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糖尿病・内分泌内科


特色

糖尿病・内分泌内科では、代謝疾患(糖尿病、脂質異常症など)と内分泌疾患(甲状腺、副腎、下垂体などの疾患)全般の検査・診断・治療を提供しています。

糖尿病・内分泌内科医、糖尿病療養看護師、薬剤部糖尿病チーム薬剤師、管理栄養士らが、一丸となりチームで、患者さんの『健康を守る』お手伝いをいたします。

糖尿病

糖尿病をはじめとする代謝疾患(脂質異常症などを含む)を診療します。
糖尿病は、血管を流れるブドウ糖の量が多い=血糖値が高い状態です。

その結果、
・全身のいろいろな血管が詰まったりさびていき合併症を発症します。
・血糖値が高いと白血球が働かなくなり、抵抗力が弱って感染症にかかりやすくなったり、重症になりやすかったり、傷や手術創が治りにくくなります。
・いくつかのがんは、り患しやすくなります。
その他にも全身の細胞や血管にとって不都合が起こってきます。

当科は、
・血糖値が上がる原因を調べます。
・全身のいろいろな血管が詰まったりさびていないかを調べます。
・血糖値が高いことからがんが隠れていないかを調べます。
・血糖を下げるホルモン・インスリンを分泌する細胞を守りながら良好な血糖値を維持する治療を提供します。
・救急やがん診療など治療を急ぐ場合は、各診療科と協同して治療をします。

看護師・薬剤師・栄養課とともにチームで
・食事療法や運動療法など知恵を提供します。

かかりつけ医の先生とともに病診連携で

より専門的な治療を提供し、治療継続のためにかかりつけ医の先生と連携します。
治験実績をもとに、より新しい良い治療を紹介していきます。

糖尿病パス入院

1週間から13日程度。看護師や管理栄養士、薬剤師、理学療法士による技術提供します。

内分泌

内分泌臓器は、下垂体、甲状腺、副腎、性腺などがあり、これらの働きの異常によって特有の症状となることもあれば、生活習慣病を発症することもあります。

内分泌疾患は、
・指定難病に認定されている疾患も多く、非常に専門性が高い領域です。
・日常的に高頻度で遭遇する疾患、有病率の高い疾患に隠れて見逃されていることも多いです。
・適切な検査をうけて適切な診断をうければ劇的に良くなることも多いです。
・近年、がんに対する免疫治療により甲状腺や下垂体などの内分泌に異常を発症する場合もあります。

当科は、
・専門知識を使って症状から内分泌疾患を見出し適切な治療を選択します。
・がんに対する免疫治療に由来する場合、担当診療科と十分に話し合い共同で診療を行います。


スタッフ紹介

医師

金子 至寿佳 (かねこ しずか)

役職 部長
卒業年 1991(平成3)年
専門分野  糖尿病・内分泌
資格
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医
日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医
日本老年医学会老年科専門医・指導医
その他

医学博士
京都大学医学部臨床教授
日本内分泌学会評議員
日本糖尿病学会近畿支部評議員
日本老年医学会代議員
日本糖尿病学会第4次「対糖尿病5ヵ年計画」作成委員

関連するページ

廣畠 知直 (ひろばた ともなお)

役職 副部長
卒業年 2009(平成21)年
専門分野  
資格 日本内科学会総合内科専門医
日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医

伊藤 沙耶 (いとう さや)

役職 医長
卒業年 2013(平成25)年
専門分野  
資格 日本内科学会認定内科医
日本糖尿病学会糖尿病専門医

植田 洋平 (うえだ ようへい)

役職 嘱託
卒業年 2009(平成21)年
専門分野  
資格 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医
日本甲状腺学会認定甲状腺専門医

中崎 彩 (なかざき あや)

役職 嘱託
卒業年 2009(平成21)年
専門分野  
資格 日本内科学会総合内科専門医
日本糖尿病学会糖尿病専門医

浦木 進丞 (うらき しんすけ)

役職 嘱託
卒業年 2010(平成22)年
専門分野  
資格 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医

小池 諒 (こいけ りょう)

役職 嘱託
卒業年 2011(平成23)年
専門分野  
資格 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本糖尿病学会糖尿病専門医
日本消化器病学会認定消化器病専門医

外来担当医表

場所 本館3階(3A)
受付時間 新患:8時〜11時30分
再来:8時〜11時30分
注意事項 ※初診時は、紹介状のご持参をお願いしています。紹介状のない方は、外来へ電話でお問い合わせください(当日も対応します)。
区分
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日

金曜日

AB
CD
廣畠
金子
(午前)
廣畠
金子
(午前)
-
A - - - 担当医
BCD
-
小池
(午前)
中崎
(午前)
廣畠
CD 金子
(午前)
中崎
(午後)
金子
(午前)
伊藤 中崎
- - - - ★1
浦木
- - - - ★2
植田

 (2025年4月21日~)

 ※区分
(A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)
★1:第1・3週は午後のみ
★2:第3週
※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。
※赤字の名前は女性医師です

 

 

外来担当医表(専門外来)

 
 糖尿病透析予防外来  - 担当医 担当医 担当医

(2023年9月1日~)

※完全予約制
※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。

外来担当医表一覧へ


診療実績

 (人)

患者数(2023年4月~2024年3月)

約 4,500

糖代謝疾患

1型糖尿病(T1D)

144

2型糖尿病(T2D)

2,466

妊娠糖尿病

72

その他の糖尿病(膵性糖尿病など)

86

インスリンポンプ
(内、SAP)

12
(6)

内分泌疾患

甲状腺疾患(irAEを含む) 

986

副甲状腺疾患 

45

副腎疾患
(内、副腎静脈サンプリング実施)

95
(15)

 下垂体疾患(irAEを含む) 

108

 代謝疾患 

脂質異常症・高尿酸血症など

378

その他

その他

122


患者さんへ

初診患者さんへ

紹介状持参のお願い

糖尿病・内分泌内科では、原則初診時に招待状の持参をお願いしています。糖尿病などの慢性疾患では、これまでの治療状況についての情報が極めて重要ですので、それまでに治療を受けていた診療所・病院からの紹介状・検査データを用意いただけると大変助かります。また、健診異常で受診を指示されたケースでは、既に治療中の場合は、治療元の医療機関で一度相談されることをお勧めいたします。

初診当日の検査、待ち時間について

疾患・病状にもよりますが、基本的に血液検査と画像検査の結果に基づいて診察が行われます。採血結果判明には1~2時間程度必要となる場合があり、一部の画像検査は午後に実施されるため、診察が昼以降になることが少なくありません。一部、結果判明に日数を要する検査項目や、別日に予約を要する検査もございます。時間に余裕を持って受診されることをお勧めしますが、難しい場合は外来の受付にお申し出ください。

当院で施行可能な検査・治療の範囲について

糖尿病関係の血液検査・画像検査・治療

ほぼ全て当医療センターのみで実施可能ですが、遺伝子検査など外部医療機関に依頼が必要な検査を相談する場合があります。保険適応のある治療薬は全て使用可能、インスリンポンプ(CSII)も件数は少ないですが使用実績があります。高度肥満症例に対する外科的治療(スリーブ手術など)は現在準備中であり、施行可能な他医療機関を紹介しているのが現状です。

内分泌関係の血液検査・画像検査・治療

甲状腺ホルモンと一部の副腎ホルモン(コルチゾール)以外は院内で施行可能ですが、結果判明に数日~1週間程度要しています。遺伝子検査は外部医療機関に依頼して実施しています。核医学検査(シンチグラフィ)の主なもの(甲状腺、副甲状腺、副腎皮質、副腎髄質)は完全予約制ですが、当医療センターで施行可能です。甲状腺腫瘍に対する生検は耳鼻咽喉科・頭頸部外科と、原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリングは放射線診断科と連携して実施しています。
内分泌疾患に対する外科的治療は、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、泌尿器科との連携で実施しています。バセドウ病に対する放射性ヨード治療は院内で実施できないため、可能な医療機関を紹介しています。

逆紹介について

当医療センターでは病状が安定した方には地域の医療機関への逆紹介をお勧めしています。糖尿病のように治療が長期にわたる疾患では不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、当医療センターでは予約センターでの予約システムを構築しており、病状悪化時などに速やかに対応できる体制を用意しております。かかりつけ医をお持ちでない方には医療機関についての情報提供も可能ですので、適宜ご相談ください。


地域の先生方へ

糖尿病の診療では、膵臓β細胞機能の温存と合併症治療が2つの柱です。

学童期から膵臓β細胞機能の低下が始まり、糖尿病と診断されるときにはその機能は正常の30~50%まで減少してしまっています。診断後も高血糖状態が持続したり、インスリン分泌を促す経口血糖降下薬を大量に服用したりすることにより、膵臓β細胞自身もサルコペニアの状態に向かって機能の低下は加速してしまいます。
100年を生きる今の時代にウェルビーイングを維持するためにも、膵臓β細胞機能の温存を目指した適切な治療薬の選択が求められています。

また、昨今の統計から、糖尿病合併症としての血管障害による死亡者割合は健常者レベル近くまで近づけることができている一方で、糖尿病患者におけるがんによる死亡者割合は増え続けています。
これらを踏まえて、当科では、患者さん一人ひとりの糖尿病の病態と併存疾患とを把握した上で、膵臓β細胞機能の温存あるいはフレイルに陥ってしまった膵臓β細胞の機能回復を目指して専門医的な糖尿病医療を提供することを心がけています。

さらに、糖尿病合併症としての心臓や脳などの大血管症、腎臓や網膜などの小血管症治療だけではなく、感染症や周術期や周産期の血糖コントロールなど、診療科の垣根を越えた併存疾患の治療の成功を目指し、一丸となって取り組んでいます。

教育入院に際しては、決して血糖値に一喜一憂しながら生活するのではなく、糖尿病とうまく付き合って楽しい人生を送っていただくことをゴールとして、糖尿病特定看護師を中心に管理栄養士や薬剤師を交えた糖尿病教室を開催し、糖尿病とうまく付き合っていくための知識と知恵を提供し、患者さん自身が自分の主治医となることができるようサポートしています。

さらに、糖尿病の先進的な治療法として、リアルタイムインスリンポンプ(SAP)の導入や新規薬剤の治験にも取り組んでおり、加えて、専門医として新しい治療を安全に広げていく啓発活動を通じて地域に貢献したいと考えています。

血糖コントロールが困難な患者さんや膵臓β細胞がフレイルな状態の患者さんをご紹介・ご相談いただけましたら幸いです。病診連携を推進し、地域の先生方とともにシームレスに糖尿病医療を患者さんに届けていきたいと考えておりますので、引き続きご指導・ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

内分泌疾患については2名の内分泌代謝専門医が在籍しており、専門医の視点から日常診療の中で内分泌疾患の発見や診断につなげることを心がけています。具体的には、総合病院としての院内連携を活かし、患者さんの情報共有を細やかに行いながら、当医療センターの当該外科系診療科に手術を依頼し、一貫した治療を提供しています。

例A)
地域の先生

当医療センター糖尿病・内分泌内科
・二次性高血圧疑い(循環器科もしくは糖尿病・内分泌内科)
・内分泌精査(糖尿病・内分泌内科)
・副腎静脈サンプリング(放射線診断科)
・副腎腹腔鏡下切除術(泌尿器科)

地域の先生

例B)
地域の先生(高カルシウム血症あるいは不本意な骨折の患者さんについてご相談・ご紹介)

当医療センター糖尿病・内分泌内科
・内分泌精査+シンチ(糖尿病・内分泌内科)
・副甲状腺摘出術(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
・術後(糖尿病・内分泌内科)

地域の先生

また、近年のダイエットブームや健康志向を踏まえて、肥満治療も行っています。
疑問に思われる症例や患者さんがいらっしゃいましたら、是非ともご紹介・ご相談いただけると幸いです。


対象疾患

代表的な疾患

生活習慣病

  • ・糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病など)
  • ・脂質異常症(高コレステロール血症、高中性脂肪血症など)
  • ・高尿酸血症
  • ・骨代謝疾患(骨粗鬆症など)

内分泌疾患

  • ・甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍など)
  • ・副腎疾患(クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫など)
  • ・副甲状腺疾患(原発性副甲状腺機能亢進症など)
  • ・下垂体疾患(先端巨大症、プロラクチン産生腫瘍、クッシング病、TSH産生腫瘍、下垂体機能低下症など)
  • ・その他(性腺機能低下症、多発性内分泌腫瘍症など)

内分泌疾患のうち、腫瘍に対する手術治療が必要な場合は、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、泌尿器科などと連携して治療を行います。


糖尿病透析予防外来

腎臓を守るためにできること、始めませんか?

  • ご飯とおかずとのバランスは?
  • タンパク質って何?
  • 水分と塩分の調整は?
  • カリウムってなんでしょう?
  • 運動を控えないといけないの?
  • 尿の量がとても多いです。
  • むくみがあるんですけど。
  • 血糖以外に気をつけることがあるの?
実施日 毎週 火・水・木曜日
時間 医師の診察前か後に30分程度
場所 糖尿病・内分泌内科(本館2階2B)
担当者 管理栄養士と看護師
対象者 糖尿病腎症2~3期で医師が必要と判断された方
医師の説明を受けて予防外来を希望された方
予約方法 主治医の診察時に次回予約と合わせて予約します。
受診方法 主治医の診察日に合わせて全4コース
受診料は、健康保険を適用して請求します。
 

教育・研究活動

若手医師の育成

臨床分野

・京都大学糖尿内分泌栄養内科の関連施設として、後進の育成について、糖尿病・内分泌を中心に全人的な臨床の教育に力を入れています。
・海外の研修医と同様、国際的な治験にも参加し、game changerとなりうる重要な新薬の開発にも積極的に参加いただき、未来社会への貢献を実際に経験していただいています。

学術分野

・国際学会での発表や英文ジャーナルへの論文執筆など国際的な学術活動も行っており、とくに若手医師にも国際的な見識を身につけていただくようサポートしています。

学生の教育

・京都大学医学部生の臨床教育機関の1つであるため、2週間の学生実習を受け入れています。