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頭頸部ユニット


コンセプト・特色

コンセプト

耳鼻咽喉科医、放射線治療医、形成外科医、消化器内科医からなるチームで、頭蓋底から上縦郭まで、頭頸部に生じるあらゆるがんに対応します.

特色

迅速性を重視し、できる限り初診日に鼻咽喉頭内視鏡検査・組織生検までを行い、詳細な診察・画像評価の後カンファレンスを行い、治療方針を確定します.

外来担当医表については、こちらをご覧ください。耳鼻咽喉科放射線治療

対象疾患

対象疾患

  • 口腔がん
  • 咽頭がん
  • 喉頭がん
  • 唾液腺がん
  • 鼻・副鼻腔がん
  • 聴器がん
  • 甲状腺がん

詳細はこちら

治療の特色

頭頸部がんが疑われる患者さんは、まず、耳鼻咽喉科の頭頸部・甲状腺腫瘍外来(毎週金曜日)を受診ください(それ以外の曜日でも、受診いただけます)。

迅速性を重視し、できる限り初診日に鼻咽喉頭内視鏡検査、組織生検を行います。詳細な診察および画像評価後に頭頸部ユニットでカンファレンスを行い、治療方針を確定します。治療開始前にがんセンターの頭頸部ユニットで、複数の専門医による説明を同時に受けることも可能です。

外科治療

鏡視下経口手術

咽喉頭がんに対する鏡下経口手術は、患者さんの身体的負担が小さく、かつ、機能予後(音声、嚥下)も良好です。耳鼻咽喉科医と消化器内科医で咽喉頭がんスクリーニングを行い、病巣の検出から治療までを切れ目なく行います。当ユニットでは、E-TOS(1(先端可動型硬性鏡下経口的手術)とELPS(内視鏡的咽喉頭手術)の2種の鏡視下手術を採用しており、両者を単独あるいは併用することで、進行期も含めて多くの症例で鏡視下手術を施行しています。

頭蓋底・顔面深部の手術

特殊な方法を用いた手術が必要な副咽頭間隙や側頭下窩の腫瘍に対する手術も行っています。形成外科(再建外科)チームによる各種遊離皮弁再建を組み合わせることで、限界まで根治を目指します。一方、鼻腔がんや嗅神経芽細胞腫に対する低侵襲完全鼻内内視鏡下頭蓋底手術も行っており、治療の選択肢は豊富です。

放射線治療

放射線治療は、高度放射線治療センターで行います。放射線治療は、的確に放射線の照射位置を設定することと、治療をやりとげることが良好な経過につながります。患者さんの病状に合わせてきめ細やかに放射線の照射位置を設定します。同時に、不要な部位への照射を避けることで有害事象を軽減させるため、ほぼ全例で治療を完遂できます。
手術の後に放射線治療を使う方法と、手術をせずに放射線治療と化学療法だけで根治を目指す方法があります。それぞれ一長一短があり、病気によって適応が異なります。治療の有効性と患者さんの希望をふまえ十分に検討した上で、治療方法を決定しています。

薬物療法

近年、免疫療法を筆頭に効果のある薬物療法の選択肢が増加してきました。薬物療法センターを利用した外来通院治療により、がん治療と社会生活の両立が可能です。

高齢の患者さんへの治療

高齢で全身状態がすぐれず標準的な治療が難しい場合でも、栄養補助療法や手術の低侵襲化(段階手術や局所皮弁の使用)の工夫により、可能な限り根治性を保った治療を行います。入院治療においては、早期離床やリハビリテーションを行い、全身合併症の予防と早期の社会復帰を目指します。

根治治療が難しい病状への対応

根治が望めない病状であっても、緩和手術、緩和放射線治療、そして免疫療法など、治療の選択肢が増えています。生活の質の維持・向上に向けて、その時々の状況に応じた治療を提案します。