1986(昭和61)年当医療センターに和歌山県赤十字救命救急センターが開設されて以来、一般外来および入院患者さんの診療に加え、24時間体制で救急に対応しており、最新鋭の脳血管撮影装置を導入し、血管内手術も行っています。
当科の特徴としては、重症の脳血管障害、頭部外傷患者さんの救急搬送が非常に多く、これらの疾患に対して迅速な診断、的確な治療を行うことに努めています。
2020(令和2)年4月よりハイブリッド手術室の運用が開始され、2024(令和6)年4月には大型モニターで4K 3D画像が観察可能な手術用顕微鏡システムが導入されました。これらを用いることで手術室から移動せずに血管撮影やCT撮影を行ったり、従来と比較して高精細な画像で術野を観察したりすることが可能となり、より正確で安全性の高い手術が可能となりました。 |
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役職 | 部長 |
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卒業年 | 1984(昭和59)年 |
専門分野 | 脳血管内治療 脳卒中、脳腫瘍の外科治療 |
資格 | 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療指導医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 |
その他 | 日本脳卒中学会脳卒中療養相談士 |
備考 | できるだけ安全で侵襲の少ない治療をこころがけています。 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 1998(平成10)年 |
専門分野 | 脳卒中の外科 脳血管内治療 |
資格 | 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 |
その他 | 日本脳卒中学会脳卒中療養相談士 |
備考 | 血管内治療を中心とした負担の軽い治療を心がけています。 |
役職 | 副部長 | |
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卒業年 | 2000(平成12)年 | |
専門分野 | 脳神経外科一般 水頭症 |
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資格 | 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 |
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その他 | 日本脳卒中学会脳卒中療養相談士 | |
備考 | 安心して治療を受けられるよう頑張ります。 |
役職 | 副部長 |
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卒業年 | 2002(平成14)年 |
専門分野 | 脳神経外科一般 外傷 脳血管障害 |
資格 | 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 |
備考 | 脳神経外科手術を専門としています。よろしくお願いします。 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2017(平成29)年 |
専門分野 | 脳神経外科一般 |
資格 | |
備考 | 患者さん第一の診療を心がけています。 |
役職 | 医師 |
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卒業年 | 2020(令和2)年 |
専門分野 | 脳神経外科一般 |
資格 | |
備考 | 患者さんに寄り添う診療を心がけます。 |
役職 | 医師(兼) |
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卒業年 | 1989(平成元)年 |
専門分野 | 脳卒中、神経外傷全般 |
資格 | 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 日本脳神経外傷学会専門医・指導医 |
その他 | 医学博士 |
関連するページ |
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備考 | 救急外来での治療を担当します。 |
場所 |
西館1階(1B) |
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受付時間 |
新患:8時〜11時30分 |
区分 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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AB CD |
宮武 山中 |
- | 担当医 | ★1 中 |
担当医 |
ABD | - | 武本 | - | 津浦 | - |
C | 武本 | 津浦 | - | 大江 | - |
前島 | 山中 | - | 宮武 | - | |
AC | ★2 津浦 |
- | - | - | - |
(2025年2月1日~)
※ 区分 (A:紹介予約 B:当日初診 C:予約再診 D:当日再診)
★1:指定紹介患者のみ
★2:A は 脳ユニットのみ
※ 初診:紹介患者優先
※ 都合により変更する場合もありますのでご了承ください。
専門外来 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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予約制・13時~15時 | |||||
脳血管内治療専門外来 | - | - | - | 津浦 武本 |
- |
(2023年9月1日~)
※ 都合により変更する場合もありますのでご了承ください。
脳腫瘍 | 24件 | |
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脳血管障害 | 脳動脈瘤 | 7件 |
高血圧性脳内出血 | 9件 | |
その他 | 15件 | |
外傷 | 76件 | |
水頭症 | 22件 | |
血管内治療 | 動脈瘤塞栓術 | 19件 |
閉塞性脳血管障害 | 21件 | |
その他 | 12件 | |
その他 | 8件 | |
合計 | 213件 |
くも膜下出血は、脳動脈の分岐部に瘤(こぶ)ができ、それが徐々に大きくなって破裂して起こります。一方、脳ドックなどで破れる前に見つかった動脈瘤を「未破裂脳動脈瘤」と呼びます。
2018(平成30)年は、30名のくも膜下出血患者さんが当医療センターに救急搬送され、最重症例と出血源不明例を除く18名に対して根治手術を行いました。脳動脈瘤手術は41例で、開頭ネッククリッピング術8例、コイル塞栓術23例でした。当科の特徴として、「脳動脈瘤コイル塞栓術」を約半数以上の症例に行っています。
また、開頭手術用顕微鏡を一新し、術中ICG蛍光血管撮影が行えるようになりました。すでに100例以上の脳外科手術に用いています。脳動脈瘤手術では、クリップをかけた後の母血管の確認に非常に有用で、さらに安全に手術が行えるようになりました。
当医療センターは、「救急症例全例応需」という基本理念のもと、搬入依頼を断ることなく救急患者さんを受け入れています。また、当医療センターは救命救急センターを併設しており、3次救急症例が数多く搬入されますので、高エネルギー外傷、多発外傷の搬入数も和歌山県下で最多です。
当科の特徴として、重症頭部外傷患者さんに対して24時間救急手術に対応しています。また、術後集中治療室(ICU)において、頭蓋内圧モニター、経頭蓋ドップラー、局所脳酸素飽和度モニターなどの最新機器を用いて県内でも唯一低体温療法による周術期管理を行い救命、機能予後の改善に努めています。
当高度救命救急センターには、頭部外傷患者さんも県内でも数多く搬入されており、平成30(2018)年度は187症例の重症頭部外傷患者さんが当高度救命救急センター救急外来から緊急入院となっています。
急性硬膜下血腫手術前(左)、急性硬膜下血腫手術後(右)
急性硬膜外血腫手術前(左)、急性硬膜外血腫手術後(右)
治る認知症、歩行障害、尿失禁があるのをご存知ですか?
はっきりとした原因がないのに歩きにくくなったり、認知症、尿失禁の症状が出た場合、「特発性正常圧水頭症」という病気の可能性があります。このような症状は、パーキンソン病や脳卒中、あるいはアルツハイマー型認知症などでもみられますが、数%の割合で、「特発性正常圧水頭症」という病気が含まれていることがあります。この病気は適切な診断ができれば、髄液シャント術という手術で症状の改善が得られます。また、当科の特色として、頭に傷をつけなくてもよい腰椎—腹腔シャント術(LPシャント)を積極的に行っており、手術症例は年々増加しています。
小刻み歩行(小股でよちよち歩く)、開脚歩行(足を開き気味にして歩く)、すり足歩行(足が挙がらない状態)、不安定でよく転倒する、第一歩がでない、突進歩行(うまく止まることができない)、歩くと左右どちらかに傾いてしまう、などがあります。
内頚動脈狭窄症は、首のところで脳へ行く血管が細くなり、引いては脳梗塞を引き起こす病気です。当科の特徴として、この病気に対し、頚部の切開を必要としない血管内治療(経皮的頚動脈ステント留置術;CAS)を積極的に行っており、現在までに300例以上の治療経験があります。2018(平成30)年は、16症例の患者さんに頚動脈ステント留置術を行い、合併症無く治療を行いました。また、頭蓋骨の中の脳血管狭窄症などに対してもバルーンによる拡張術(PTA)やステント留置術(stenting)も積極的に行っており、2018(平成30)年は総数74例の血管内手術を行いました。
脳梗塞は、一度起こってしまうと改善が難しい病気ですが、現在、発症4.5時間以内の脳梗塞患者に対してtPA(アルテプラーゼ静注)療法が認可されています。当医療センターでも、これら早期の脳梗塞患者にtPA療法を積極的に行っています。また、当科の特徴として、tPA療法が効かなかった患者さんのなかで症例を選択し、血管内治療(機械的血栓回収療法術)を行っています。
tPAで再開通しなかった症例
当科では県下で3施設でしか行えない「画像支援ナビゲーション手術」を行っています。
この手術で使用されるニューロナビゲーターは、自動車の道案内に用いられる❝カーナビ❞のようなものです。 病変部と周辺組織の立体的位置を正確に表示してくれるため、手術の際にどこを切開しどのように進めば安全に病変部まで到達できるのか、といったことが一目瞭然です。その結果、神経や血管を傷つけることなく安全に病変部を取り除くことができるようになり脳腫瘍の治療で成果をあげています。画像支援ナビゲーション手術は、病変部を切除する精度を高めるだけでなく安全性の向上にも役立っています。
(当科で使用しているニューロナビゲーター)
(手術前)
(手術後)
以上が、当医療センター脳神経外科の紹介ですが、7名の脳神経外科医師でこれ以外の病気にも可能な限り対応していますので、何かありましたら外来を受診ください。
近年の低侵襲手術の発達に伴い、カテーテルを用いた脳血管内治療も劇的な進歩を遂げています。また、脳卒中治療についても、発症前から予防的に行う手術も増加しています。
この度、当医療センターにおいて緊急性を伴わない脳血管障害につきまして、脳血管内治療を含むあらゆる治療方針を患者さんに提案すべく専門外来を開設することとなりました。手術の適否関係なく、検査で異常を認めましたらお気軽に来院いただければと存じます。