筋力をアップしたい、肩や腰の痛みを軽減したい、身体の柔軟性を保ちたい・・・運動機能を維持・向上させ、いつまでも健康な身体でいられる運動やコツをご紹介します。

よい姿勢とは?

2022/08/16

これまで、「姿勢が悪い」と指摘されたことはありませんか?

 

多くの人は、「悪い姿勢=猫背」と思い、そのたびに「胸を張ったり」「背筋を伸ばしたり」した経験があると思います。

 

しかし、背筋を伸ばそうとして腰を反らしすぎて、お腹を前に突き出した姿勢になっている人を多く見かけます。このような姿勢は、良い姿勢とは言えず、逆に体に負担がかかってしまいます。

 

では、「良い姿勢」とは、いったいどんな状態を指すのか? 

今回は、立った姿勢を横から見たときの「良い姿勢」について説明します。

 

 

「良い姿勢」とは、「耳・肩・腰・膝・くるぶし」が一直線になる状態を言います。

 

スマホやパソコンを操作する際に、頭が前に出てしまっていたり、仕事・家事などで前かがみになる時間が続いたり、あるいは赤ちゃんを長時間抱っこするなど、重いものを持つときに腰を反ってしまったりしている人が増えています。

 

このように、生活習慣や環境に合わせた姿勢を取り続けると、筋肉のバランスが徐々に悪くなっていきます。筋肉のバランスが崩れると、肩こりや腰痛を引き起こしたり、場合によっては、すぐに転倒するようになる危険性もあります。

 

良くない姿勢を取り続けると、骨を変形させ、それが固定されて元に戻らなくなってしまう可能性まであります。骨が変形してしまう前に、姿勢を改善するよう、普段から自分の姿勢を意識することが大切です。

 

良い姿勢を保てると、肩こりや腰痛などの予防にもなり、高齢になっても、自分で動ける期間が長く続くので、生活の質を維持させることにつながります。

 

実際に自分がとっている姿勢は、自分が思っている姿勢と異なっていることが多いものです。まずは、自分の姿勢がどうなのかを知ることが重要です。

 

では、「良い姿勢」のチェック方法と、改善のための運動を紹介します。

 

セルフチェックのポイント

両足を肩幅に開いて、かかとを壁につけて立ちます。後頭部、胸の後ろ、お尻が壁について、腰の後ろに手のひらが入る程度の隙間が空いていればOKです。壁から離れている部分がないか、確認してください。

 

 

● 頭が前に出ていて、後頭部が壁から離れている場合

壁を背に立ち、頭が壁に着くように上を向く。そのまま頭が離れないようにアゴを引きながら、頭を壁に押しつける(1回5〜10秒を目安に、3~5回繰り返す)。

 

● 頭と胸の後ろの両方が壁から離れている場合(前かがみ)

頭を壁に押し当て、お腹が前に出ないように腹筋を意識しながら、胸の後ろも壁に着くように押し当てる(1回5〜10秒を目安に、3~5回繰り返す)。

 

● 腰が大きく壁から離れている場合(反り腰)

ゆっくりと息を吐きながら、お腹を凹ませ、壁と腰の間に手のひらが入る程度まで腰を壁に押し当てる。このとき、後頭部・胸の後ろが壁から離れないよう注意する。腰と壁の間にたたんだタオルを入れて、それを押しつぶすようにすると分かりやすい。立って行うのが難しい場合は、上向きに寝て行っても構いません(5〜10秒を目安に、3~5回繰り返す)。

 

痛みやしびれが出たときは、それ以上続けないようにしてください。痛みが強い場合は、整形外科等への受診が必要な場合もあります。

 

急に、良い姿勢に変えることは難しいですが、毎日意識し、運動を続けることで、少しずつ良い姿勢に近づけることができます。無理のない範囲で行ってみてください。

 

文・・・日本赤十字社和歌山医療センター リハビリテーション科部

 

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