日赤和歌山医療センターの医師が健康や病気についての情報をお届けするコーナーです。専門医がさまざまなテーマを解説します。みなさんの健康保持にお役立ていただければ幸いです。

健康で長生きするために 〜フレイルの予防② 生活習慣病を予防する〜

2020/01/09

前回の「健康で長生きするために〜フレイルの予防① 運動とお肉〜」では、健康寿命を長くするため、運動と食事に気をつけることが大切とお話ししました。体力を維持するために、この2つへの意識は欠かせません。

 

フレイルの予防①に続き、生活習慣病やフレイルに詳しい 井上 元 糖尿病・内分泌内科部長に聞いていきます。

 

 

結局のところ、介護を必要とせず自分の力で長く暮らしていくには、体の機能が年齢とともに衰えていくのをいかに防いでいくかということです。運動と食事が基本中の基本であるのは、この点に気をつけることで高血圧や糖尿病など生活習慣病を防ぐ、もしくは進行を遅らせることにもつながるからです。

 

 

体は「ちょうどいい状態」を保つこと

適切な運動と適切な食事で、高血圧や糖尿病、肺や腎臓、心臓の病気をできるだけ防いでいくこと。これはフレイルの予防だけでなく、大きな病気を引き起こさないためにも大切なことです。また、好きなもの、おいしいものだけ食べていては、体は弱っていきます。果物・スイーツ・スナック類ばかりといった偏食や、油や砂糖の多い食事は本当によくありません。自分の体が保てなくなります。

 

 

 

そして、健康診断などで異常な数値が出たら、すぐに治療していきましょう。

異常な数値が出るのは、どこかがおかしくなっているサインで、健康な自分の体が保てていないということです。それを放置すると、どんどん悪くなる一方です。多くの病気で、早期の段階では痛い、しんどいといった自覚症状はでてきません。症状がないからと放置してしまった結果、中年・壮年でも介護生活が始まってしまう方は多くいます。

 

 

フレイルと糖尿病

症状はないけれど血糖値が高いという状態で、糖尿病と診断されたにも関わらず、「特に痛みや変わったこともないので大丈夫だろう」と適切な治療を受けずに放置していたとします。血糖が高い状態がずっと続いているわけですから、体中の血管はボロボロになっていきます。年数が経てば、体は虚弱となり、若くてもフレイルとなります。

 

糖尿病の人は、認知症になりやすいといわれています。認知症も進行して徘徊が始まるなどすれば、介護生活の始まりです。つまり、糖尿病も介護生活への入口なのです。バランスの良い食事、自分の体にちょうどいい量と栄養を保っていきましょう。

 

いちばん老化を早めるのは、糖尿病とタバコです。体が崩れていく原因になりますので、糖尿病と診断されたら悪化しないよう治療をする。タバコはやめる。電子タバコや加熱式タバコも有害であることが分かっているので、やめた方がいいですね。そうやって未然に体が弱っていくのを防げればよいのです。それがなかなかできないのは私も分かっています。それでも、そういう健康的な生活を送ってもらいたいのです。

 

 

フレイルと高血圧

若くて血圧が160、180と高い人は、だいたい暴飲暴食です。

よく食べて、体重も増えてしまっています。

 

病院で「降圧剤を飲み始めましょうか」といわれても、「まだ若いから、薬ではなく、生活習慣を見直して改善していきたい」という方が多いです。しかし、医療現場を見ている私から言わせていただくと、なかなか直せない人が多いですね。そういう人がなぜフレイルか? それは、ずっと血圧が高いままでいると、脳出血を起こす人が多いからです。脳出血は後遺症が残ることが多いですから、もう介護が始まる前段階といえます。

「血圧が高い人なんて、たくさんいるから大丈夫」と放置してしまう。これは本当に健康な生活を脅かします。異常は放っておかないこと。早期に治療を受ければ、病気による体の衰えも最低限で済みます。

 

 

フレイルとコレステロール

コレステロール値が高いと、体の血管の中に粥状(じゅくじょう)硬化という塊ができます。いわゆる動脈硬化です。これを放置すると破裂し、心筋梗塞を引き起こします。心筋梗塞にならなくとも、心臓が弱れば安静状態となり、運動機能を一気に弱らせてしまいます。

 

 

コレステロール値が高いといわれたら、放置せず検査をすること。塊があるかどうか調べてもらい、自分の体に気を配っていかなければなりません。

 

このような生活習慣病は自覚がないことも多く、放置しがちです。また、介護生活などずっと先のことと思っている若者も、生活習慣病を多く発症しています。それが自分の体を蝕んで弱らせていること、そして介護生活も近づいてきていることを自覚し、適切な治療を受けていかなければならないのです。

 

生活習慣病だけでなく、がんなどその他の病気も同じです。

早期発見できれば、治療も体への影響も最低限で済みます。健康診断、そして市町村から検診の案内が来たら、きちんと受けましょう。

 

さて次の回では、健康と心の関係についてお話ししていきます。

 

 

Medeical Information すこやかな毎日のために」では、健康に生活するために、お役に立てそうな情報を、随時 発信していきます。お楽しみに!

 

 

 

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