日赤和歌山医療センターの医師が健康や病気についての情報をお届けするコーナーです。専門医がさまざまなテーマを解説します。みなさんの健康保持にお役立ていただければ幸いです。

感染を予防するための行動 No.2

2020/06/22

新型コロナウイルス感染症の流行拡大防止のため発出されていた緊急事態宣言も解除されました。社会活動の再開に伴って、感染が再び拡大して第二波が来るのではないかと懸念されています。もし、流行が拡大してもできるだけ小さくするように、生活様式や行動を変えていかなくてならないと言われています。しかし、どんなことをどのくらいしたら良いのか、医療の知見を交え紹介します。

 

おさらいになりますが、新型コロナウイルス感染症は、「飛沫感染」「接触感染」で感染が広がります。「飛沫感染」は、ウイルスや細菌を持った人が咳やくしゃみをしたときに飛び散るしぶきを吸い込んだり、鼻や目の粘膜に付着して感染します。「接触感染」は、ウイルスが付いたドアノブなどに触れた手で、口や目などを触って粘膜に入り感染することです。

通学や通勤など社会生活が戻って活動範囲が広がっても、感染の予防行動を怠らず継続していきたいですね。

 

 

予防方法① 手洗いの励行

もっとも身近で効果のある予防方法は、やはり手洗いです。感染者数の多い地域だけでなく、全国どこでも手洗いを励行いただきたいです。

 

 

必ず手洗いしていただきたいタイミングは、①食事や間食など食べる前、②外出先から帰宅したとき、③トイレの後、④歯磨きの前、⑤咳・くしゃみ・鼻をかんだ後です。手洗いできない場合、手軽に手洗い効果を得たい場合は、濃度が60%以上のアルコール消毒液が有効です。ただし、消毒用アルコールや酒造メーカーによる高濃度アルコールは引火する危険性が高いため、火の近くで使ったり、アルコールを手につけた直後にタバコに火をつけたりしないように注意しましょう。

 

プラスチック(ゴム)手袋をしている人も見かけます。手袋は手洗いの代用にならないと言われています。手袋をはずした後は必ず手を洗い、手袋にはウイルスが付着していると見なしてゴミに捨てましょう。

 

予防方法② マスクの着用と注意点

 

マスクは、風邪などにかかっている人が咳やくしゃみをしたときに周囲に感染させない「咳エチケット」以外に、会話中の唾の飛散を避けるためにも、人と接する場合はマスクを着用しましょう。マスクを着用していない場合は手が届くくらい近い距離で長い時間会話したり、飲食したりすることは控えるように心がけましょう。

マスクは、着用したから感染しないわけではありません。マスクをしていても接触する時間をできるだけ短くしたり、距離をあけるようにする必要があります。公共交通機関に乗車している間や、商業施設のエレベーター・エスカレーターなど密閉・密接になる空間では、飛沫を少なくするために会話を控えた方がよいですね。

 

マスクは、鼻と口の粘膜をウイルスから守るために着けます。鼻の孔の上からあごまで覆うように着け、隙間をなくすよう肌に密着させましょう。鏡の前で行うと正しく着けられているか確認できます。夏場はマスクの内側が蒸れて痒みがでたり、暑さを強く感じるようになります。こまめに汗を拭いたり、水分を摂って熱中症を予防しましょう。

屋外ではマスクを着用しなくてもよいと言われていますが、マスクは携帯し、人が大勢いる空間に入ったり、散歩の途中で人と出会って話し込むような場合などは速やかに着けましょう。

 

予防方法③ 毎日、体温を測る

新型コロナウイルス感染症にかかった和歌山県内の患者さんの症状の分析が進められており、一番多い症状は発熱でした。普段から体温を測る習慣をつけておくと、自分の平熱や体調変化による体温変化を知っておけます。新型コロナウイルス感染症だけでなく、あらゆる病気でいつから発熱があったのかを医師に伝えられると診断や治療がスムーズになりますので、ぜひ体温を測り、記録しておくようにしていただきたいですね。

 

 

予防方法④ 出かける機会や時間帯、人数を考える

「不要不急」という言葉が浸透しましたが、ある程度の外出自粛は生活全般で継続いただきたいです。新型コロナウイルスは、発熱などの症状がでる2日前からウイルスが排出され、周囲に感染させるとの報告があります。感染する、感染させる機会を減らすために、外出や人との接触の必要性を見直してみてください。外出が必要な場合も、混雑する時間を避けたり、移動手段を変更する、最小限の人数に限定するなど個々の接触の機会を減らすことで、感染が広がった場合も規模を小さく留められます。

 

 

予防方法⑤ こまめに換気しましょう

 

これまでの集団感染で共通する要因は、①換気の悪い密閉空間に、②多くの人が密集し、③互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度)での会話や発声が行われたという3つの条件が同時に重なった場合が多いです。職場や学校などでは、1つの部屋に入る人数を減らしたり、人と人の距離を保った上で、こまめに換気を行いましょう。

家庭用のエアコンの場合は空気を循環させるだけのものが多いため、エアコンをかけていても窓をあけたり換気扇を回したり、こまめに換気しましょう。

 

 

予防方法⑥ 掃除のときは

 

複数の人が触れるドアノブや手すり、リモコンなどには、ウイルスが付着しやすい場所として、消毒用アルコールや薄めた塩素系漂白剤で拭くことを習慣化しましょう。

唾液や排泄物からもウイルスが検出されていますので、洗面台やトイレなどもこまめに掃除し、洗剤で掃除した後、0.05%程度に薄めた塩素系漂白剤で仕上げ掃除をするとウイルスを死滅させる効果が高くなります。ただし、塩素系漂白剤は酸と反応して人体に有害なガスを発生させる、触ると皮膚がぬるぬるして火傷のような状態になる、錆の原因になるなどの影響があるため、必ず薄めて使い、使用した後は必ず水で流すか、水拭きしましょう。

 

予防方法⑦ 食事は対面せず、距離をとって

 

複数の人が直箸で大皿や鍋から取り分けて食べずに、個別に盛り付けたり、バイキング料理を避けるように言われています。さらに、会話時の唾が飛散してテーブル上の料理に降りそそぎ、それを食べることにより感染する可能性も指摘されています。できるだけ向き合わず、間隔をあけて横並びで食べるようにしましょう。

新型コロナウイルスは、熱に弱く70℃以上で一定時間加熱すると死滅します。冷凍してもウイルスは生存していることが分かっているため、食材を適切に加熱したり、生食する野菜や果物は、流水で十分に洗浄して食べるようにしましょう。

 

 

新型コロナウイルス感染症は、現在までの感染の広がり方を見る限り、人の行動の活発化に比例して流行が拡大したり、収束したりします。ご自分の居住地で感染者がいない場合は、比較的行動範囲を広げられますが、感染者が身近にいる流行期になると、手洗いやマスクの徹底、外出範囲や頻度の見直しなどが必要になってきます。完全な終息までは年単位の長期戦になることが予測されるので、居住地や出かける先の感染流行の情報を把握できるようにニュースや自治体のホームページなどを確認することも習慣づけていただきたいですね。

 

適切な予防方法や感染拡大防止方法を知り、感染しないための行動を根気よく実施しましょう。自身の健康状態を良好に保つために、①適度な運動、②バランスの良い食事、③十分な睡眠、④一人でも楽しめる趣味でのストレス発散、⑤笑顔であいさつしたり、オンラインツールを使って人間関係を保つように心がけるなど、気持ちを明るくする行動も、引き続き行っていただきたいですね。

 

感染を予防するための行動は、こちらから

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日赤和歌山医療センターHP

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