内視鏡的治療とは、お腹にメスを入れることなく、内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)を使って食道や胃、腸などの粘膜層にできた病変を切除する治療のことです。 内視鏡治療はお腹を切らずに局所のみ切除する方法なので、開腹手術と比べて身体への負担が少ない低侵襲治療により、傷が小さいので術後の回復も早いです。
日本人が、生命を落とす原因で最も多いのは“がん”です。さらに、日本人の罹患する“がん”で1番多いのは大腸がん、3番目が胃がんです(死亡の場合、一番多いのは肺がん、2番目に大腸がん、3番目に胃がんとなっています)。
“がん”で生命を落とさないために最も重要なことは、初期の“がん”を早く見つけること!です。そのためには、症状がなくても健診を受けることが大切です。加えて、飲酒やタバコを控えること、適正な体重を維持すること、適度な運動を心がけること、野菜を多く摂ること、などの生活習慣も大切です。
当医療センターでは、最新の内視鏡機器を用いて、診断・治療に当たっています。また、安楽に検査を受けていただけるよう鎮静剤や鎮痛剤を用いて、麻酔をしながら検査を受けていただくことも可能です。
【早期がんの内視鏡治療】
早期がんの内視鏡治療は、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を早期から導入し、積極的に実施しています。食道や胃や大腸を外科的手術で大きく切除することなく、内視鏡(胃カメラ、大腸カメラ)を用いてがんの部分を剥がしとります。
転移のない早期がんが適応となり、入院期間は約1週程度で、外科的手術で切除することに比べると短期間で済むことが多く、また、体の表面に手術の傷が残らないことが患者さんに喜ばれています。
また、外科手術と異なり消化管(例えば、胃など)を切除しないので、切除に伴う食事の不具合(例えば、胃を手術で大きく切除すると、胃の容積が小さくなるので、手術前のようにしっかり食べられるようになるまで日数がかかることもあります)が起こりにくい点も大きな長所です。
ただし、治療を行う部位や腫瘍の大きさによっては注意が必要なこともありますので、それぞれの患者さんの状況に応じて治療法を選択します。治療を担当する医師は、積極的に学会や研究会、セミナーなどに参加して知識と技術を向上させるよう自己研鑽に努めています。
内視鏡センターは7室の検査室を持ち、消化器内科により運営されています。午前中は、主に上部消化管内視鏡検査・処置、午後は下部消化管内視鏡検査・処置を実施しています。その他、RFA・肝生検などの超音波処置室としても運用しています。
ERCPや各種ドレナージなどの透視下の処置は2室あるTV室にて実施しています。緊急処置も含め、当内視鏡センターは24時間365日対応可能です。