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日赤和歌山医療センターの医師が健康や病気についての情報をお届けするコーナーです。専門医がさまざまなテーマを解説します。みなさんの健康保持にお役立ていただければ幸いです。
2023/01/19
血液内科の外来では、平日なら毎日初診を受け付けています。地域医療連携により、地域のかかりつけ医から患者さんが当医療センターへ紹介されることも多くなっています。紹介された後の診療の進み方や、患者さんが知っておいたほうがよいことなどを、岡 智子血液内科副部長に聞きました。
地域のクリニックからの紹介で血液内科へ来ていただくときには、まず、外来を予約していただきます。クリニックによって、予約をしていただけるところと、紹介状をもらわれた患者さんがご自身で予約センターに電話して予約する方法があります。はじめて診察に来られるときには、できれば、ご家族など信頼できる人に付き添ってもらえるとスムーズに受診いただけると思います。付き添いのある患者さんの方が、お話しする中で、不安なく受診できたとおっしゃる人が多いように思います。
担当医について
外来で初診を受け持った医師が、その後も担当します。救急で来られた患者さんは、そのときに担当した医師が継続して診察することが多いです。血液の病気は治療の期間が長くなることも多いのですが、基本的には同じ医師が治療を担当します。
治療の偏りをなくすため、複数の医師がカンファレンスで治療方針を検討し、標準化に努めています。また、診察した担当医は電子カルテに病状などを詳しく記載し、情報共有されているので、もし、救急で来られたとしても患者さんの情報はきちんと伝わるシステムが構築されています。
専門性の高い検査の実施
診察ではお話を聞かせていただくほか、血液の特殊な検査や、全身状態を把握するためのCTやPET-CTを使った画像検査を受けていただきます。画像検査では体の外からではわからない血管や内臓の腫れを確認できます。採血で気になる数値があれば、骨髄の検査も合わせて行います。
血液の病気は症状だけではなかなか判明しないため、検査がとても重要です。検査の数が多いと不安になるかもしれませんが、病気を見つけるためには疑われる病気に合わせた特殊な検査が必要です。画像検査も採血も、痛みなどはできるだけ少なくなるように気をつけています。
検査部では国際規格ISO 15189認定を取得しており、専門的な検査を多岐にわたって実施しています。考えられる病気に合わせた検査を適切に行い、精度の高い検査結果をもとに病気の診断をしていきます。認定血液検査技師、臨床検査技師、認定サイトメトリー技術者にも認定骨髄検査技師、認定など認定資格取得者が多く、専門性の高い検査を実施しています。
緊急性の高い疾患が見つかったら
白血病などの診断に必要な検査は、ほとんど当日中に結果が出ます。患者さんが院内にいらっしゃるうちに結果が出ることが多いので、急性白血病と診断がついた場合には、迅速に治療を進めるために当日入院いただくこともあります。少しでも早い治療開始が患者さんにとって大切なのです。即日入院が決まっても、入院セットなどのレンタルの用意があったり、院内の売店でも入院で使われるような物品がそろっています。患者さんやご家族が負担に思われず入院いただけるようにしています。
治療の緊急度が高くなければ、患者さんやご家族の都合をお聞きし、入院の日を相談して決定します。血液の病気は入院、治療が長期間にわたることも多いので、患者さんやご家族の意思を尊重しながら、最適な治療法を選択していきます。
岡 智子(おか さとこ)
日本血液学会評議員・血液専門医・指導医。日本輸血・細胞治療学会評議員。日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医。医学博士。
趣味は、利き酒。学会で訪れた各地で好みの地酒を見つけたり、スーパーなどで新しい銘柄を見かけるとテンションが上がります。
血液の病気① ~意外と多い血液の病気~(2022年12月15日公開)
血液の病気② ~日赤に紹介されたら~(2023年1月19日公開)←今回