当医療センターは、1874(明治7)年に和歌山医学校兼小病院として設立され、1905(明治38)年4月1日より日本赤十字社和歌山支部病院として発足しました。そして、この100年以上の歴史の中で、私たちは地域医療を支えるという使命を実践し続けてきました。
3年前から世界中を震わせた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、我が国においては、2023(令和5)年5月8日より、ようやく2類感染症から5類感染症に変更されました。これまでの長い間、厳しい行動制限がなされ、多くの方々が大変苦労されたことと思います。人類の歴史は感染症との戦いだと言われてきましたが、抗生剤や抗ウイルス剤、ワクチンのおかげもあり、我々は油断していたかもしれません。初心に戻り、謙虚に先人の言葉に耳を傾けなくてはなりません。
これを機に、当医療センターは感染症診療にさらに強い病院を目指します。
今後、我が国に訪れる少子高齢化による人口動態分布の変化により、求められる医療の体制も大きく変わります。当医療センターの役割は「高度急性期医療」の担い手です。これに対応すべく、2013(平成25)年ロボット支援手術ダヴィンチSiの西日本1号機を導入、2017(平成29)年ドクターカー運用協力開始、2018(平成30)年ロボット支援手術ダヴィンチXiへの更新、2020(令和2)年ハイブリッド手術室の整備、2021(令和3)年がんセンター発足、2022(令和4)年PET-CT導入、2023(令和5)年からはスーパーICUを設置し、高度医療に対応するさらなる強固な体制を着々と構築し、さらに進化し続けています。
創設以来の『地域医療を守る』と言う使命感を胸に、救急から高度医療に至るまでの全ての高度急性期医療に対して、引き続き貢献し続けたいと考えています。
2023(令和5)年5月8日
院 長 山下 幸孝