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外科治療


外科治療とは

がんの3大治療は「手術(外科治療)」、「薬物療法」、「放射線治療」であり、当医療センターでは年間 1,100件を超えるがんの手術が行っています。

手術では、がんやがんのある臓器を切除するとともに多くの場合は、周囲のリンパ節も含めて切除します(リンパ節郭清)。がんが最初にできた所(原発巣)の近くにとどまっている場合は、手術でがんをすべて取り除くことによって、治る可能性が高くなります。がんが進行している場合には、手術の前後に薬物療法や放射線治療を組み合わせて治療を行ったり(集学的治療)、周囲の臓器に広がっている場合には、その臓器も合併切除することがあります。消化器や泌尿器、耳鼻科領域などの手術で、臓器を切除したことによって正常な機能が失われてしまう場合には、臓器同士をつなぎ合わせるなどの機能を回復させるための手術も同時に行います(再建手術)。


手術方法には以下のような種類があり、がんの種類や病気の進み具合などにより選択されます。

開腹手術、開胸手術などの従来手術

お腹や胸をメスで大きく開けて行う手術方法で、執刀医が手術する部位を直接目で見て確認をしながらがんを取り除きます。


創(傷口)は大きくなりますが、患部を広く見渡せるため、出血などがあってもすばやく対応することが可能です。


肝胆膵がんや頭頸部がん、乳がんなどでは標準的な手術方法です。



内視鏡手術(腹腔鏡手術、胸腔鏡手術)

1cm程度の小さな穴をいくつか開け、そこから腹腔鏡や胸腔鏡(カメラ)ならびに手術器具を挿入し、モニター画面を見ながら手術を行います。ハイビジョンの3Dカメラや出血させずに組織を切る手術器具など、近年の手術機器の進歩ならびに内視鏡手術手技の向上により、従来の開腹・開胸手術よりも優れた治療成績を示す領域も増えています。創が小さく、患者さんのからだに対する負担が少ないことから術後の回復も早くなります。ロボット支援手術とともに低侵襲手術とも呼ばれています。


ロボット支援手術

平成24(2012)年に前立腺全摘出術に対するロボット支援手術が保険診療として認められて以来、この手術は現在では広く普及しています。また、平成30(2018)年度の診療報酬改定により、泌尿器科領域に加えて消化管外科、産科婦人科、呼吸器外科領域における10件の手術術式が保険適用下で実施できるようになりました。

当医療センターでは最新型の手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入し、積極的にロボット支援手術を行っています。泌尿器科と消化器外科では学会が認定する指導医(ロボット支援手術プロクター)が各2名ずつ在籍しています。

ロボット支援手術は腹腔鏡手術と基本は同じで、お腹に小さな穴を開けてそこからカメラや手術器具がついたロボットアームを挿入します。このロボットアームにつけられた手術器具の先端には前後左右に540度動く小さな関節がついています。術者は「サージョンコンソール」とよばれる操縦席に座り、3D画像を見ながら手元のコントローラーでロボットアームを自由自在に操縦することができます。ダヴィンチXiには他にも色々な優れた機能が備わっており、従来の内視鏡手術に比べて、より緻密な手術操作を正確かつ安全に行なうことが可能となっています。

現在、胃がんにおいては、手術資格申請者見学指定施設(メンターサイト)に認定され、全国的にも指導的な役割を担っています。




詳細については、診療科・部門ページをご覧ください。

診療科・部門


最先端手術センター

最先端手術医療機器の配備、総合病院ならではの機能を向上させ、最先端のがん手術が実施できる環境を提供します。

バイオクリーン環境6室を含め21もの手術室を有し、画像情報と共有しながら手術できるナビゲーションシステム、ハイブリッドシステム、最先端の手術支援ロボットを導入しています。

手術室

全21室の中央手術室で、各領域のがん治療のエキスパートが治療にあたっています。


ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室では、循環器内科や心臓血管外科、整形外科、脳神経外科、呼吸器外科の手術を行っています。また、高度救命救急センターに搬送される重症の多発外傷に対しても、血管撮影装置を使った止血処置に続いて複数箇所の手術を速やかに実施しています。