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小児ユニット


コンセプト・特色

コンセプト

「小児がん」とは、18歳未満の小児に発症する悪性疾患で、白血病や悪性リンパ腫に加えて脳腫瘍を含めた固形腫瘍全般を含みます。小児科を中心として、腫瘍の部位や性質に応じて小児外科、放射線治療科などと連携しながら標準的な治療を提供します。

特色

小児がんはいずれも希少疾患で、成人のがんとは性質も治療方法も大きく異なります。画像診断、骨髄検査など適切な検査を行って早期診断に努め、京都大学医学部付属病院など他院とも連携して最適な治療を提供します。

外来担当医表については、小児科をご覧ください。

対象疾患

対象疾患

  • 白血病
  • リンパ腫
  • 脳腫瘍
  • 神経芽腫
  • その他の固形腫瘍

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治療の特色

小児ユニットは、本館3階の小児科外来内で毎週火曜日の午後診察をしています。小児がんが疑われる場合は、まずは小児科を受診ください。画像診断、骨髄検査など適切な検査を行い、迅速な診断に努めます。

血液腫瘍疾患

白血病、リンパ腫などの血液腫瘍疾患については、JCCG(日本小児がん研究グループ)による疾患別の治療研究に参加し、全国統一プロトコール(定められている治療計画)に従った標準的な薬物療法を実施しています。

固形腫瘍疾患

神経芽腫や肝芽腫、腎芽腫、横紋筋肉腫などの固形腫瘍については、腫瘍のできる場所や性質に応じて小児外科や部位に応じた外科系の診療科、放射線診断科、病理診断科とも連携し、画像診断や生検により迅速な診断に努めています。治療については、JCCG(日本小児がん研究グループ)の疾患別に決められたさまざまな臨床研究に参加し、薬物療法、手術療法、放射線療法、自家末梢血幹細胞移植を組み合わせた標準的な治療を提供しています。

小児外科の役割

小児がんの治療には、抗がん剤を安定して投与できるルート作成が不可欠です。小児の患者さんができるだけ身体の動きを制限しなくてもいいように注意しながら長期留置型中心静脈カテーテルを造設(留置)します。また、固形腫瘍に対しては、成人のがんとは全く異なる外科的治療戦略が必要です。小児がんを熟知した小児外科医が診断や治療効果判定のための腫瘍生検術および根治を目指した腫瘍摘出術を行います。

治療方針について

小児がんは、発症頻度が非常に少ない一方で、疾患が多岐にわたるため、いずれも希少疾患で、疾患によって治療方針は大きく異なります。治療方針については、京都大学小児科血液腫瘍グループと定期的にカンファレンスを開催し、診断や治療が困難な例については、随時、京都大学小児科と相談して治療方針を検討しています。造血幹細胞移植が必要な場合は、京都大学など他院とも連携して最適な治療の提供に努めています。

また、京都大学病院と連携した遺伝子パネル検査も施行し、適切な治療へつなげられるよう努めます。

治療終了後のケア

小児の悪性腫瘍は、成人と比べて治療予後が良好な場合が多い一方で、小児期に受けた強い薬物療法や放射線療法の影響が、様々な形で後になってあらわれる晩期合併症が散見されます。治療終了後も、長期にわたってフォローアップ外来で検診を続け、成人になっても不調のある場合は、成人診療科に治療の継続を依頼しています。

心理面のケア

小児がん患者さんやご家族の心理面のケアに関しては、公認心理士が相談に応じています。入院中の患児の日常的なケアについては、病棟保育士とも協力してQOL(生活の質)の改善をはかっています。

希少疾患である小児がんの患者さんや家族同士の交流を深めるため、年1回「小児がん生存者の会」という交流会を開いています。