日赤和歌山医療センターの医師が健康や病気についての情報をお届けするコーナーです。専門医がさまざまなテーマを解説します。みなさんの健康保持にお役立ていただければ幸いです。

冬の感染症② インフルエンザかもと思ったら、どうする?

2020/01/29

前回の記事では、インフルエンザと風邪の違いは医療従事者でも見極めが非常に難しいということをお話しました。とても症状が似通っていること、インフルエンザの症状は個人差があることなどが理由です。

 

では、喉が痛い、熱が出たといった症状が出たとき、わたしたちはどうすればよいのでしょうか?

 

自宅で安静にするのか、病院へ行ったほうが良いのか…。

 

今回は、「インフルエンザかもしれない…」と感じたときの医療機関へのかかり方について、古宮 伸洋 感染症内科部副部長に聞きました。

 

 

インフルエンザかもしれない = 受診しなければならない、ではない

かぜ症候群の症状が出たとき、どのタイミングで医療機関を受診するのかということですが、基本的には慌てて受診しなくても大丈夫です。

 

 

インフルエンザという感染症は、緊急性という意味ではそれほど高くない病気です。元気な方が、「風邪かな?それともインフルエンザかな?」と悩むくらいであれば、そのままご自宅で様子を見ていただいて大丈夫です。インフルエンザは大変辛い病気ではありますが、体力のある健康な方であれば治療せずともよくなる病気です。

 

ただ、心臓が悪い、肺が悪い、腎臓が悪いなど、もともと持病をお持ちの方はインフルエンザ感染をきっかけに持病が悪化する可能性があります。できるだけ早く医療機関にかかっていただければと思います。

 

 

インフルエンザでも薬を飲まなくていい?

受診して検査の結果、インフルエンザと判明すると薬が出ることがほとんどだと思いますが、これも実は難しい部分なのです。意見が専門家の中でも大きく分かれています。

 

例えば、海外のガイドライン(診療指針)では、健康な方は薬を飲まなくてよいとされています。国内でも意見が分かれていて、早くインフルエンザにかかった人は、必ず薬を飲むべきだと言われる先生もいれば、健康なら薬を飲まずに様子を見たほうがいいと主張する先生もいます。

 

これだけ患者さんが多く、冬の感染症の中で代表的な病気であるインフルエンザですが、どの人に治療をすべきなのかといったこともまだ十分にわかっていない段階なのです。どういった体調や症状の人にお薬を投与するべきなのか、また、タイミングに関しても議論があります。

 

 

薬を飲むのであれば、2日以内に飲む必要があるとされています。薬を飲んで早く治療しなければ、周りの人に伝染ってしまうとの心配もあると思いますが、実は薬を飲むことで周りの人への感染を防げるかどうか、はっきりわかっていません。今、確認されている薬の効果は、「早く飲めば、早く熱が下がる」ということだけ。ご自身の体調が楽にはなりますので、受診されるのであれば、早めに病院へ。ただし、夜間に救急受診する必要はありません。

 

治療薬は複数種類あり、新しいタイプの薬も発売されていますが、どのタイプの薬を飲めばいいかは人によって異なります。どのタイプの薬を飲めばよいかは相談して決めていきます。

 

 

医療機関へ行く場合のマナー

 

現時点で喉が痛くて熱が出ているから、医療機関へ受診に行こうと思ったとします。実は、まだ症状が出ていなかった昨日から、ウイルスが喉から周囲に飛び散り始めているんです。そのため、咳、鼻水などの症状があり、風邪かインフルエンザかどちらかにはかかっているだろうと思われる方は、できれば、しっかりとマスクを付けて、病院に来ていただきたいと思います。

 

マスクはご自身の体調悪化を防ぐというよりも、周りに唾液を飛び散らせないためです。医療機関には、さまざまな病気を持った方がいます。その中には持病を持った方も大変多くいます。ウイルスが飛び散り始めている段階で病院へ来ることで、感染を広げてしまう可能性があるのです。

 

厚生労働省もそのようにPRしています。症状に自覚がある方は、咳によって周りに唾液を飛び散らせない工夫をしていただく必要があります。それは本当に重要で、当センターではインフルエンザの流行期間中のお見舞いをできるだけ控えるよう、お願いしています。

 

 

もちろん、お見舞いに来ていただくことは、患者さんにもご家族にも非常に大事なことですが、それ以上にインフルエンザを持ち込まないようお願いしています。インフルエンザは、咳や鼻水、発熱などの症状がでる前から周囲にウイルスが排出され、感染させる恐れがあり、免疫が弱った方には、命取りになる場合もあるほど危険だからです。

 

マスクにも非常に高性能なマスクから、コンビニなどで買えるようなマスクまで幅広くありますが、手軽に買える一般的なマスクで十二分に効果があります。完全に感染を防ぐというのは難しいですが、できるだけ感染する人を減らすということを皆さんも意識していただければ有り難いです。

 

では、インフルエンザにならないために、どのような予防をすればよいのか、予防接種は効果があるのかについて、次回(2月12日公開予定)、詳しくお話していきます。

 

 

Medeical Information すこやかな毎日のために」では、健康に生活するために、お役に立てそうな情報を、随時 発信していきます。お楽しみに!

 

 

 

 

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日赤和歌山医療センターHP

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