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血液内科


特色

血液疾患全般を対象として診療しており、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの造血器悪性腫瘍、各種貧血や出血性疾患を主な対象疾患としています。
当科は、日本血液学会認定専門研修施設の認定を受け、無菌室10床を含み入院診療も行っています。
治療方針は標準化に努め、看護師、薬剤師などコメディカルを含むチーム医療を心がけています。


スタッフ紹介

医師

岡 智子 (おか さとこ)

役職 部長
卒業年 2001(平成13)年
専門分野 血液内科学
資格
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会認定血液専門医・指導医
日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本輸血・細胞治療学会認定医
細胞治療認定管理師
その他 医学博士
日本血液学会評議員
日本輸血・細胞治療学会評議員
関連するページ 日赤和歌山情報局Hot"すこやかな毎日のために”
血液の病気① ~意外と多い血液の病気~(2022年12月15日公開)
血液の病気② ~日赤に紹介されたら~(2023年1月19日公開)
血液の病気③ ~日赤での治療~(2023年2月16日公開)

赤木 佑衣奈 (あかぎ ゆいな)

役職 医師
卒業年 2016(平成28)年
専門分野 血液内科一般
資格 日本内科学会内科専門医

外来担当医表

場所

本館2階(2B)

受付時間

新患:「完全予約制」
再来:8時〜11時30分

予約方法
初診
 ①他の医療機関からの紹介状がある場合
  予約センターにて電話で事前予約(0120-936-385)
  予約受付時間  平日 9時~19時
           土曜日 9時~13時
         ※ 日・祝日を除く
 ②他の医療機関からの紹介状がない場合
  他の医療機関を受診ください 

区分
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日

金曜日

ACD
-
赤木
-
-
CD - - 赤木

 (2023年11月17日~)

※区分
(A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)
※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。
※赤字の名前は女性医師です

 

 

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診療実績

令和4年度(2022.4~2023.3)

疾患別新患入院患者数を表1に、造血幹細胞移植数を表2に示します。

 表1.疾患別入院新患数

急性骨髄性白血病 17人
急性リンパ性白血病 5人
骨髄異形成症候群 20人
悪性リンパ腫 93人
多発性骨髄腫 13人
再生不良性貧血 4人
成人T細胞リンパ腫白血病 2人
特発性血小板減少性紫斑病 2人
その他 23人

  表2.移植件数

自家末梢血幹細胞移植 3人
同種造血幹細胞移植 2人

患者さんへ

近年、悪性リンパ腫をはじめとする血液疾患は増加傾向です。治療の進歩により、中には治癒可能な疾患もありますが、まだまだ難治性の疾患も多くあります。
正確な診断およびエビデンスに基づく治療を検討し、患者さんやご家族のご意思を尊重しつつ、それぞれの患者さんに最適な治療法を選択することを心がけています。
また、同種移植が必要な場合は、他の移植可能施設にご紹介いたします。

当科では2023(令和5)年11月17日より完全予約制としました。初めて当科を受診される患者さんは、かかりつけの先生からご紹介いただくようにお願いします。予約センターを通じて新患外来の予約ができますので、まずは予約センターへご連絡ください。
当科では、急性期の患者さんに十分に時間をとって説明および治療をするために、定期的な経過観察、投薬につきましては地域のかかりつけの先生に紹介しています。また、地域の先生方とは常に連携し、再度当科での治療が必要なりましたら、適宜ご紹介いただいています。

予約センターはこちら


地域の先生方へ

当科は、2023(令和5)年4月より常勤医2名体制となり、初診は火水のみとさせていただいてます。
当日に十分な対応は困難なこともあるため、必ず医療連携課(予約センター)を通して事前の予約をお願いいたします。
ご不便をおかけし、誠に申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。


疾患治療

各疾患別治療方針について

急性骨髄性白血病:
JALSG(日本成人白血病血球グループ)による共通プロトコールに準じた治療を行っていますが、急性前骨髄性白血病(APL)に対しては、スペインのPETHEMAグループによるAIDA療法(トランス型レチノイン酸+イダマイシン)を行っており、いずれも80%以上の完全寛解率が出ています。予後不良群の第一寛解期や再発後第二寛解期のこの疾患群では移植が必要であり、他院の移植施設にお願いしています。

急性リンパ性白血病:

成人(25歳~)の患者さんに対してはアメリカのMDアンダーソンがんセンターが開発したhyperCVAD/HD-MTX/AraC療法を行っており、寛解導入率は80%を超えています。予後不良群に対しては、同種造血幹細胞移植が必要なため、他院にお願いしています。

悪性リンパ腫:

中等度以上の悪性リンパ腫に対してはCHOP療法を基本としますが、CD20陽性のB細胞リンパ腫に対しては、抗CD20抗体であるリツキサンを加えたR-CHOPを標準療法としています。
一方、低悪性度のB細胞リンパ腫に対してはリツキシマブ+ベンダムスチン(RB療法)を標準療法としています。再発・難治例に対しては、中等度以上の悪性群には、より強力なESHAP療法、CHASE療法、DeVIC療法で再度寛解状態を得た後、自家末梢血幹細胞移植を行います。

多発性骨髄腫:
ここ数年の間に、多発性骨髄腫に対して新薬ラッシュが続いています。そして、治療方針も病状コントロールではなく、より深い寛解を目指す治療に変化してきました。当科でも、ボルテゾミブ+レナリドマイド+デキサメタゾン療法(VRD療法)にて深い寛解導入を図っています。また、65歳以下の患者さんでは、自己末梢血幹細胞移植を行っています。また、再発・難治例には、新しいプロテアソーム阻害剤カルフィゾミブを使用したKRd療法やHDAC阻害剤(パノビノスタット)、抗体薬(エロツズマブやダラツムマブなど)を積極的に投与し寛解を目指しています。

骨髄異形成症候群:

予後因子の良好群では、ビタミンK、ビタミンD、タンパク同化ホルモン・シクロスポリンによる免疫抑制療法を行い、予後不良群では、アザシチジンを投与し、条件が整えば、移植可能な施設に同種造血幹細胞移植をお願いしています。

再生不良性貧血:
中等症~重症型に対しては抗ヒトリンパ球抗体(ATG)+シクロスポリンを投与します。移植が必要な場合は、他院にお願いすることとなります。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP):

出血傾向が高度で血小板数が著明に減少していればγGlb大量療法+ステロイドホルモンを投与しますが、血小板数低下が著明でなくヘリコバクターピロリの感染が確認されれば、ステロイドは投与せず除菌を行っています。再発難治例に対しては、レボレードを積極的に投与しています。


血液内科学の進歩は日進月歩で、年単位で治療法が変化する時代になっています。当科では、常に現時点での標準療法は何かを意識しながら、京都大学や関連病院と連携をとり、新しい治療の臨床研究も積極的に取り入れています。
 


当面の間、休止いたします[2023(令和5)年5月~]

造血幹細胞移植後フォローアップ外来(休止中)

造血幹細胞移植を受けられた患者さんとご家族の方へ

退院後の暮らしや療養のなかで、不安なことや困っていることはありませんか?
看護師からもサポートできることがあります。

外来実施日 毎週火曜 9:00~13:00(休止中)
受診方法
※受診料金は健康保険を適用して請求いたします。
移植後3ヵ月・6ヵ月・1年・以降1年毎を目安に予約します。
上記該当日でなくても、ご希望や必要に応じて予約できます。
予約方法
南8階病棟へお問い合わせください。
(代)073-422-4171 平日10:00~17:00
場所 血液内科外来(本館3階)
時間 医師の診察前に30分程度
対象者 幹細胞移植を受けた方やご家族
担当者 看護師(必要時薬剤師や栄養士なども担当します)
 

毎日のくらしのなかで気になることはありませんか?

フォローアップ外来では、こんな相談をお受けしています。

感染予防

  • ・食事や外食の判断
  • ・普段の生活・外出
  • ・免疫抑制剤中止後の注意点 など

社会復帰 ・リハビリ

  • ・職場や学校への復帰の進め方
  • ・体力・筋力回復の運動の方法 など

体に残った症状

  • ・味覚障害対策
  • ・爪の変形や二枚爪対策
  • ・皮膚の色素沈着
  • ・食欲不振対策
  • ・性腺機能障害の対処
  • ・ホルモン補充療法 など

GVHDのこと

  • ・皮膚のケア方法(予防法と症状があるときの対処)
  • ・口内炎のときの食事、眼の乾き対策 など

こころのケア

  • ・様々な不安や辛さ
  • ・家族の気持ち
  • ・症状が長く続くとき