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整形外科


特色

当科は1956年(昭和31)4月に発足しました。
現在は、京都大学整形外科教室の関連施設として診療を行っています。
専門分野は、すべての運動器疾患(脊椎、関節、外傷、スポーツ、リウマチなど)の診断、治療です。人工関節センターを設置し、精力的に治療を行っています。脊椎疾患にも力を入れています。難治症例は京都大学と連携して治療を行っています。最適かつ安全な治療実現のために5つの目標を掲げています。

チーム医療の推進
医師、看護師、リハビリテーションをはじめ複数の医療従事者がチームを結成し、最大限の能力を引き出し、最適な治療を行います。
医療連携の推進
病状にあった継続性のある治療を目的に、地域の医療機関とスムーズに連携を行います。
インフォームドコンセントの充実
わかりやすい病状説明、十分な理解、自己決定権の尊重を基本に、治療方針を決定します。
高度医療の推進
最新情報、高度技術を取り入れて治療を行います。特殊な疾患、難しい疾患は、京都大学と連携し治療を行います。
救急医療の充実
あらゆる疾患を24時間365日体制で対応します。緊急を要する疾患は迅速に対応します。重篤な疾患は関連診療科と連携して治療を行います。

  日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究
  「日本における大腿骨近位部骨折の適正治療を目指した ナショナルデータベースの作成」研究


スタッフ紹介

医師

玉置 康之 (たまき やすゆき)

役職 部長
卒業年 1992(平成4)年
専門分野 脊椎外科、外傷
資格 日本整形外科学会整形外科専門医・指導医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医・指導医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
その他 関西医科大学臨床教授
東京医療保健大学臨床教授
日本整形外傷学会評議員
中部日本整形外科災害外科学会評議員
和歌山整形外科医会副会長
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植田 成実 (うえだ なるみ)

役職 副部長
卒業年 2006(平成18)年
専門分野 股関節外科
資格 日本整形外科学会整形外科専門医・指導医
その他 博士(医学)
東京医療保健大学和歌山看護部臨床准教授

田中 慶尚 (たなか よしひさ)

役職 副部長
卒業年 2007(平成19)年
専門分野 膝関節外科、スポーツ・関節鏡
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
その他 博士(医学)

古川 剛 (ふるかわ たけし)

役職 副部長
卒業年 2009(平成21)年
専門分野 股関節外科、膝関節外科、脊椎外科
資格 日本整形外科学会整形外科専門医・指導医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本人工関節学会認定医
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日赤和歌山情報局Hot"すこやかな毎日のために”
人工関節① 人工関節の手術(2024年5月16日公開)

仲谷 健次 (なかたに けんじ)

役職 副部長
卒業年 2011(平成23)年
専門分野 膝関節外科、股関節外科、脊椎外科
資格  

坂﨑 太紀 (さかざき たいき)

役職 医長
卒業年 2016(平成28)年
専門分野 手外科、肘関節外科、難治骨折、重度外傷
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
その他 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

木村 真大 (きむら まひろ)

役職 医師
卒業年 2019(平成31)年
専門分野 外傷、脊椎外科、膝関節外科
資格 日本整形外科学会整形外科専門医

安里 尚悟 (あさと しょうご)

 
役職 医師
卒業年 2019(平成31)年
専門分野 外傷、整形外科一般
資格  

杉野 亮人 (すぎの あきひと)

役職 医師
卒業年 2020(令和2)年
専門分野 外傷、救急

資格

日本救急医学会救急科専門医

平山 和秀 (ひらやま かずひで)

役職 医師
卒業年 2022(令和4)年
専門分野 外傷、膝関節外科
資格  

田中 康之 (たなか やすゆき)

役職 嘱託
卒業年 1995(平成7)年
専門分野 上肢の外科、足関節・足、外傷
資格 日本整形外科学会整形外科専門医・指導医

丸山 征爾 (まるやま せいじ)

役職 嘱託
卒業年 2007(平成19)年
専門分野 整形外科一般、スポーツ
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
その他 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定スポーツ医

小椋 隆宏 (こむく たかひろ)

役職 嘱託
卒業年 2013(平成25)年
専門分野 上肢の外科、足関節・足、外傷
資格  

外来担当医表

場所

西館1階(1B)

受付時間

初診:8時〜11時30分
再来:8時〜11時30分

予約方法 ★初診
他の医療機関からの紹介状がある場合→
予約センターにて予約
事前にFAXあるいは郵便で紹介状を予約センターに送ってください。
予約受付時間  平日 9時~19時
       土曜日 9時~13時
       ※ 日・祝日を除く
TEL:0120-936-385
FAX:0120-937-510
※ 2023(令和5)年6月から、初診の患者さんは紹介状が必須です。ご注意ください。
手術
予定手術は月曜日から金曜日まで毎日行っています。
緊急手術は昼夜、曜日を問わず行っています。
検査
ほとんどの検査は外来で行っています。
脊髄造影は1泊入院で行っています。
施設認定
日本整形外科学会 専門医研修施設
日本整形外科学会 専門研修基幹施設
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科専門医施設
区分 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
AB
CD
玉置 植田 田中 玉置 古川
田中 坂﨑 古川 植田 仲谷
仲谷 木村 安里 杉野 坂﨑
(午前)
 - 平山  - -  -
 BCD  -  - -  木村
(午前)
- 

(2026年4月1日~)


※区分(A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)
※Bは紹介患者のみ
※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。

外来担当医表(専門外来)

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
脊椎外来 玉置 木村 古川 玉置 仲谷
上肢
・人工関節センター(上肢)
- 坂﨑 - - 坂﨑
股関節
・人工関節センター(股)
仲谷 植田 古川 植田 古川
仲谷
膝関節
・人工関節センター(膝)
田中 木村 田中
- 古川
仲谷
足関節・足外来 - 坂﨑 - - 坂﨑
スポーツ・関節鏡外来 田中 -
田中
 - -

(2025年4月1日~)


※都合により変更する場合もありますのでご了承ください。

外来担当医表一覧へ


診療実績

2025(令和7)年の年間手術件数は1,354件でした。
2023(令和5)年から、人工関節センターを開設し、人工股関節、人工膝関節を精力的に行っています。また、ハイブリッド手術室での脊椎手術・骨盤手術、脊椎内視鏡手術、経皮的椎体形成術なども積極的に行っています。


患者さんへ

超高齢化社会が進む中、誰もが最後まで健康でいきいきとした生活を送りたいと思っています。健康寿命とは、健康上問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。この健康寿命と平均寿命の間には、約10年の差があります。この差が生じる最大の原因は、痛み、運動障害などの「運動器の障害」です。

スポーツは、青少年、壮年者はもとより高齢者でも盛んになりましたが、一方でいろいろな障害も見受けられます。関節リウマチは、薬物治療が進歩するとともにより高い機能が求められるようになりました。外傷性疾患は、仕事やいつもの日常生活が突然できなくなってしまいます。
これらの様々な運動器のことでお悩みの方は、是非、整形外科へいらしてください。当科を受診して良かったと思っていただけるような最適な治療の提供に努めます。

整形外科部長 玉置康之

当科では人工関節センターを設置し、精力的に治療を行っています。脊椎疾患にも力を入れています。以下に、当科で行っている診療の特色を挙げます。

①迅速な手術

緊急を要する疾患は、24時間365日体制で即日手術を行っています。高齢者の大腿骨近位部骨折は48時間以内に手術を行い、早期機能回復できるように努めています。脊椎、関節などの慢性疾患も手術を決定してから1ヵ月程度で手術を行っています。

②低侵襲手術

可能な限り、筋肉を温存する体の負担の少ない手術方法で行っています。疾患によっては関節鏡、脊椎内視鏡を用いた手術を行っています。体の負担が少なくなることで早期機能回復が期待できます。

③コンピューター支援手術

脊椎固定術、人工関節置換術、骨盤手術などは、最新のナビゲーションシステム、手術室で使用できるポーターブルCTなどを用いて正確安全な手術を心がけています。2020(令和2)年4月からはCTが常設されたハイブリッド室での手術を行っています。
2025年からロボット人工膝関節手術を導入しました。

④関連診療科との連携

いろいろな合併症を持った患者さんも関連診療科と連携した治療が可能です。一般病院では対応困難な患者さんも広く受け入れ、それぞれの患者さんに最適な治療を行っています。

 
⑤リハビリテーションの充実

術前からリハビリテーション科のスタッフが積極的に介入しています。手術直後の患者さんは、週末もリハビリを行っています。人工関節においては治療支援アプリを導入し術後のリハビリをサポートしています。急性期治療が終了した患者さんは、地域の医療機関と連携し継続性のあるリハビリを行っています。


地域の先生方へ

いつも諸先生方には大変お世話になり、感謝申し上げます。
当科では人工関節センターを設置し、精力的に治療を行っています。脊椎疾患にも力を入れています。緊急を要する疾患には迅速に対応しています。手術が必要な慢性疾患も、1ヵ月程度で手術が可能です。一般病院では対応困難な症例も広く受け入れています。特殊な疾患、難しい疾患は京都大学と連携し治療を行っています。

各専門分野の担当医師を中心に全員で診療を行っています。

  • 脊椎        :玉置部長、古川副部長、仲谷副部長、木村医師
  • 股関節・人工股関節 :植田副部長、古川副部長、仲谷副部長
  • 膝関節・人工膝関節 :田中(慶)副部長、古川副部長、仲谷副部長、木村医師
  • 上肢外科      :坂﨑医長
  • 足・足関節     :坂﨑医長
  • スポーツ・関節鏡  :田中(慶)副部長

当医療センターでは高度急性期病院の機能を目指しており、一般病院では対応困難な手術を行う使命があると認識しています。その実現のためには地域医療機関との連携が重要と考えています。紹介患者さんは全て受け入れ、最適な治療を行います。経過が思わしくない場合は、当医療センターでの再入院などの対応を行い、継続性のある治療を行っています。

脆弱性骨折の患者さんは、次の骨折を起こさないために多職種で連携して骨粗鬆症治療を行っています。退院後も骨粗鬆治療の継続が重要となりますので、治療連携のご協力よろしくお願いいたします。
諸先生方のご理解とご協力があって、地域完結型医療が成り立っているものと感謝しています。地域の医療関係者からの信頼が得られるように努力してまいりますので、今後ともご支援よろしくお願いいたします。

整形外科部長 玉置康之


股関節外科

寛骨臼形成不全症、変形性股関節症、人工股関節周囲感染(PJI)など、幅広い股関節疾患に対して専門的治療を行っています。はじめに関節温存手術を検討しますが、温存困難な場合には人工関節センターにおいて人工関節手術を行っています。人工関節ゆるみに対する再置換術まで対応しています。デジタル手術計画ソフト、ナビゲーションシステム、最新手術支援機器(Condor GoldLine® Retractor System)、筋肉を温存する低侵襲手術、治療支援アプリの導入などにより患者さん一人ひとりの生活背景や年齢、活動性を考慮した最適な治療を行います。

膝関節外科

変形性関節症、関節リウマチによる膝関節変形などの疾患に対し、人工関節センターにおいて人工関節手術を行っています。個々人の膝関節の形態にあわせてシュミレーションできるデジタル手術計画ソフトを導入しています。設置位置を正確に行うイメージフリーナビゲーション手術を行っています。2025年からロボット人工膝関節手術を導入しました。筋肉を温存する低侵襲手術、治療支援アプリの導入などにより、機能予後の向上、早期の疼痛軽減が可能となりました。症例によっては侵襲の少ない単顆型人工関節も行っています。比較的若年者の場合は、関節を温存できる矯正骨切り術や関節鏡手術を検討します。

脊椎外科

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、椎体骨折などによる運動障害、痛み、変形などに対し手術を行っています。手術は手術用顕微鏡を用いて安全性の高い手術を実践しています。筋肉、関節を温存する低侵襲手術を導入しています。より侵襲の小さい脊椎内視鏡手術も導入しています。不安定性のある脊椎に対しては金属による固定術が必要ですが、術中神経モニタリング、ポータブルCT、ナビゲーションなどを用いて安全性の高い手術を行っています。2020(令和2)年4月からはCTが常設されたハイブリッド室で手術が可能になりました。
骨粗鬆症による「せぼね」の骨折に対しては、早期離床が可能となる経皮的椎体形成術(BKP)を行っています。腰椎椎間板ヘルニアに対しては、手術とは異なる局所麻酔で治療可能な椎間板内酵素注入療法も導入しています。

上肢の外科

上肢の機能障害や外傷に対し治療を行っています。装具療法やリハビリで治療が困難な場合は手術を行っています。慢性疾患では、リウマチ手の再建手術、手指関節の変形に対する手術、末梢神経障害に対する手術など機能を回復すべく治療を行っています。人工関節センターにおいては上肢の人工関節を行っています。外傷では骨折に対する骨接合術、切創などによる腱縫合、神経縫合、また切断指に対する再接着術も行っています。手術用ルーペ、顕微鏡、関節鏡を用いた精度の高い手術を行っています。

足関節・足外科

外反母趾、リウマチや変形性関節症による痛み、変形などに対し治療を行っています。装具などでの治療効果が乏しい場合には、積極的に機能再建手術を行っています。適応があれば、関節鏡手術を検討します。

外傷外科

小児の骨折、交通事故などの高エネルギー外傷、骨粗鬆症がある高齢患者さんの骨折など幅広く治療を行っています。緊急を要する外傷には迅速に対応しています。高齢者の大腿骨近位部骨折は48時間以内に手術を行い、早期機能回復できるように努めています。また、コンピューター支援、関節鏡などを用いて安全性・確実性の高い手術を行う工夫をしています。個々人の形態にあわせてシュミレーションできるデジタル手術計画ソフトを導入しています。全身合併症を有する症例も数多く受け入れ、関連診療科と連携し治療を行っています。

骨粗鬆症による骨折患者さんは、次の骨折を起こさないために多職種で連携して骨粗鬆症治療を行っています。退院後は骨粗鬆治療の継続が重要となりますので、かかりつけ医と連携して治療を行います

腫瘍外科

四肢、体幹部のあらゆる良性腫瘍に対し手術を行っています。悪性の骨腫瘍、軟部腫瘍は、主に京都大学と連携して治療を行っています。転移性骨腫瘍に対しては、がんセンター内に開設された骨ユニットで放射線診断科、放射線治療科などと連携して治療を行っています。

スポーツ・関節鏡

膝前十字靱帯損傷、肩腱板損傷、肩関節脱臼後の関節唇損傷などに対し、関節鏡を用いた低侵襲手術を行っています。膝半月損傷については、可能な限り関節鏡による縫合手術を行うことで良好な機能再建が得られるように努めています。

リウマチ外科

リウマチによる四肢の関節、体幹の機能障害、痛みなどに対し人工関節センターにおいて人工関節置換術や関節固定術などの手術を行っています。滑膜切除、機能再建などの関節を温存した手術も行っています。薬物療法については、リウマチ科と連携して治療を行っています。

小児整形

先天性股関節脱臼は、エコーやMRIで三次元的に評価を行い、装具や牽引治療を行っています。先天性内反足の保存治療も行っています。手術が必要な難治症例は、京都大学関連施設と連携し治療を行っています。手術が必要な骨折などの外傷は、基本的に当科で即日手術を行っています。

関節温存手術(臼蓋形成術)

日本人に多い「寛骨臼形成不全症」に対し、当科では関節を温存する「臼蓋形成術」を行っています。将来人工股関節置換術が必要となった場合にも影響が少なく、自然経過を損ないにくい治療法です。

【特徴】
・低侵襲
・関節症進行抑制
・若年〜中高年患者まで幅広く対応
・生活背景を考慮した治療計画

形成不全が認められても、すぐに手術を勧めるのではなく、まず保存療法を検討しています。股関節唇損傷の背景に形成不全が関連していることもあり、中高年患者さまや境界型形成不全症例にも個別に対応しています。


脊椎外科について

はじめに

腰部脊柱管狭窄症、頚椎症などの加齢による「せぼね」の病気に対しては、神経の圧迫を解除する手術(除圧術)を行っています。
腰椎椎間板ヘルニアに対しては、椎間板ヘルニアを摘出する手術を行っています。局所麻酔で治療可能な椎間板内酵素注入療法も行っています。
「せぼね」がぐらぐらしている場合、変形が強い場合などは、固定術を行う場合もあります。最近増えている高齢患者さんの骨粗鬆症による「せぼね」の骨折には、セメントを注入する手術を行っています。

除圧術

除圧術は、変性した靱帯、骨などを切除し、神経の圧迫をとりのぞきます。顕微鏡を用いて精密かつ安全な手術を行っています。手術侵襲を最小限にするための工夫をいろいろ行っています。より侵襲の少ない内視鏡手術も行っています。

固定術

固定術は、スクリューなどの金具を「せぼね」に挿入します。安全に挿入するために、手術室で使用可能なCTやナビゲーションシステムを用いています。ハイブリッド手術室では、より精度の高い手術が可能です。側方侵入による固定術により、以前より侵襲が少なく固定術ができるようになりました。

経皮的椎体形成術(BKP)

高齢患者さんの骨粗鬆症による「せぼね」の骨折には、小さな切開でセメントを注入する手術を行っています。早く痛みがとれるので、早期離床が可能になります。術後はリハビリとともに、次の骨折を起こさないために骨粗鬆症の治療をチームで行っています。

治療の流れ

①外来(手術前)
診察、画像検査などを行い、治療方針を相談します。手術が必要な場合は、ご家族同席で手術説明を行います。手術の同意が得られたら、手術の準備を始めます。
外来で手術に必要な検査(血液検査、心電図など)を行います。脊髄造影検査は、1泊入院で検査を行っています。検査終了後、手術日程を決定します。手術待機期間は約1ヵ月程度です。

②入院日
手術日の前日に入院します。早めに入院が必要な場合もあります。手術に向けての準備を、看護師、薬剤師などが行います。術前の状態確認のためにリハビリテーション診察があります。

③手術当日
水分や食事は、原則とることができません。手術の時間が来れば、看護師と手術室に向かいます。手術時間が、早くなったり遅くなる場合があります。
手術が終われば、看護師と病棟にもどります。点滴、血圧測定などを行い、術後の観察を行います。

④手術後
手術翌日は、水分や食事は、原則とることができます。手術内容にもよりますが、理学療法士とともに、車椅子、歩行など離床を始めます。
その後は、予定退院日に向けてリハビリテーションを行います。転院が必要な場合は、患者総合支援センターを通じて調整します。

⑤退院日
薬、次回の外来受診予約票などを持参して退院になります。
転院の場合は、紹介状、画像データを携えて転院していただきます。転院の場合でも、当医療センターでの治療を継続しますので、外来受診の予約をします。

⑥外来(手術後)
診察、画像検査などを行い、治療を継続します。診察終了後、次の外来受診日を決定します。薬物療法だけの場合は、他院に紹介させていただく場合があります。
当医療センターでは外来リハビリテーションを行っていませんので、退院後のリハビリテーションをご希望の場合は、他院に依頼しています。


人工関節センターのご紹介

超高齢社会の到来により人工関節の需要は増加し、今後も増加することが予測されています。そのような背景の中、整形外科に人工関節センターを設置しました。
人工関節センターでは、患者さんが安心して人工関節による治療が受けられるように様々な取り組みを行っています。
「自立した生活ができる期間」である健康寿命が、少しでも長くなるように努めて参ります。

特色

正確な術前計画

人工関節は、それぞれの患者さんに適合したものを選択・設置する必要があります。通常は手作業で術前計画を行いますが、当医療センターでは、コンピューターを用いて正確な計画を行っています。


ナビゲーション手術

計画通りに人工関節を設置するために、手術ではナビゲーションシステムを用いています。ナビゲーションを用いることで、正確な人工関節の設置が可能です。手術中では、臨床工学技士によるナビゲーションシステム装置の操作・管理により、スムーズかつ精度の高い手術を行っています。

低侵襲手術

なるべく筋肉を温存する低侵襲手術を行っています。手術による体の負担が少なくなるばかりでなく、術後のリハビリテーションの促進が図れます。

出血量の軽減

術前の止血剤投与、低侵襲手術、術中の十分な止血などにより出血量軽減に努めています。また、術中に出血した血液を回収して返血する回収式自己血輸血を行い、他家血輸血をできるだけ回避しています。

高度の感染予防

クリーンルームを整備しており、クラス100という最高水準の環境下において人工関節手術を行っています。また、術者からの細菌落下を防止するために特殊な手術用術衣を着用しています。
周術期には、歯科口腔外科での口腔ケアにより、感染源となる口腔内病変の治療や口腔衛生状態の改善などを行っています。

院内骨バンク

日本整形外科学会により制定された「整形外科移植に関するガイドライン」に基づいた院内骨バンクを整備しています。骨欠損が大きな症例でも安全に同種骨移植が可能です。

徹底した全身管理

多数の診療科を有する当医療センターでは、徹底した全身管理が可能です。麻酔科では、手術において「痛みをとる」ことはもとより、全身の集中治療を行っています。内科疾患などの合併症がある方も、関連診療科と密に連携することで安心して手術を受けていただくことが可能です。

術後疼痛管理

麻酔科の協力のもと、複数の鎮痛薬を組み合わせた薬剤を手術創部に注入する局所注射、神経ブロックなどを行い、術後疼痛を徹底的に軽減しています。

深部静脈血栓症の予防

重大な合併症である深部静脈血栓症に対し、術前評価を十分に行います。術中の駆血帯はできるだけ使用していません。術後は、ガイドラインに基づいて十分に予防を行っています。

リハビリテーションの充実

術後早期から、積極的にリハビリテーションを行っています。退院後は、地域の医療機関と密に連携を行い、リハビリテーションを行います。また、リハビリテーションをサポートする治療支援アプリを用いて、早期回復・早期復帰を目指します。

治療支援アプリの導入

デジタルヘルスケアのひとつである治療支援アプリを導入します。リハビリテーションだけでなく、病気の説明、術前術後の準備、日常生活の注意点などをスマートフォンに登録した治療支援アプリを用いて情報配信を行うことが可能となり、自宅でも安心して治療を継続していくことができます。


積極的な学術活動

最新の学術情報を収集し、適切に活用します。また、自らも前向き研究を含めた臨床研究を計画実行し、積極的に学会発表や論文報告を行い、人工関節の発展のために活動します。

啓発活動

地域住民の方々に対し、人工関節に関する講演会などを定期的に開催する予定です。これらを通じて、人工関節の情報を提供することで、高齢になっても制限なく日常生活を送ることができる期間(健康寿命)の身延に努めます。


人工股関節について



人工股関節置換術は、変形してしまった股関節を人工の関節に置き換える手術です。英語ではTotal Hip Arthroplasty、略してTHAといいます。薬物治療や理学療法などの保存的治療で股関節痛が改善しなくなった場合に行われます。股関節を金属、セラミック、ポリエチレンなどから構成された人工関節に置き換えることで、痛みが改善されます。



加齢などが原因で股関節の軟骨がすり減ると股関節に痛みが生じるようになります。そして股関節の変形が進行するとともに、痛みが増強し、関節の動きが悪くなり、歩行障害を生じるようになります。ひどく痛むようになった変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチなどの患者さんに行われており、股関節の除痛効果が強く、患者さんからの満足度も高い手術です。

これらのインプラントを人間の骨に固定される方法として医療用セメントを用いる方法(セメントTHA)と、医療用セメントを使用せず、金属表面に特殊な加工を施して骨に固定する方法(セメントレスTHA)があります。当医療センターでは患者さんの骨の状況に合わせて両方の方法を採用しています。

術前レントゲン

術後レントゲン


当医療センターでは、人工関節センターを設置しています。術前にCT画像により変形した股関節の骨の形態を評価し、デジタル手術計画ソフトを用いて手術計画を行っています。術中に正確な情報を得るためにナビゲーションシステムとレントゲンイメージを併用しています。これらのコンピューター支援により、より正確で安全な手術を行うことができます。また、体の負担を軽減する方法、術後の痛みを減らす方法、出血を減らす方法、合併症を回避する方法、治療支援アプリの導入など、早くもとの生活に戻れるように様々な工夫を行っています。

人工股関節手術は、本来の股関節中心、筋肉・靭帯など軟部組織バランス、脚長差まで考慮し、長期的に機能する股関節再建を目指します。

 

【セメントTHAの特徴】

*30年以上の超長期成績・歴史

・脱臼率低減への工夫が容易:原臼位設置(もとの関節位置への再建)

・筋肉・靭帯など軟部組織バランスを重視した手術

・骨折が少ない安全性

・40〜50年以上の耐久性を目標として

高度変形例、骨欠損症例、再置換症例など、他施設では対応困難な症例にも積極的に対応しています。

 

骨移植による再建

当科では、施設内骨銀行や自家骨移植を活用し、骨欠損を伴う難症例に対応しています。本来の股関節中心(原臼位)の再建を特に重視し、長期的な股関節機能の維持・回復を目指しています。

【特徴】
・自家骨移植を中心とした原臼蓋再建
・骨ストック温存 (将来の万が一の手術にも安心!)
・KT Plateを用いた高度骨欠損時の原臼位設置

人工股関節再置換術

人工股関節術後の感染、ゆるみ、脱臼などに対する再置換術を専門的に行っています。難易度の高い症例に対しても、精密診断と高度再建技術を組み合わせ、治療期間短縮と早期機能回復を目指しています。

最新の感染診断・遺伝子検査

当科では、人工関節周囲感染(PJI)、骨髄炎、難治性感染症に対し、世界最先端の最新遺伝子検査・培養検査における超音波処理を用いた方法を導入しています。
【実施検査】
・超音波処理培養検査(バイオフィルム破砕)
・PCR; 定量PCR, FilmArray® Joint Infection Panel
・NGS (次世代シーケンサー)によるゲノム解析/薬剤耐性遺伝子検出
和歌山ゲノム解析センターと連携し、診断困難症例に対応しています。

“確実な治療は、正確な診断から”

感染に対する再置換術

感染性ゆるみや人工関節周囲感染に対し、抗菌薬含有同種骨を活用した短期二期的再置換術を行っています。

【特徴】感染根治と機能回復の両立
・抗菌薬含有同種骨使用;ロングステム・臼蓋再建対応
・骨欠損再建術治療期間短縮と早期歩行能力獲得

当科の学術活動

・欧州整形外科学会やSICOTなどの国際学会発表
・日本人工関節学会プロジェクト課題や科研費によるPCRや次世代シーケンサーなどの最新遺伝子検査研究開発:人工関節周囲感染(PJI)研究・英文誌への報告
・抗菌薬含有骨移植を用いた治療や研究

股関節外科の特徴

・股関節温存手術に積極対応
・セメントTHAを中心とした長期成績重視の手術
・高難度再置換術や人工関節周囲感染における専門的治療
・骨銀行を活用した再建術
・患者個別化治療

受診をご希望の方へ

股関節痛、歩行障害、人工股関節術後の痛みや不安定感などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。患者さん一人ひとりに適した治療法をご提案いたします。

治療の流れ

①外来(手術前)
診察、画像検査などを行い、治療方針を相談します。手術が必要な場合は、家族同席で手術説明を行います。手術の同意が得られたら、手術の準備を始めます。
外来で手術に必要な検査(血液検査、心電図など)を行います。口腔衛生の確認のために歯科受診も行っていただきます。検査終了後、手術日程を決定します。手術待機期間は約1ヵ月程度です。

②入院日
手術日の前日に入院します。はやめに入院が必要な場合もあります。手術に向けての準備を、看護師、薬剤師などが行います。術前の状態確認のためにリハビリテーション診察があります。

③手術当日
水分や食事は、原則とることができません。手術の時間が来れば、看護師と手術室に向かいます。手術時間が、早くなったり遅くなる場合があります。
手術が終われば、看護師と病棟にもどります。点滴、血圧測定などを行い、術後の観察を行います。

④手術後
手術翌日は、水分や食事は、原則とることができます。手術した翌日からリハビリ開始となり、歩行練習を進めていきます。車いす→平行棒→歩行器→杖→独歩 とリハビリは進んでいきます。術後2~3週間で退院となりますが、転院が必要な場合は、患者総合支援センターと相談して準備を進めることになります。

⑤退院日
薬、次回外来受診予約票などを持参して退院になります。
転院の場合は、紹介状、画像データを持参して転院していただいております。転院の場合でも、当医療センターでも治療を継続しますので外来受診予約をしていただいております。

⑥外来(手術後)
診察、画像検査などを行い、治療を継続します。診察終了後、次の外来受診日を決めます。薬物療法だけの場合は、他院に紹介させていただく場合があります。
当医療センターでの外来リハビリテーションは行っていませんので、退院後のリハビリテーションをご希望の場合は、他院に依頼させて頂いています。
特に問題がなくても、1年に1回の定期検診が必要となります。


人工膝関節について


人工膝関節置換術は変形してしまった膝関節を人工の関節に置き換える手術です。英語ではTotal Knee Arthroplasty、略してTKAといいます。薬物治療や理学療法などの保存的治療で膝関節痛が改善しなくなった場合に行われます。膝関節を金属、ポリエチレンなどから構成された人工関節に置き換えることで、痛みが劇的に改善されます。

加齢などが原因で膝関節の軟骨がすり減ると、膝関節に痛みが生じるようになります。そして、膝関節の変形が進行するとともに、痛みが増強し、関節の動きが悪くなり、歩行障害を生じるようになります。ひどく痛むようになった変形性膝関節症、大腿骨内顆骨壊死、関節リウマチなどの患者さんに行われており、非常に膝関節の除痛効果が強く、満足度が高い手術です。

変形性膝関節症は、膝の関節軟骨の変性により関節が変形する疾患です。治療は、筋力訓練などの運動療法、装具療法、鎮痛薬、ヒアルロン酸関節内注射などの保存療法が基本となります。しかし、十分に保存療法を行っても膝の痛みが続き日常生活や歩行に支障がある場合、このような状態が長く続くと、筋力や体力の低下が起こり、さらに膝の症状も強く出やすくなるなど悪循環が起こります。このように進行した場合には、手術をおすすめします。

当医療センターでは、人工関節センターを設置しています。術前にCT画像により変形した膝関節の骨の形態を評価し、デジタル手術計画ソフトを用いて手術計画を行っています。以前はナビゲーションシステムを併用し骨切り・インプラント設置を行っていましたが、2025年10月からロボット支援手術システム「CORI(Core of Real Intelligence)」(Smith&Nephew社製)を導入しました。手術中に膝の骨の形状、靭帯バランスを読み取ることができ、それを参考にしながら骨切り・インプラントの設置計画を調整することで、患者様個々の状態に合わせた手術が可能です。また、ロボット支援により、計画範囲外での骨切除ができないよう制御されるため、より安全に、計画に正確な手術ができます。また、体の負担を軽減する方法、術後の痛みを減らす方法、出血を減らす方法、合併症を回避する方法、治療支援アプリの導入など早くもとの生活に戻れるように様々な工夫を行っています。

治療の流れ

①外来(手術前)
診察、画像検査などを行い、治療方針を相談します。手術が必要な場合は、家族同席で手術説明を行います。手術の同意が得られたら、手術の準備を始めます。
外来で手術に必要な検査(血液検査、心電図など)を行います。口腔衛生の確認のために歯科受診も行って頂きます。検査終了後、手術日程を決定します。手術待機期間は約1ヵ月程度です。

②入院日
手術日の前日に入院します。はやめに入院が必要な場合もあります。手術に向けての準備を、看護師、薬剤師などが行います。術前の状態確認のためにリハビリテーション診察があります。

③手術当日
水分や食事は、原則とることができません。手術の時間が来れば、看護師と手術室に向かいます。手術時間が、予定より早くなったり遅くなる場合があります。
手術が終われば、看護師と病棟にもどります。点滴、血圧測定などを行い、術後の観察を行います。

④手術後
手術翌日は、水分や食事は、原則とることができます。手術した翌日からリハビリ開始となり、歩行練習を進めていきます。車いす→平行棒→歩行器→杖→独歩 とリハビリは進んでいきます。術後2~3週間で退院となりますが、転院が必要な場合は、患者総合支援センターと相談して準備を進めることになります。

⑤退院日
薬、次回外来受診予約票などを持参して退院になります。
転院の場合は、紹介状、画像データを持参して転院していただいております。転院の場合でも、当医療センターでも治療を継続しますので外来受診予約をしていただいております。

⑥外来(手術後)
診察、画像検査などを行い、治療を継続します。診察終了後、次の外来受診日を決めます。薬物療法だけの場合は、他院に紹介させていただく場合があります。
当医療センターでの外来リハビリテーションは行っていませんので、退院後のリハビリテーションをご希望の場合は、他院に依頼させて頂いています。
特に問題がなくても、1年に1回の定期検診が必要となります。


上肢外科について

上肢外科では、次にあげるような肘から指までのケガや病気を治療しています。

 ケガ(外傷疾患)
 症状 病名・疾患名
ぶつけたり擦ったりして痛い、腫れている 打撲・靭帯損傷・軟骨損傷・関節脱臼
切り傷などでケガをした後から手・手指がしびれている、触っている感触がない 神経断裂・神経損傷
切り傷などでケガをした後か、手を切った後から指が動かない 腱断裂
ケガをしてから関節がしっかり曲げ伸ばしできない、関節が変形している 関節拘縮・外傷後変形
骨折がなかなか治らない 骨折後癒合不全・偽関節(骨が癒合しないこと)・骨髄炎
 ケガ以外(慢性疾患)
症状 病名・疾患名
肘が痛い 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
上腕骨内側上顆炎など
肘が伸びなくなってきた・曲がりきらない 変形性肘関節症・関節リウマチなど
親指の付け根が痛くてペットボトルが開けられない 母指CM関節症、STT関節症など
手首が痛い ドゥケルバン腱鞘炎・変形性手関節症・TFCC損傷・舟状骨偽関節・キーンベック病など
手がしびれている 手根管症候群(親指から薬指の半分)
肘部管症候群(薬指の半分と小指)など
指の付け根が痛い・朝方曲げた指が伸びない 腱鞘炎(ばね指)
指の節々が痛い・変形してきた へバーデン結節・ブシャール結節
関節リウマチなど
できものができて大きくなってきた ガングリオン・軟部腫瘍・骨腫瘍・デュピュイトレン拘縮など
赤くはれて痛くて動かせない 化膿性関節炎・化膿性腱鞘炎
結晶性関節炎(痛風、偽痛風)など

特に当医療センターでは、以下の疾患に対する治療を得意としています。

手根管症候群

手首にある手根管と呼ばれる狭いトンネル内で正中神経が圧迫されることにより、手指のしびれや痛みを引き起こす病気です。

手根管症候群が進行すると、ボタンを留める、箸を使うといった細かい作業が困難になります。また親指の付け根の筋肉(母指球筋)が萎縮し、つまむ力が著しく低下します。特に、手を頻繁に使う仕事・作業をされる方(パソコンやスマートフォンの操作・楽器演奏・育児など)、更年期の女性、妊娠中や出産直後の女性、糖尿病患者、透析患者に多くみられます。


症状について診察し、超音波検査(エコー)で正中神経の状態、周囲組織の異常がないか調べます。手根菅症候群が疑わしければ神経伝導検査を行い、微弱な電気を流すことで神経の伝達速度や機能を数値化します。初期症状の場合、安静、装具、ステロイド注射、エコーガイド下の正中神経リリース(神経剥離)などによる保存治療を行います。保存療法で改善しない場合や当医療センターを受診した際すでに中等症~重症の場合は手術療法を行います。特に、耐え難い手指の痺れ、細かい作業の困難感、母指球の萎縮などを伴う際は、重症になる前の手術療法を勧めています。手術はほとんどの場合、局所麻酔での日帰り手術で行います。手掌部と手関節部の2か所に小切開を加え、専用の器具を用いて手根管を開放して、正中神経の通り道を拡大します。重症の場合、別の筋肉の腱を親指の腱に移し変えて縫合して、親指を動きやすくする腱移行術を行う場合があります。手関節の安静のために、手術後は約2週間シーネで固定し、シーネ固定終了時に抜糸となります。


腱鞘炎

手指や手首の腱と、それを包む腱鞘が炎症を起こし、腱や腱鞘が厚みを増すと滑りが悪くなり、痛みや腫れを引き起こす病気です。手指や手首を動かすと痛い、手指や手首が腫れる、手指を動かそうと引っかかる(ばね指)、指がしっかり伸びない(関節が硬くなる)といった症状があります。特に、手を頻繁に使う仕事・作業をされる方(パソコンやスマートフォンの操作・楽器演奏・育児など)、更年期の女性、糖尿病患者に多く見られます。主に親指の第2関節、他の指は第3関節に発生しますが、手首の親指側に生じる腱鞘炎はドケルバン病という名前がついています。
治療は装具や手指のストレッチ、内服や湿布での炎症軽減をまず行い、それでも効果がない場合は腱鞘に注射を行います。ただし、腱鞘への注射を繰り返すと腱が断裂する恐れがあり、数回の注射で効果がない時は、手術治療で厚くなった腱鞘を切開します。手術のみでは症状がすぐに改善しないこともあり、術後のリハビリテーションも大切になります。

母指CM関節症

親指の中手骨と大菱形骨で構成される母指CM関節は、親指の付け根に位置する関節です。日常生活の中で親指の酷使が続いたり、加齢によって変化が生じたりすると、CM関節のゆるみと炎症が生じ、次第に軟骨が摩耗して骨が露出するようになります。初めは親指の付け根のだるい痛みが多く、軟骨の摩耗が進行するとともに親指を使って物を摘まんだり握ったりする動作で強い痛みを感じるようになります。特にペットボトルやビンの蓋の開閉、ドアの鍵の施錠、ペンを使った書字などの動作で痛みを訴えられる方が多いです。さらに進行すると親指の付け根の骨が変形し、ぐらつきが生じます。
レントゲンで関節のすき間の有無や骨の変形の有無を調べて、治療法を選択します。初期段階の場合、湿布や装具の着用、関節へのステロイド注射で、多くは改善します。それでも症状が改善しない場合には手術を検討します。様々な手術法が提唱されていますが、当医療センターでは関節形成術もしくは関節固定術を主に行っています。関節形成術は摩耗した軟骨や骨を搔爬して、再び関節が狭くならないように人工靭帯を用いて関節を維持・形成する方法です。関節固定術は摩耗した軟骨や骨を搔爬して、そこに骨盤や手関節から採取した骨を移植して、金属製の強固な材料で固定する方法です。性別や年齢、お仕事、普段の使用状況を鑑みて、手術方法を選択します。

偽関節・外傷後変形

ケガをした後に医療機関を受診していても、経過によっては骨が癒合しなかったり、骨が癒合しても四肢や関節の変形が進んだり、関節の可動域制限が遺残したりすることがあります。また、ケガをした後に医療機関を受診されず、気づいた時には四肢や関節が変形していることもあります。これらの症状は、ケガをしてから時間が経過していても、外科的治療で改善することがあります。  
骨が癒合していない場合・癒合不全で再骨折の危険性が高い場合は、骨折部を搔爬(クリーニング)して、骨盤や手関節などから採取した骨や人工骨などを移植して、金属製の強固な材料で固定し、骨の癒合を目指します。また、骨が癒合していても変形が残存している場合は、変形している箇所を骨切りして、解剖学的に正しい形を目指して固定し直すことがあります。関節が上手く曲げ伸ばしできない場合は、関節の周囲の硬くなった軟部組織(瘢痕)を切除したり、靭帯を部分的に切除したり、腱の周囲を剥離したりして、完全とまではいかないまでも、現状よりも動く関節にすることを目指します。手術の後のリハビリテーションも大切で、リハビリテーションが疎かになると、症状が再燃することもあり、治療に際しては患者さんの理解と協力が必要になります。

リウマチ性手関節変形・手指関節変形

関節リウマチの症状が進行し、関節の滑膜炎が持続すると、骨や軟骨が破壊され、関節の変形が生じます。関節の変形が高度になると、痛みや関節の可動域制限、運動機能の低下が生じます。近年は、生物学的製剤の進歩で、関節の変形が進行せずコントロールできている患者様も沢山おられますが、長年罹患されているなど、日常生活にお困りの方もまだいらっしゃいます。
関節の変形の程度や罹患部位に合わせて手術の内容が異なりますが、当医療センターでは可能な限り、関節の機能を温存できる関節形成術を行うようにしており、手指に関しては人工指関節を使用し、可動可能な関節を再建できるようにしております。複数部位を手術しなければならない場合や、関節の変形が高度な際は、金属製の固定材料を用いて関節固定を行うこともあります。関節の変形が強い場合は腱断裂で指の曲げ伸ばしができない状態を合併していることもあり、その場合は断裂した腱を直接縫合したり、他の腱を移し変えて縫合したりすることがあります。

へバーデン結節・ブシャール結節

へバーデン結節では手指のDIP関節(第1関節)が腫れて痛みを感じるようになります。進行してくるとDIP関節が変形し、変形が強くなると関節の動きが悪くなってきます。ブシャール結節は手指のPIP関節(第2関節)の症状です。いずれも40歳以降の女性に好発しますが、過去に手指関節に骨折や靭帯損傷などケガをされた方にも生じうるので、男性にも認めます。関節痛や変形が生じると、痛みや関節の可動域制限により日常生活動作に支障が生じます。画像検査で骨棘(こつきょく)の形成や偏位(横方向へのずれ)がないか診断します。また、関節リウマチを合併している可能性があり、血液検査も行います。軽度の場合は、安静や装具療法などの保存療法を行いますが、症状が強い場合は、関節形成術、関節固定術、人工関節置換術を行います。手術方法は罹患部位や罹患数によって変化します。

手指の切断

交通事故や勤務中の事故(おもに機械や刃物での切断)で指が切断されると、骨だけでなく、神経、血管、腱も同時に損傷・断裂することがほとんどです。当科では骨接合や腱縫合だけでなく、マイクロサージャリーの技術を用いて、顕微鏡下に径が1mm未満の血管や神経を縫合して、切断指の再接着を行います。ただし、切断部が挫滅していたり、汚染していたり、熱で損傷していたりすると条件が悪く再接着が困難です。また、再接着後は血管の再閉塞が生じることがあり、その場合は生着せず壊死してしまうこともあります。これらの再接着が困難な場合でも、局所皮弁や遊離組織移植を行い、指の機能や整容が極力維持できるようにしています。

診察と治療について

診察では、レントゲンやCT、MRI以外に、エコー(超音波検査)を用いて診断を行います。
ギプスや装具で治癒が期待できない場合、また復帰を早めるために手術を行っています。
どのような疾患でも、まずは保存療法(内服や湿布、注射、装具)などを行います。
注射を行う際は、エコーを用いで、痛みの原因となる箇所へ的確に注射できるように工夫しています。
保存療法での治癒が期待できない場合や、保存療法の効果が乏しい場合は、手術療法を提案しています。
手術は可能な限り拡大鏡や顕微鏡を使用し低侵襲を心がけて行っています。

麻酔について

局所麻酔、伝達麻酔、全身麻酔のいずれかで手術を行っています。
どの麻酔にするかは、患者さんの希望や手術の予定時間、年齢、既往症などにより相談で決めています。
局所麻酔では、麻酔薬に炭酸水素ナトリウムを混ぜて注入時の痛みが少ないようにしています。
伝達麻酔(腕神経叢ブロック、選択的末梢神経ブロック)では、超音波を使用して神経に的確に麻酔するように行っています。
局所麻酔・伝達麻酔での手術は、日帰りでの手術が可能です。
全身麻酔では、術前に全身的な評価(全身麻酔が可能かどうかの検査)が必要です。また必ず手術前日までに入院いただくことが必要です。

治療の流れ

①外来(手術前)
診察、画像検査などを行い、治療方針を相談します。手術が必要な場合は、家族同席で手術説明を行います。手術の同意をいただいてから、手術に向けた準備を始めます。
外来で手術に必要な検査(血液検査、心電図、呼吸機能検査など)を行います。検査終了後、手術日程を決定します。手術待機期間は約1ヵ月程度ですが、急を要する手術の場合は、その限りではありません。
手術内容によっては、日帰り手術も可能です。

②入院日
手術日の前日に入院しますが、内科疾患の種類や追加検査の必要性によっては、数日前に入院が必要な場合もあります。手術に向けての準備を、看護師、薬剤師などが行います。術前の状態確認のためにリハビリテーション診察があります。

③手術当日
水分や食事は、原則とることができません。手術の時間が来れば、看護師と手術室に向かいます。手術時間が、早くなったり遅くなったりする場合があります。
手術が終われば、看護師と病棟にもどります。点滴、血圧測定などを行い、術後の観察を行います。

④手術後
手術翌日は、水分や食事は、原則とることができます(日帰り手術の場合は、手術当日から水分、食事はとることができます)。手術内容にもよりますが、理学療法士とともに、車椅子移動、歩行、関節可動訓練などリハビリテーションを始めます。
その後は、予定退院日に向けて調整します。転院が必要な場合は、患者総合支援センターと相談して準備を進めることになります。

⑤退院日
処方されたくすり、次回外来受診予約票などを持参して退院になります。
転院される場合は、紹介状、画像データを持参いただき、円滑に治療が継続できるように転院していただいております。転院先を退院された後は、当医療センター外来での治療を継続させていただきます。

⑥外来(手術後)
診察、画像検査などを行い、治療を継続します。診察終了後、次の外来受診日を決めます。薬物療法だけの場合は、他院に紹介させていただく場合があります。
当医療センターでの外来リハビリテーションは行っていませんので、退院後のリハビリテーションをご希望の場合は、当医療センターと連携している他院の整形外科に依頼させて頂いております。