Japanese Red Cross Society
2025年4月1日
2025(令和7)年4月1日より、がんセンター長を拝命しました根來です。
がんの治療は、この数十年で飛躍的に進歩しましたが、そのぶん治療の選択肢が増え、その組み合わせなど複雑になりました。同時に、高齢化に伴い、がん以外の病気(糖尿病や、脳梗塞、腎臓機能障害など)を持つがん患者さんが増えました。また一方、がん以外の病気の検査で、がんが見つかることも増えています。
これまでは、東京など都市部の、いわゆる「がんセンター」は「がんの患者さんしか診ません。他の病気は近所の医療機関で」と割り切った治療を行っていました。ですが、最近では総合内科や循環器内科な「がんと関係が薄い」と言われていた診療科も抱えるようになりました。がんだけを診るがんセンターでは難しい時代になったのでしょう。
つまり、がん治療は、いまや総合病院の時代です。当医療センターは総合病院として、がん治療もがん以外の治療も、経験豊富な専門医が多数います。また、がん治療においては、大きな病院の方が治療成績が高いことも知られています。たまにがんを治療する病院よりも、大勢のがん患者さんを治療している病院の方が様々なノウハウを積み重ねているからでしょう。
当医療センターには、既に、質の高いがん治療に必要な人材も設備も医療機器もそろっていて、何より「患者さんへの思い」にあふれています。
では、「日赤がんセンター」の特長は何でしょう?
「がんセンター」という建物を建てようとしたわけではなく、質の高いがん診療を目指しました。
現代のがん治療はとにかく複雑で、数多くの医師が連携します。これが大変なのです。患者さん一人ひとりに対して、関係医師が集合して相談するのが理想ですが、それぞれに診察・手術などが重なって十分な時間が取れません。
そこで、当医療センターでは、臓器別にユニットというチームを組み、電子カルテを活用して、速やかに患者さんの情報を共有しています。この『ユニット診療』により、手術が良いのか、薬物療法と組み合わせるのか、放射線治療をいつ使うのか、ゲノム治療が向いているのかなど、初診時から複数の医師による検討が始まります。治療開始までがスピーディな上、それぞれの専門分野の医師が携わるため、より安全で高度な治療を提供できると考えています。
つまり、「日赤がんセンター」は総合病院の強みを生かし、「がん専門のがんセンター」に負けないがん治療を行います。「ユニット診療」は、その象徴と言えます。今後、「ユニット診療」以外にも様々な仕組みをさらに充実させ、「がんセンター」の機能向上を目指してまいります。
どうぞ、よろしくお願いします。
がんセンター長 兼 放射線治療科部長 根來 慶春