当科は、2002(平成14)年4月に京都大学医学部消化器内科の関連施設として発足しました。
京都大学と密に連携をとりながら、日々の診療を行っています。
専門分野は、消化器 (食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆管、胆嚢) 全般の病気の診断と治療です。
最新の内視鏡装置や超音波装置を駆使して、病気の早期発見や治療を実施しています。
役職 | 院長 |
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卒業年 | 1982(昭和57)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、肝胆膵 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本肝臓学会肝臓専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 |
その他 | 京都大学医学博士 京都大学医学部臨床教授 東京医療保健大学副学長 日本内科学会評議員 |
関連するページ |
院長のあいさつ |
役職 | 主任部長 |
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卒業年 | 1995(平成7)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、肝胆膵 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医 日本肝臓学会肝臓専門医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 |
その他 | 京都大学医学博士 京都大学医学部臨床准教授 |
役職 | 部長 |
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卒業年 | 2000(平成12)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、内視鏡治療 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本肝臓学会肝臓専門医・指導医 |
その他 | 京都大学医学博士 京都大学医学部臨床准教授 日本消化器病学会評議員 日本消化器内視鏡学会学術評議員 日本消化器内視鏡学会「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」作成委員 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 1998(平成10)年 |
専門分野 | 消化管疾患一般、化学療法 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本プライマリ・ケア連合学会指導医 |
その他 | 京都大学医学博士 京都大学大学院医学研究科客員研究員(健康情報学) 東京医療保健大学和歌山看護学部臨床准教授 日本消化器病学会近畿支部評議員 日本消化器内視鏡学会近畿支部評議員 日本内科学会JMECCディレクター 日本救急医学会ICLSディレクター |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2004(平成16)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、内視鏡治療 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本肝臓学会肝臓専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
その他 | 日本消化器病学会近畿支部評議員 日本消化器内視鏡学会学術評議員 日本内科学会JMECCインストラクター |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2008(平成20)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、内視鏡治療 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本消化管学会胃腸科専門医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本食道学会食道科認定医 日本肝臓学会肝臓専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
その他 | 日本消化器病学会評議員 日本消化器内視鏡学会学術評議員 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2009(平成21)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、胆膵 |
資格 |
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本肝臓学会肝臓専門医 |
役職 | 医長 |
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卒業年 | 2011(平成23)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般、内視鏡治療 |
資格 |
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医日本内科学会認定内科医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2015(平成27)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 | 日本内科学会内科専門医 日本消化器病学会消化器病専門医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2016(平成28)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 | 日本内科学会内科専門医 日本消化器病学会消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2017(平成29)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2017(平成29)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 | 日本内科学会内科専門医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2017(平成29)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2017(平成29)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 | 日本内科学会内科専門医 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2018(平成30)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2018(平成30)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2018(平成30)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2019(平成31)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2019(平成31)年 |
専門分野 | |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2020(令和2)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2020(令和2)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2021(令和3)年 |
専門分野 | 消化器疾患一般 |
資格 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2021(令和3)年 |
専門分野 | |
資格 |
役職 | 嘱託 |
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卒業年 | 2007(平成19)年 |
専門分野 | 胆膵 |
資格 | 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本肝臓学会肝臓専門医 日本膵臓学会指導医 日本胆道学会指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
その他 | 医学博士 日本消化器病学会評議員 日本消化器内視鏡学会学術評議員 |
場所 | 本館2階 |
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受付時間 | 新患:8時〜11時30分まで 再来:8時〜11時30分まで |
区分
|
月曜日
|
火曜日
|
水曜日
|
木曜日
|
金曜日 |
---|---|---|---|---|---|
AB
CD |
山下 |
上野山 |
瀬田 |
赤松 |
上野山 |
赤松 |
中谷 |
岩上 |
松本 |
中谷 |
|
瀬田 |
中野 |
下山 |
脇田 |
岩上 |
|
松本 |
筑後 |
外村 |
松山 |
荻野 |
|
塙 |
小西 |
押川 |
小西 |
中野 |
|
上野 |
- |
- |
曽根 |
佐藤 |
(2023年6月1日~)
※区分
(A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)
※赤字の名前は女性医師です。
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
新入院患者数 | 3,335 | 3,233 |
緊急入院患者数 | 1,144 | 1,078 |
平均在院日数 | 6.8 | 7.0 |
1日平均外来患者数 | 186.2 | 129 |
1日新患外来患者数 | 25.2 | 15.2 |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
上部消化管内視鏡 | 15,030 | 14,877 |
下部消化管内視鏡 | 3,960 | 4,036 |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
食道ESD | 27 | 37 |
胃ESD | 170 | 147 |
大腸ESD | 51 | 47 |
十二指腸ESD | 0 | 0 |
食道EMR | 7 | 1 |
胃EMR | 0 | 9 |
十二指腸EMR | 28 | 29 |
大腸EMR/ポリペクトミー | 1,604 | 1,712 |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
食道ステント | 5 | 6 |
胃十二指腸ステント | 23 | 11 |
大腸ステント | 33 | 29 |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
専用機超音波内視鏡 | 830 | 817 |
ERCP | 755 | 858 |
EUS-FNA | 131 | 117 |
EUS下処置 | 19 | 26 |
EST | 250 | 263 |
EPLBD | 76 | 81 |
ERBD | 334 | 420 |
胆管EMS | 52 | 40 |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
TACE年間件数 | 28 | 34 |
消化器内科医施行
腹部超音波検査件数
|
6,575 | 6,334 |
RFA件数 | 6 | 9 |
経皮的ドレナージ件数 | 102 | 121 |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
|
上部消化管止血術 |
218 | 205 |
EIS |
18 | 22 |
EVL | 38 | 49 |
PEG | 29 | 23 |
2022年 (令和4年) |
||
食道 |
38 | |
胃 |
39 | |
大腸 | 120 | |
胆嚢胆管 | 24 | |
膵臓 | 86 | |
その他 | 29 |
普段の生活の中でも“おなか”の調子が悪くなることは良くあることだと思います。
実際、病院に来られる患者さんは、消化器疾患の方が最も多いのです。
それに対応するため、当科では24時間365日、緊急内視鏡検査・治療をはじめ、常に消化器疾患に対しての最善の診療が可能となる体制を構築しています。
② 胃がんや大腸がん等の早期発見と治療
日本人が生命を落とす原因の中で最も多いのは“がん”であることはご存知のことだと思います。さらに日本人のかかる“がん”で1番多いのは大腸がん、続いて胃がんと言った消化器の“がん”です。
“がん”で生命を落とさないために最も重要なことは、初期の“がん”をとにかく早く見つけること!
初期の“がん”は症状がありません。つまり、検査をしなければ見つからないのです。
胃がんや食道がんなら胃カメラ、大腸がんなら大腸カメラの検査で見つかります。
当科では最新鋭の内視鏡装置を用い、毎年数多くの食道がんや胃がん、大腸がんの患者さんを診断し、内視鏡による治療を行っています。
症状がない場合は、当医療センターの健康管理センターでの人間ドックで内視鏡検査を申し込むことも可能ですし、症状がある場合は当科の外来を受診いただければ予定いたします。また、当科では地域のご開業されている先生方や病院との連携も積極的に行っており、できるだけスムーズに対応できるシステムを整えています。ご近隣の診療所をまず受診いただき、必要な場合に当科にご連絡いただくこともご検討ください。
③ 肝臓や胆道、膵臓のがんの発見と治療
肝臓や胆道、膵臓はなじみの少ない臓器かもしれません。肝臓に関しては腹部超音波検査やCT・MRIを駆使して早期のがんの発見に努めています。小さながんの場合は超音波を用いた治療(ラジオ波焼灼術)が可能です。他にも手術やカテーテルを用いた肝動脈塞栓術など状況に応じて、外科や放射線科と協力して最善の治療の提供に努めています。
胆道や膵臓のがんは近年増加し、問題となっていますが、早期の段階で見つけるのは難しいとされています。
当科では胆道や膵臓の疾患に特に力を入れており、腹部超音波検査や超音波内視鏡を駆使し、早期がんの発見に努めています。診断の後は、手術や化学療法など早急な治療を進めていきます。また、がんによって生じる黄疸や発熱、腹痛などに対して内視鏡手術(胆管ステント、消化管ステントなど)を迅速かつ安全に行うよう努力しています(図1)。近年は、超音波内視鏡を用いた先進的で高度な治療も行っています。(図2、図3)
④ 胆のう結石症、総胆管結石症
“いわゆる”胆石を持たれている方は非常に多いですが、全ての方に症状があり治療が必要な訳ではありません。しかしながら、胆管と呼ばれる管の中に石がある場合は、高熱(敗血症)や肝障害、黄疸、膵炎等の重篤な経過をたどることがあり、診断されれば早急に治療する必要があります。当科でも重点を置いている疾患のひとつで、総胆管結石症の内視鏡治療は全国屈指の実績をあげています。
⑤ がん化学療法
転移を伴う消化器がんに対しては、抗がん剤を中心とした全身治療が必要です。かつてと比較すると、治療成績も延長し、副作用についても軽減してきました。副作用コントロールも選択肢が多彩になってきました。
たくさんの治療法の中から患者さんにぴったりの方法を選択し、複数の医師で治療方針を確認して、相談しながら実践していますのでご安心ください。
⑥炎症性腸疾患
炎症性腸疾患の代表的なものに潰瘍性大腸炎とクローン病があります。時の政治家や女優、プロ野球選手も罹患していることを公表し、耳にされたことも多いかと思います。いずれも厚生労働省の指定する難病ですが、年々患者数が増えています。
潰瘍性大腸炎はかつて若者の病気と言われていましたが、患者数が増えるにつれて、幅広い年齢層での発症が知られるようになりました。腹痛や下痢、血便などのお腹の症状以外にもさまざまな全身症状を呈することがあります。下部消化管内視鏡を行うと、図1のように大腸の粘膜がただれています。血液検査など他の検査結果も併せて潰瘍性大腸炎と診断します。治療は5-アミノサリチル酸製剤の服薬、局所投与が基本です。症状によっては、より強力な薬剤であるステロイド剤が使われます。ステロイド剤が効かない場合、あるいは減量すると症状が悪化する場合には血球成分除去療法や免疫調整剤、生物学的製剤などの薬剤投与、時には手術も行われます。これらの治療により図2のようにもとの粘膜に戻ることが可能です。
クローン病は主に若者の病気で、潰瘍性大腸炎と同じような症状がみられます。潰瘍性大腸炎が主に大腸の病気であるのに対し、クローン病は口から肛門までのどの消化管にも炎症が生じ得ます。図3は小腸に生じた「縦走潰瘍」と呼ばれる潰瘍で、図4は大腸に生じた「敷石像」と呼ばれる状態です。潰瘍性大腸炎よりも症状が重いことが多く、治療には初めから生物学的製剤が使われることが多いです。
当科には多くの炎症性腸疾患の患者さんが受診されています。時に入院が必要なこともありますが、多くは学びながら、あるいは働きながら通院治療を続けています。豊富な経験と医学的証拠に基づいた診療を行っています。他の診療科とも連携しながら最善の医療を提供することで症状の改善、良い状態が維持できるように心がけています。腹痛や下痢、血便などのお腹の症状が続く場合には、炎症性腸疾患も疑って受診してください。
⑦地域連携
地域の先生方とは、常に密接な連携をとりながら診療しています。必要な時は当科を受診していただく体制が整っていますので、普段は安心してかかりつけ医での診療をお受けください。
日ごろから諸先生方には、大変お世話になり感謝申し上げます。
当科では消化器疾患全般について診療を行っています。
特に、以下の4疾患群は当科の部長・副部長が責任者となり、チームに分けて重点的に診療を行っていますので安心してお任せください。
① 内視鏡治療チーム
責任者:赤松拓司部長、中谷泰樹副部長、岩上裕吉副部長
消化管全領域の診断から内視鏡治療(特に早期がんに対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術))
患者さんをご紹介いただいてから治療まで、できるだけ迅速に進められるよう心がけています。また、診療状況がご理解いただけますよう、診療状況の報告を行うように心がけています。もし、お気づきの点がございましたら、ご遠慮なく忌憚のないご意見をお聞かせいただければ幸いです。当然のことながら、検査や治療を担当する医師は積極的に学会や研究会、セミナーなどに参加して知識と技術を向上させるよう自己研鑽に努めています。加えて、当施設をご覧いただくことも随時受け付けていますので、ご希望があればご連絡ください。
赤松拓司部長:近畿内視鏡治療研究会幹事
大阪胃研究会幹事
関西消化器内視鏡ライブコース世話人
Wakayama Endo-Highlight Symposium 代表世話人
② 肝胆膵チーム
責任者:上野山義人主任部長、松本久和副部長
膵がん、胆道がん等の悪性腫瘍や総胆管結石等の良性疾患に対する内視鏡診断と治療
特に、ERCP関連手技、超音波内視鏡による診断と治療には力を入れています。
③ 化学療法チーム
責任者:上野山義人主任部長、瀬田剛史副部長、岩上裕吉副部長、松本久和副部長
消化器内科領域の薬物療法の成績は、この10年で劇的に改善、進歩しました。当科では、消化管(食道・胃・大腸)のがんに対する術前化学療法(抗がん剤治療)、および、治癒切除できない進行がん、再発がんに対する抗がん剤治療を、外来通院や短期入院で行っています。これは、患者さんの生活の質(QOL)を高める目的、また、その維持のためです。患者さんそれぞれで使用する抗がん剤の種類は異なりますが、世界中で報告されている科学的根拠(エビデンス)を駆使して標準的治療を選択し、みなさんの担当医が一同に会して治療方針を立案するカンファレンスを通して決定します。これは、国内有数のがん専門病院でも同じ方法で治療法を決定しています。診療においては、医師だけでなく、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、臨床心理士を含むチーム医療を実践しています。患者さんが現在おかれている病状や抗がん剤の副作用なども考慮し、誰もが納得いくまで時間をかけて治療方針を検討し決定しますのでご安心ください。
④ 炎症性腸疾患チーム
責任者:赤松拓司部長、中谷泰樹副部長、中野省吾、脇田碧
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は近年、増加の一途をたどっています。以前は5-ASA製剤とステロイド剤以外に有効な治療法はありませんでしたが、現在、免疫調整剤、免疫抑制剤、生物学的製剤など多くの薬剤が使えるようになりました。さらに血球成分除去療法など薬物療法以外の治療法も保険適用となっています。治療法が増えたことは患者さんにとっては朗報ですが、増えたがゆえに治療方針に迷う症例もあるかと思います。また、治療内容によっては血中濃度測定や合併症に対する対処、透析施設が必要など診療施設によっては対応が困難なこともあるでしょう。当医療センターでは他科の協力も仰ぎながら、すべての症例に対応可能です。さらに治験も行っていますので、お困りの症例があれば、いつでもご連絡ください。
救急外来に訪れる患者さんの内、かなりの数は消化器疾患です。 消化器医師は常にオンコール状態で、内視鏡やその他による緊急検査、処置は24時間365日可能な体制をとっています。
胃や腸に関しては、内視鏡等を駆使し、診断治療に当たっています。精度の高い検査処置を施行するために、胃カメラ、大腸カメラは経鼻内視鏡以外、すべて最高画質で最新の拡大内視鏡装置を用いています。
【早期がんの治療】
早期がんの内視鏡治療ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)をいち早く導入し、積極的に実施しています。
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とは、内視鏡を用いて行う早期がんの治療法です。
食道や胃や腸を外科的手術で大きく切除することなく内視鏡を用いてがんの部分を剥がしとります。
転移のない早期がんが適応となります。入院期間は約1週程度で、外科的手術で切除することに比べると短期間で済むことが多く、また、体の表面に手術の傷が残らないことが患者さんに喜ばれる点です。また、外科手術と異なり消化管(例えば、胃など)を切除しないので、切除に伴う食事の不具合(例えば、胃を手術で大きく切除すると、胃の容積が小さくなるので、手術前のようにしっかり食べることができるようになるまで時間がかかることもあります)が起こりにくい点も大きな長所です。ただし、治療を行う部位や腫瘍の大きさによっては注意が必要なこともありますので、それぞれの患者さんの状況に応じた説明をさせていただきます。治療を担当する医師は積極的に学会や研究会、セミナーなどに参加して知識と技術を向上させるよう自己研鑽に努めています。
近年、我が国では腸の疾患が急増しています。特に、若い方が罹患する厚生労働省の特定疾患に指定されているクローン病と潰瘍性大腸炎の増加は大きな問題となっています。当科では、以前より通常の薬物療法以外に分子標的治療薬や白血球/顆粒球除去療法等、あらゆる方法を駆使して治療しています。
胆嚢結石症や総胆管結石症は以前より頻度の高い疾患でしたが、最近は膵臓の病気が増加しています。
当科では腹部超音波装置や通常の内視鏡装置以外に超音波内視鏡(超音波装置のついた特殊な内視鏡)を用い、胆膵疾患の診断と治療にあたっています。
以前は総胆管結石症の治療は外科的治療が必要でしたが、当科では最近10年間で1,697人の患者さんを開腹手術することなく、内視鏡にて治療しています。
また、当科で最近重点的に実施している超音波内視鏡を用いると、胆膵疾患の画像的診断以外に膵臓がんの組織検査や、がん性疼痛に対する神経ブロック、閉塞性黄疸に対する治療等も可能ですので、積極的に実施しています。
C型肝炎に対する経口薬療法、肝細胞がんに対するラジオ波熱焼灼療法等、常に最新の治療を実施しています。
外科の切除を併用せず、ラジオ波熱焼灼療法(RFA)を中心に治療した肝細胞がん患者の3年生存率は83%、5年生存率は76%の成績をあげています。
当科で実施した化学療法の内訳は「診療実績」の項目をご覧ください。
内視鏡センターは7室の検査室を持ち、消化器内科により運営されています。午前中は6室にて上部消化管内視鏡検査・処置、午後は下部消化管内視鏡検査・処置を実施しています。残り1室はRFA・生検などの超音波処置室として運用しています。
ERCPや各種ドレナージなどの透視下の処置は2室あるTV室にて実施しています。内視鏡の緊急処置も含め、当センターは24時間365日対応可能です。
2018(平成30)年4月より新しい専門医制度が開始されました。
当医療センターにおいては、subspecialtyを中心とした内科プログラムを組んでいます。
消化器内科での研修は、卒後3年目より上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査、腹部超音波検査はもちろんのこと、ERCPや超音波内視鏡検査等も積極的に修得してもらっています。
当科の診療に興味のある方は是非ともご相談ください。
[連絡先:研修課 073-422-4171㈹]
日本消化器病学会認定施設
日本消化器内視鏡学会指導施設
日本肝臓学会認定施設
専攻医1年目の研修実績
令和4年度(2022.4~2023.3) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
N 医師 |
V 医師 |
|||||
上部消化管内視鏡検査 | 782 | 947 | ||||
下部消化管内視鏡検査 | 238 | 235 | ||||
ERCP | 79 | 90 | ||||
腹部超音波検査 | 259 | 316 |
令和3年度(2021.4~2022.3) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
L 医師 |
T 医師 |
|||||
上部消化管内視鏡検査 | 637 | 751 | ||||
下部消化管内視鏡検査 | 266 | 219 | ||||
ERCP | 101 | 71 | ||||
腹部超音波検査 | 280 | 322 |
令和2年度(2020.4~2021.3) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
U 医師 |
I 医師 |
D 医師 |
N 医師 |
|||
上部消化管内視鏡検査 | 724 | 973 | 757 | 776 | ||
下部消化管内視鏡検査 | 188 | 234 | 218 | 198 | ||
ERCP | 99 | 97 | 89 | 91 | ||
腹部超音波検査 | 293 | 251 | 311 | 284 |
令和元年度(2019.4~2020.3) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
U 医師 |
N 医師 |
P 医師 |
T 医師 |
|||
上部消化管内視鏡検査 | 1,056 | 770 | 850 | 908 | ||
下部消化管内視鏡検査 | 320 | 277 | 246 | 270 | ||
ERCP | 106 | 85 | 78 | 117 | ||
腹部超音波検査 | 389 | 293 | 346 | 317 |