは、悪性新生物の死因の第一位になっており、特に和歌山は肺がん死亡率が高い県となっています。当科には年間約250例前後の新規症例があり、各種画像検査に加えて気管支鏡検査(超音波内視鏡、Bf-NAVIの活用)、CTガイド下生検、胸腔鏡検査などを用いて診断し、呼吸器外科との緊密な連携のもと、治療方針を決定し標準治療を行っています。肺がんの内科的治療として年間約200から300人の患者さんに化学療法を施行しており、最新の薬物治療を行い、全国規模の肺がん臨床試験にも参加しています。当センターには現在20床の通院治療センターが設置されており、半数以上の患者さんは外来化学療法を施行しています。

肺炎、結核などの呼吸器感染症

肺炎は人口高齢化とともに増加してきており、平成23年以降日本人の死因順位の3位にあがってきています。当科では細菌検査室と緊密に連携して迅速な起炎菌診断を行い、適切な抗菌薬による治療を行います。また当科は主として重症例の入院治療を行っており、救急部・集中治療部とも連携し、緊急入院や集中治療に対応しています。

和歌山は結核罹患率が高く平成29年度和歌山県で139人の新規発生がありました。咳が2週間以上続く場合はレントゲン検診が勧められます。多くは外来通院治療が可能ですが、感染性の高い患者さんは指定医療機関での入院治療が必要となります。

非結核性抗酸菌症(結核菌以外の抗酸菌による感染症)が近年、主として中高年の女性に増加傾向にあります。人には感染しません。治療は数種類の抗菌薬を1年以上内服しますが、特効薬はいまだない現状です。
その他真菌(カビ)やウイルスによる肺炎など、多彩な感染症の診断・治療を行っています。

COPD

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主にタバコの喫煙が原因となる「肺の生活習慣病」です。全国で500万人以上の患者がいると言われており現在も急速に増加しています。中でも和歌山県は死亡率が全国ワーストワンです。主な症状は慢性の咳、痰、息切れですが、中等症までは無症状のことが多いため重症化するまで気付かないケースや、風邪が長引く、歳のせいなどとして看過されているケースもあり早期診断が望まれます。治療の第一は禁煙です。吸入の気管支拡張薬による薬物療法に加え、運動療法や栄養療法など多面的な治療により症状緩和のみならず生活の質の向上、ひいては予後が改善することが証明されています。当科では理学療法科や栄養科、薬剤部などとの院内ネットワーク(チームCOPD)、及びかかりつけ医との病診連携(和歌山地域CODPネットワーク、通称「和CON」)を通じ、COPD患者さんのケアの質を高めていく取り組みを行っています。

和CONについてはこちら

気管支喘息

気管支喘息は夜間・明け方の咳や喘鳴、呼吸困難を主な症状とする慢性の疾患です。慢性の咳のみを呈する咳喘息という病態もあります。喘息の病態は気管支の慢性炎症であると考えられており、発作時のみならず症状のない安定期も継続して炎症を抑える治療が必要です。1980年台から抗炎症薬である吸入ステロイド薬が導入され喘息治療は格段に向上しました。当科では早期から吸入ステロイド薬を中心とする喘息治療の普及に努めてきましたが、最近呼気一酸化窒素(NO)検査や呼吸抵抗検査など新しい検査機器も導入され、気管支喘息患者さんの治療にさらに貢献していきたいと考えています。また、重症難治性喘息に対する新しい薬剤や、気管支サーモプラスティも取り入れています。

間質性肺炎

肺の間質という部分に生じる炎症性疾患の総称です。

急性(日・週単位)の経過をたどるものから、慢性(年単位)の経過を示すものまであり、その原因は膠原病に伴うもの、粉塵やカビ・羽毛などの慢性的な吸入に伴うもの(塵肺、過敏性肺炎)、服用している薬剤に伴うもの、感染症に伴うもの、放射線治療に伴うものなど多岐にわたります。原因の特定できないものは特発性間質性肺炎となり、その中には特定疾患に指定される疾患もあります。治療困難であった特発性肺線維症に対して抗線維化薬による治療を行っています。

この様に経過、原因が多岐にわたる疾患であり、治療も原因に応じて対処法が異なります。問診(既往歴、家族歴、職業歴、喫煙歴、薬剤服用歴、ペット飼育歴、居住環境など含む)、身体所見、血液検査、呼吸機能検査、画像検査(胸部X線検査、高分解能CT検査)などに加え、必要に応じて気管支鏡検査や胸腔鏡下肺生検による病理組織診断なども行い、総合的な診断を行い、治療法を検討します。

呼吸不全

肺での呼吸の働きは、酸素を血液に取り込み炭酸ガスを排泄することです。 これが充分に働かなくなった状態を呼吸不全といいます。呼吸不全が進行すると、低酸素血症や体に二酸化炭素が溜まる高炭酸ガス血症を引き起こします。
日本では慢性閉塞性肺疾患(COPD)と結核後遺症が原因の多くを占めており、このほかに気管支拡張症、間質性肺炎、肺がん、脊椎後側彎症などの胸郭疾患、神経筋疾患などが原因となります。

当センターでは、低酸素血症、高炭酸ガス血症に対して在宅酸素療法、在宅NPPVなどを導入し、診療を行っております。さらに近年「ハイフローセラピー」という新しい酸素療法を導入しました。これにより有効かつ患者さんに負担の少ない治療が行えるようになりました。

また、リハビリテーション科との連携により呼吸リハビリテーションを行い、酸素吸入量の調節、運動療法、呼吸筋訓練、栄養などの指導を行っております。

急性増悪時は救急診療を常に受け入れており、必要に応じて入院頂き、上記の治療を行っていきます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は眠っている時、つまり本人の意識がない時に呼吸が止まる病気ですので、当然自覚がありません。ですからご家族からのすすめや、職場での居眠りや社内旅行/宿直の時に発見されての受診が多くみられます。なぜか夜間に何度も目が覚める、夜間のみの頻尿、起床時スッキリしない、昼間の強い眠気はこれが原因かもしれません。

高血圧、心臓病、脳出血/脳梗塞、糖尿病などの病気と毎晩の無呼吸がお互いに持ちつ持たれつ悪化して将来、命にかかわることにもなりかねません。

自宅での簡易検査、入院での精密検査(PSG検査:ポリソムノグラフィー)で診断しています。

2001年より睡眠時無呼吸外来を開いており、2018年度ではPSG検査を170件施行、必要な方にはCPAP治療を導入しています。

禁煙サポート

呼吸器疾患の多くは喫煙関連であり治療や予防において禁煙は非常に重要です。一方で喫煙はニコチン依存症であり自力でやめるのはたやすいことでは有りません。当科では県内でもいち早く禁煙外来を開設しすでに2,000人以上の方の禁煙をお手伝いしてきました。

2008年からは保険で受けられるようになり、より多くの方がチャレンジされています。当科の禁煙外来は薬物療法(ニコチンパッチ、内服禁煙薬)に加え、医師・看護師が連携し電話サポートも取り入れた精神面のサポートが特徴です。

苦痛のない気管支鏡検査

従来、気管支鏡は苦痛を伴う検査でしたが、当科ではミダゾラムによるセデーション下に苦痛のない気管支鏡検査を行っています。当科の調査では、セデーション下の気管支鏡を受けた患者さんの約87パーセントは苦痛を感じなかったと回答していました。


COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

COPDはタバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入することにより生じ、徐々におこる労作時の呼吸困難、慢性の咳や痰を主症状とする進行性の肺の慢性炎症性疾患です。呼吸機能検査で気管支拡張薬投与後の1秒率が70%未満であればCOPDと診断されます。ただし中等症までは無症状のことが多く、症状が出る頃にはすでに重症化していることが少なくありません。

和歌山県は全国ワーストワン! COPDの現状と問題点

我が国のCOPD患者数は2001年に行われた疫学調査によると500万人以上と推計されました。高齢化の進行により、現在では700万人以上ともいわれています。また近年死亡率が急増しており、三大疾病であるがん、心臓病、糖尿病の伸び率に匹敵する速度で増加しています。(図1


 一方でCOPDの診断率は10%以下と低く、国民の認知度も他の生活習慣病と比較して著しく低い状況にあります。厚生労働省は第2次健康日本21においてCOPDを第4の重点疾患に指定しました。そして10年後(2023年)の認知度を現在の25%から80%にあげるという数値目標を設定しました。

そしてここ和歌山県は平成24年のCOPD死亡率が全国ワーストワンでした。(図2)


過去の喫煙率の高さや、高齢化が他府県より進んでいることが関連していると思われますが、いまこの和歌山でCOPDへの対応が強く求められています。

注目される「COPD増悪」の重要性

COPD増悪とは息切れや咳、痰などの症状が増悪し、安定期の治療の変更あるいは追加が必要となる状態をいいます。風邪や喘息と混同され、適切に対応されていないことが少なくないと思われます。しかし増悪は呼吸機能を急激に悪化させ、増悪回数が多いほど予後が不良となることが明らかとなり、増悪の重要性が近年注目されています。

COPDの全身併存症

COPDには心血管疾患や骨粗鬆症、消化器疾患、抑うつなど全身の合併症がおおいことも近年注目されています。COPDは気道・肺のみでなく全身性炎症を伴う疾患であることが明らかとなってきており、COPDは呼吸器系のみでなく併存症も含めた全身管理を要する疾患と考えられます。

COPDにおける医療連携

COPDは病診連携に適した疾患といわれています。
その理由は診断基準が明確で、治療方針がガイドラインで標準化されていること。そして安定期と増悪期の区別が明瞭で専門医とかかりつけ医の役割がわかりやすいことがあげられます。

COPDにおける病診連携の特徴は、専門医からかかりつけ医への一方向の連携ではなく、かかりつけ医と専門医を患者さんが行き来する「循環型医療連携」です。糖尿病における医療連携と類似しています。

 COPDにおける病診の具体的な役割は(図3)のようになります。 専門医(呼吸器内科)は呼吸機能検査や画像診断を行い、確定診断と重症度分類、治療方針の決定、定期検査を行います。また重症増悪時の救急・入院治療を担います。 かかりつけ医では安定期の治療、増悪予防・軽症増悪の治療を担います。合併症の管理や、必要に応じて在宅酸素療法や訪問看護など在宅サービスのマネージメントもかかりつけ医が中心となります。


禁煙はCOPDの予防・治療において最も重要であり、喫煙者に対して禁煙を勧め、禁煙サポートを提供していくことはすべての医療者の役割です。
日赤呼吸器内科では禁煙外来の依頼にも対応させていただきます。

医療連携のメリット

かかりつけ医は重症増悪時に患者さんを躊躇なく専門施設へ送ることができ、当科では外来の負荷が軽減して救急・入院医療により注力することができます。患者さんにとってはかかりつけ医と専門医のダブル主治医制となることで安心かつ利便性の高い治療を継続できます。

和CONの概要

医療機関の登録

所定の用紙に情報を記入いただき、FAXにて日赤医療連携課までお申し込みください。情報は医療連携課および呼吸器内科にて厳重に管理いたします。

医療対象患者の登録

(図4)
和CON登録医療機関でCOPDが疑われた患者さんは、呼吸器内科宛にご紹介ください(予約時FAX用紙空欄に「和CON」とご記載ください)。もちろんすでに診断され治療中の患者さんの評価目的でも結構です。
呼吸器内科では、確定診断と重症度分類を行い、初期の治療方針を決定します。続いて吸入指導、リハビリテーション、増悪時のアクションプランなど患者教育を行います。1ヶ月程度治療効果やコンプライアンスを確認後、和CONについて説明、同意を得て登録させていただきます。


呼吸器内科を直接受診しCOPDと診断された患者さんは、和CON登録医療機関との連携が可能でかつ同意が得られた場合、和CON登録させていただきます。

登録後

 (図5

患者さんはかかりつけ医へ通常1ヶ月ごとに通院していただきます。安定期管理には投薬、予防接種、生活指導(禁煙、服薬状況の確認、適度の運動・栄養指導、感冒・過労の予防など)、軽度増悪の治療および併存症の治療が含まれます。患者さんの必要に応じて実施していただきます。重症者では介護・療養環境の整備・指示、在宅酸素療法も必要になります。患者さんが持参する和CONノート(図6)の末尾にあるかかりつけ医欄に簡単に診療結果をご記載ください。
 


定期検査

通常半年または1年ごとに呼吸器内科で呼吸機能検査や画像検査のフォローアップを行います。必要に応じて治療方針の見直しを行い、結果とともにかかりつけ医へフィードバックします。

憎悪時の対応

(図7)
軽い増悪時はかかりつけ医で治療いただきます。救急対応や入院の必要な増悪時、および何らかの理由でかかりつけ医が対応困難な場合は呼吸器内科(時間内)または救急外来(時間外)で対応いたします。


増悪時の診療マニュアル

増悪時の診療マニュアル

増悪のサイン

・呼吸困難がいつもより強い
・痰の色が黄〜緑色に変化(膿性化)
・痰の増加、切れにくい
・胸部不快感・違和感
・発熱、食欲低下、睡眠障害など

入院の必要性の判断

入院が必要か、外来・在宅で治療を続けるか
(黄色部分を重視して判断する)

  入院を推奨 外来・在宅を推奨
呼吸困難 高度 軽度
全身状態 不良
チアノーゼ (+) (−)
意識障害 (+) (−)
重篤な併存症
(特に心・血管系疾患)
(+) (−)
SPO2<90% (+) (−)
末梢の浮腫 (+) (−)
在宅酸素療法 (+) (−)
介護者 なし・独居 あり
ADL 不良
発現が急速 (+) (−)

(日本COPD対策推進会議 COPD診療のエッセンス2014年版)より

外来・在宅治療のポイント

ABCアプローチ(実際にはB→C→Aの順に適応していく)にてCOPD増悪の80%以上が外来で管理可能です(COPD診断と治療のガイドライン第4版)。

B(bronchodilators):短時間作用性β2刺激薬(SABA)の追加
C(corticosteroids):経口ステロイド薬(30-40mg/day 5日間 ※1)
A(antibiotics):痰の膿性化があり感染が疑われる場合。肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラキセラ・カタラーリスの感染が多く、ペニシリン系薬、ニューキノロン系薬の5〜10日間の使用が推奨されています。
処方例
・プレドニン 30mg 分2 5日間(漸減不要)
・メプチンクリックへラー 1回1〜2吸入 1日4回まで
・オーグメンチン3Cap 分3 5日〜10日

または
クラビット500mg1錠 分1 5日〜10日
上記治療に不応の場合
呼吸器内科外来または救急外来へご紹介ください。
(予約は不要、直接連絡ください)

※1 ガイドライン第4版では投与期間は10〜14日と記載されていますが、最近のStudyで5日投与と14日投与で効果に差がないことが示されました。(Leuppi JD. et al. JAMA 2013;309:2223-2231.)

「チームCOPD」と患者教育

当センターの多職種によるCOPDケアチームと患者教育

呼吸器内科では診断・治療に加え、患者教育に重点を置いています。患者教育には多くのコメディカル・スタッフがチームとして関わっています。

看護師は患者教育の中心を担っています。専門的な知識を生かし当科で作成した「COPDハンドブック」に沿って、生活全般にわたる指導を行います。またLINQを用いて患者教育の到達度を評価し、方針に生かしています。
薬剤師は吸入指導を中心とした指導を行います。COPD治療の主体は吸入療法ですが吸入薬は適切に吸入しないと効果が得られません。吸入指導はCOPDの薬物療法の根幹部分です。今後院外薬局の薬剤師とも吸入指導における連携を深めるため、病薬連携を進めていく予定です。
理学療法士は呼吸リハビリテーションを行います。COPDでは息苦しいため無意識のうちに動かなくなり、それがまた呼吸困難を悪化させるという悪循環に陥り、さらに心疾患や糖尿病などの合併症を引き起こすと考えられています。呼吸困難を生じにくい呼吸法とその人にあった運動メニューを指導します。呼吸リハビリテーションが普及していけば、院外のリハビリ施設とも連携していきたいと考えています。
栄養士は栄養指導を行います。COPDでは呼吸に健康人の10倍のエネルギーが必要といわれており、筋肉量が落ちるとさらに呼吸困難を悪化させます。COPDにおいて栄養は非常に大切です。
さらに在宅酸素療法には臨床工学技士が関わり、また社会福祉士は在宅療養に必要な相談を親身に受けています。

当センターではこれらのスタッフが「チームCOPD」として定期的にカンファレンスを持ち、それぞれの職能を生かして積極的にCOPDケアに関わっています。