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骨ユニット


コンセプト・特色

コンセプト

整形外科医、放射線治療医、放射線診断医、腫瘍内科医からなるチームで、あらゆるがんの骨転移の患者さんの治療方針を検討し、最終的な治療方針は患者さんと決定します。

特色

脊椎・四肢など骨に転移が生じると、痛みのために生活活動性の低下・がん治療の継続困難につながるため、痛みの緩和・活動性維持できるよう希望を伺って最適な治療を行います。

外来担当医表については、こちらをご覧ください。整形外科放射線治療

対象疾患

対象疾患

  • 骨転移

治療の特色

放射線診断

骨転移は全てのがん患者さんに起こりうる転移の1つです。骨転移そのものは、生命を脅かすものではありませんが、骨折や麻痺など日常生活に支障が出る可能性があります。骨ユニットでは、骨転移のあるがん患者さんに対して治療方法を検討し、必要に応じて手術や放射線治療を行い、主治医の診療をサポートします。

CT、MRI、骨シンチグラフィーといった画像診断機器を使用して早期の診断に努めています。PET-CTの導入も予定しており、より早期の診断が可能になると見込んでいます。
骨転移の有無といった診断のみならず、画像上で専門医の見解が必要と判断されると、すぐに整形外科あるいは放射線治療に連絡が入る体制を築いています。速やかな治療開始に向けて「風通しの良い」診療科間の連携を行っています。また、骨転移はあるが、原発(もともとのがん)が分からない場合も、整形外科医による画像診断が望ましい治療への第一歩となるべく原発診療ユニットへ協力していきます。

外科治療

手術が必要な場合には、整形外科医が手術を行います。手術は、不安定になった患部の安定化・神経を保護することで疼痛緩和・生活活動性の維持に努めます。脊椎手術では、術中神経モニタリング、術中ポータブルCT、ナビゲーションなどのコンピューター支援手術を全例に行っており、安全な手術の実施に努めています。2020年4月からCTが常設されたハイブリッド手術室が稼動しており、安全性がさらに向上しています。スクリュー挿入は、からだの負担が軽減するように心がけています。四肢骨転移の手術は、髄内釘、プレートなどの内固定材を用いた手術を行います。関節近傍の骨転移などには人工関節を挿入することもあります。緊急手術が必要な場合もスタッフ全員が協力し対応しています。手術後は、全身状態をみながら早期リハビリテーションを行い、日常生活の動作がスムーズに行えるように努めています。

手術適応とならない場合も、装具などを用いて患部の保護・疼痛緩和を行っています。

放射線治療

骨転移に対する放射線治療の意義は、疼痛緩和、骨折予防、神経症状の改善・予防など多岐にわたります。患者さんの状態に合わせて各科と相談しながら最適な照射方法、タイミングを相談します。照射自体は特に痛みを感じることはなく、治療の体勢を動かずに保てる方であれば、誰でも治療を受けられる点が特長です。痛みが強く安静を保てない場合は、ユニット内や紹介元の先生と密に連携し、まずは鎮痛剤での痛みの軽減をはかってから照射を検討します。

2020年4月に、5㎝以内の椎体転移、あるいはオリゴ転移(5個以内の転移)に対する定位放射線治療が保険診療の適用となりました。条件を満たす方には、より強力で精度の高い照射が可能です。
当医療センターでは、「高精度な放射線治療」を実施しています。スタッフも日々新しい情報を学んでおり、最善の照射法を常に検討します。

その他

必要に応じ、上記のような手術・放射線治療を組み合わせます。また、骨修飾薬などの薬物治療も原発診療科と相談しながら行っています。