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血液内科


特色

血液内科部は、血液疾患全般を対象として診療を行っており、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性腫瘍、各種貧血や出血性疾患を主な対象疾患としています。

当科は、日本血液学会認定血液専門医4名の医師が在籍する日本血液学会認定施設ならびに日本骨髄バンク(非血縁者間骨髄移植、末梢血幹細胞移植)および臍帯血バンク認定施設であり、常時45名前後の患者さんが入院されています。平成25年4月には無菌病棟10床をすべて完全無菌室に改装し、県下最大級の規模となっています。治療方針は主治医により偏らないよう標準化に努め、看護師、薬剤師などコメディカルを含むチーム医療を心がけています。

また、骨髄移植に代表される造血幹細胞移植を導入することで、通常の化学療法で治癒困難な疾患の治癒を目指しています。移植法も多彩になってきており、骨髄移植だけでなく同種末梢血幹細胞移植、高齢者(おおむね50歳~65歳)や重篤な合併症を持つリスクの高い患者さんを対象にしたミニ移植(骨髄非破壊的移植RIST)が行われるようになっています。また、再発難治例では、HLA半合致移植(いわゆるハプロ移植)を行います。

当科では、骨髄バンク(非血縁者間骨髄移植、末梢血幹細胞移植)および臍帯血バンクの認定施設であり、上記移植法の中から各患者さんに最適な移植療法を選択するように努めています。また、移植後患者さんの生活レベル(QOL)向上目的で、2015年6月より造血幹細胞移植後フォローアップ外来を開設しました。

一方、患者さんのQOLを重視して、できるだけ入院期間を短縮し、化学療法も1コース目のみ入院で行い、2コース目以降は外来で行うことが多くなっています。


スタッフ紹介

医師

直川 匡晴 (のうがわ まさはる)

役職 部長
卒業年 昭和62年
専門分野 血液内科学、造血細胞移植学
資格
医学博士
京都大学医学部臨床教授
日本血液学会評議員
日本造血細胞移植学会評議員
近畿血液学地方会評議員
日本医療安全学会評議員
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会血液専門医・指導医
日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本プライマリケア連合学会認定医・指導医
認定医療メディエーターA
高度医療安全推進者
細胞治療認定管理師

田中 康博 (たなか やすひろ)

役職 副部長
卒業年 平成12年
専門分野 血液腫瘍学
資格
日本内科学会総合内科専門医
日本血液学会血液専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

岡 智子 (おか さとこ)

役職 副部長
卒業年 平成13年
専門分野 血液内科学
資格
医学博士
日本血液学会評議員
日本輸血・細胞治療学会評議員
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会血液専門医・指導医
日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本輸血・細胞治療学会認定医
細胞治療認定管理師

田村 啓人 (たむら ひろと)

役職 医師
卒業年 平成29年
専門分野 血液内科一般
資格  

濱畑 啓悟 (はまはた けいご)

役職 医師 (兼)
卒業年 平成3年
専門分野 血液・悪性腫瘍
資格
日本小児科学会小児科専門医
日本血液学会血液専門医
日本小児血液・がん学会小児血液・がん指導医
日本造血細胞移植学会会員

外来担当医表

場所

本館2F

受付時間

新患:8時〜11時30分まで
再来:8時〜11時30分まで

区分
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日

金曜日

AB
CD
⭐︎1

直川
-
⭐︎1
直川
田中
-
⭐︎1
田村
田中
田村

 (2021年9月1日~)

※区分

(A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)

 

⭐︎1:CDのみ

※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。

※赤字の名前は女性医師です

 

 

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診療実績

2020年度症例数・治療・成績

疾患別新患入院患者数を表1に、造血幹細胞移植数を表2に示します。

表1.疾患別入院新患数

急性骨髄性白血病 9人
急性リンパ性白血病 2人
悪性リンパ腫 55人
成人T細胞性白血病 1人
多発性骨髄腫 15人
骨髄異形成症候群 11人
再生不良性貧血 2人
特発性血小板減少性紫斑病 6人
その他 23人
総数 124人
 

表2.移植件数

自家末梢血幹細胞移植 8件
同種造血幹細胞移植 6件
骨髄 2件
末梢血幹細胞 1件
臍帯血 3件

2019年度症例数・治療・成績

疾患別新患入院患者数を表1に、造血幹細胞移植数を表2に示します。

表1.疾患別入院新患数

急性骨髄性白血病 11人
急性リンパ性白血病 4人
悪性リンパ腫 53人
成人T細胞性白血病 1人
多発性骨髄腫 4人
骨髄異形成症候群 20人
再生不良性貧血 3人
特発性血小板減少性紫斑病 8人
その他 35人
総数 139人

表2.移植件数

自家末梢血幹細胞移植 1件
同種造血幹細胞移植 2件
骨髄 1件
末梢血幹細胞 1件
臍帯血 0件

2018年度症例数・治療・成績

疾患別新患入院患者数を表1に、造血幹細胞移植数を表2に示します。

表1.疾患別入院新患数

急性骨髄性白血病 11人
急性リンパ性白血病 4人
悪性リンパ腫 47人
成人T細胞性白血病 1人
多発性骨髄腫 7人
骨髄異形成症候群 10人
再生不良性貧血 6人
特発性血小板減少性紫斑病 6人
その他 30人
総数 123人

表2.移植件数

自家末梢血幹細胞移植 4件
同種造血幹細胞移植 5件
骨髄 3件
末梢血幹細胞 1件
臍帯血 1件

患者さんへ

治療の進歩により急性白血病では長期生存者が増加し、悪性リンパ腫も治療完遂例の約半数が治癒可能と考えられるようになってきました。当科では多様化する造血器腫瘍や難治性の血液疾患に対応するため、分子標的治療薬、様々な造血幹細胞ソースを用いた造血幹細胞移植を取り入れ、正確な診断およびエビデンスに基づく治療を検討し、患者さんやご家族のご意思を尊重しつつ、それぞれの患者さんに最適な治療法を選択することを心がけています。

また血液疾患の治療は長期間にわたるため、患者さんやご家族を看護師、薬剤師などコメディカルを含むチーム医療でサポートさせていただいております。2015年6月より移植後患者さんの生活レベル(QOL)向上目的で、造血幹細胞移植後フォローアップ外来を開設致しました。

近年、患者さんのQOLを重視して、2コース目以降の化学療法を外来で行うことも多くきており、その都度相談させて頂いております。


地域の先生方へ

白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性疾患や再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの血液疾患以外に、確定診断がつかない段階での貧血や多血症、白血球、血小板異常に対する検査目的でご紹介いただいても結構です。専門外来は月~金曜日、毎日初診を受け付けています。白血病が疑われる場合や著しい出血傾向がみられるような緊急の患者さんは、事前の予約はなくても、当日、ご連絡いただければできるだけ対応させていただきます。(満床の場合、ご相談させていただくこともありますことをご了承ください)。 お手数ですが紹介状をお願いします。

また、当科では患者さんの様々なニーズに応えていくため、地域医療連携によりかかりつけ医を持っていただくようになっているため、軽症の場合や症状安定した場合はかかりつけ医での診療をお願いする場合もありますのでよろしくお願いします。


疾患治療

各疾患別治療方針について

急性骨髄性白血病:
JALSG(日本成人白血病血球グループ)による共通プロトコールに準じた治療を行っていますが、急性前骨髄性白血病(APL)に対しては、スペインのPETHEMAグループによるAIDA療法(トランス型レチノイン酸+イダマイシン)を行っており、いずれも80%以上の完全寛解率が出ています。予後不良群の第一寛解期や再発後第二寛解期のこの疾患群では、積極的に同種造血幹細胞移植を行っています。

急性リンパ性白血病:
成人(25歳~)の患者さんに対してはアメリカのMDアンダーソンがんセンターが開発したhyperCVAD/HD-MTX/AraC療法を行っており、寛解導入率は80%を超えています。予後不良群に対しては、第一寛解期より同種造血幹細胞移植を行っています。一方、若年者(15歳~24歳)の患者さんに対しては、小児科のプロトコールに準じたALL-202-Uを行い治癒を目指しています。

悪性リンパ腫:
中等度以上の悪性リンパ腫に対してはCHOP療法を基本としますが、CD20陽性のB細胞リンパ腫に対しては、抗CD20抗体であるリツキサンを加えたR-CHOPを標準療法としています。
一方低悪性度のB細胞リンパ腫に対してはリツキシマブ+ベンダムスチン(RB療法)を標準療法としています。再発・難治例に対しては、中等度以上の悪性群には、より強力なESHAP療法、CHASE療法、DeVIC療法をで再度寛解状態を得た後、自家末梢血幹細胞移植を行います。


多発性骨髄腫:
ここ数年の間に、多発性骨髄腫に対して新薬ラッシュが続いています。そして、治療方針も病状コントロールではなく、より深い寛解を目指す治療に変化してきました。当科でも、ボルテゾミブ+レナリドマイド+デキサメタゾン療法(VRD療法)にて深い寛解導入を図っています。また、65歳以下の患者さんでは、自己末梢血幹細胞移植を行っています。また、再発・難治例には、新しいプロテアソーム阻害剤カルフィゾミブを使用したKRd療法やHDAC阻害剤(パノビノスタット)、抗体薬(エロツズマブやダラツムマブなど)を積極的に投与し寛解を目指しています。

骨髄異形成症候群:
予後因子の良好群では、ビタミンK、ビタミンD、タンパク同化ホルモン・シクロスポリンによる免疫抑制療法を行い、予後不良群では、アザシチジンを投与し、条件が整えば同種造血幹細胞移植を行っています。

再生不良性貧血:
中等症~重症型に対しては抗ヒトリンパ球抗体(ATG)+シクロスポリンを投与しますが、条件が整えば骨髄移植を行います。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP):
出血傾向が高度で血小板数が著明に減少していればγGlb大量療法+ステロイドホルモンを投与しますが、血小板数低下が著明でなくヘリコバクターピロリの感染が確認されれば、ステロイドは投与せず除菌を行っています。再発難治例に対しては、レボレードを積極的に投与しています。

 

このように血液内科学の進歩は日進月歩で、年単位で治療法が変化する時代になっています。
当科では、常に現時点での標準療法は何かを意識しながら、京都大学や関連病院と連携をとり新しい治療の臨床研究も積極的に取り入れています。


造血幹細胞移植後フォローアップ外来

造血幹細胞移植を受けられた患者さんとご家族の方へ

退院後の暮らしや療養のなかで、不安なことや困っていることはありませんか?
看護師からもサポートできることがあります。

外来実施日 毎週火曜 9:00~13:00(予約)
受診方法
※受診料金は健康保険を適用して請求いたします。
移植後3カ月・6カ月・1年・以降1年毎を目安に予約します。
上記該当日でなくても、ご希望や必要に応じて予約できます。
予約方法
南8階病棟へお問い合わせ下さい。
(代)073-422-4171 平日10:00~17:00
場所 血液内科外来(本館3階)
時間 医師の診察前に30分程度
対象者 幹細胞移植を受けた方やご家族
担当者 看護師(必要時薬剤師や栄養士なども担当します)
 

毎日のくらしのなかで気になることはありませんか?

フォローアップ外来では、こんな相談をお受けしています。

感染予防

  • ・食事や外食の判断
  • ・普段の生活・外出
  • ・免疫抑制剤中止後の注意点 など

社会復帰 ・リハビリ

  • ・職場や学校への復帰の進め方
  • ・体力・筋力回復の運動の方法 など

体に残った症状

  • ・味覚障害対策
  • ・爪の変形や二枚爪対策
  • ・皮膚の色素沈着
  • ・食欲不振対策
  • ・性腺機能障害の対処
  • ・ホルモン補充療法 など

GVHDのこと

  • ・皮膚のケア方法(予防法と症状があるときの対処)
  • ・口内炎のときの食事、眼の乾き対策 など

こころのケア

  • ・様々な不安や辛さ
  • ・家族の気持ち
  • ・症状が長く続くとき