生まれる、成長する、学ぶ、悩む、暮らす、産む、寄り添う、過ごす、老いる…。 どんなときも 自分らしく、そして 健康に生活するために、産婦人科医から 身体のこと、体調のこと、病気のこと、予防や対策などをお伝えします。

女性のライフステージと体の悩み

2024/07/23

思春期から老年期まで全ての女性へ向けて、産婦人科医で女性ヘルスケア専門医の山西恵医師が、女性特有のからだの不調や病気のことを解説します。

毎日の生活をもっと元気に、豊かに! 一緒に学んでいきましょう。

 

 

第6回では、女性ホルモンの分泌量によって女性のライフステージが4つのステージに分かれることと、それぞれのステージの特性について解説しました。

 

 

今回は、そのステージごとによくある健康の悩みや起こりやすい体調不良についてお伝えします。ただ、記事内で触れているのは代表的ではあるものの、限られた内容であり、これだけしかないということではありません。

 

一人ひとり体調の感じ方も違いますので、まずは、皆さんが生活する中で、何となく感じる不調があれば「いつものこと」「仕方がない」と思わず、「女性ホルモンによる不調かも?」と一度立ち止まって、ご自身の体のことを考えていただきたいです。

病気の発見や未来の病気の予防につながるかもしれません。

 

 

① 思春期(10歳〜18歳ごろ)

思春期によくある健康の悩み

  • 月経が来ない
  • 月経が早くに始まった
  • 月経周期が安定しない
  • 月経痛がひどくて、学校を休んでしまう
  • スポーツをしているけど、大会や試合が月経の時期と重なるので困っている
  • おりものが多い など

 

思春期に起こりうる病気

  • 月経前症候群(PMS)
  • 原発性無月経、続発性無月経
  • 月経困難症
  • 性感染症 など

 

 

思春期には、月経が始まります。月経にまつわる不調が出てきたり、それに伴って婦人科系の病気がわかることもあります。

 

思春期は、将来の妊娠出産に向けて準備が整っていく時期です。この時期にしっかり健康管理を行うことが、将来の健康にもつながります。「妊娠出産は遠い将来の話、すぐに妊娠する予定がないから大丈夫」ではなく、若い頃から健康管理をしていきましょう。体調の変化があれば、病院受診を検討してみてください。

 

 

②性成熟期(18歳〜45歳ごろ)

性成熟期によくある健康の悩み

  • 月経痛がひどくて、日常生活や社会生活に支障を来す
  • 月経量が多い
  • 不正出血がある
  • おりものが多い
  • 月経をずらしたい
  • 妊娠したいけど、なかなかできない など

 

性成熟期に起こりうる病気

  • 月経前症候群(PMS)
  • 月経困難症
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 子宮腺筋症
  • 性感染症 など

 

現代社会では、性成熟期に女性が生涯で経験する月経回数が非常に多くなっています。月経回数が増えることで誘発されやすくなる病気もありますし、子宮の病気もあらわれやすい時期です。不調のサインが出たら、早めの受診が安心です。

 

 

女性が子供を産む回数は、昔に比べて減ってきており、その分、女性が生涯で経験する月経回数が多くなってきています。月経回数が増えることで、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患が増えてきていると言われています。

 

月経痛の感じ方や月経量は個人差があり、人と比べられないため、症状があっても気づかないことがあります。「以前に比べて月経痛が強くなってきている」とか「以前に比べて月経量が増えた」などは、体のサインかもしれません。「以前と比べて」症状が出てきているのであれば、それは病気が隠れている可能性がありますので、産婦人科を受診しましょう。

 

 

③更年期(45歳〜55歳ごろ)

更年期によくある健康の悩み

  • のぼせやほてりがある
  • 突然汗をかいて止められない
  • 肩こりや関節痛がある
  • 疲れやすくなった
  • 眠れない
  • いらいらする
  • 気分が沈む など

 

更年期に起こりうる病気

  • 更年期症状、更年期障害
  • 生活習慣病
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 子宮腺筋症
  • 性感染症 など

 

 

女性ホルモンが低下するため、心身ともにさまざまな不調が現れやすい時期です。

食事は栄養バランスに気をつけ、睡眠を十分にとって規則正しい生活を心がけ、適度な運動をしましょう。生活習慣を見直すことで症状が軽くなることがあります。

 

更年期症状には個人差があり、ほとんど症状を感じない人もいますが、症状が強くて普段通りの生活を送れない人もいます。日常生活に支障を来すようであれば、漢方やホルモン補充療法などの選択肢がありますので、一度産婦人科でご相談ください。

 

 

④老年期(55歳ごろ〜)

老年期によくある健康の悩み

  • 頻尿になった
  • 膀胱炎を繰り返す
  • くしゃみをした時に尿が漏れる
  • 陰部がかゆい
  • 性交時痛がある
  • 不正出血がある  など

 

老年期に起こりうる病気

  • 排尿障害
  • 萎縮性腟炎
  • 子宮脱
  • 排尿障害
  • 骨粗しょう症 など

 

平均寿命が延びて女性が長寿になっている現代では、老年期を長く過ごす人が増えています。長い老年期を健康に過ごすためにも、定期的に婦人科検診を受けることが大切です。産婦人科受診に抵抗がある人も多いと思いますが、何か症状があれば、お気軽にご相談ください。

 

 

体調の変化があっても、病院を受診するには勇気がいることだと思います。「今までと違ってしんどくなってきた」や「日常生活に支障を来す」は、体のSOSの場合があります。必ずしも治療が必要な病気が隠れているとは限りませんが、自分の生活を見つめなおす良いきけっかけになるかも知れません。

 

忙しい生活の中でも、自分の体に耳を傾けてみましょう。

些細なことでも構いません。気軽にご相談ください。

 

山西 恵(やまにし めぐみ)

日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。

学生時代はバレーボールを楽しみましたが、現在は育児と肩の痛みで鑑賞専門です。健康管理の大切さを身に沁みて実感しているため、いつかバレーボールを思い切りプレーできる日を夢見て、体力づくりをしていきたいです。

悩める患者さんやご家族のご希望に寄り添った診療を心がけています。すこやかな日常が送れるようサポートしていきたいと考えています。気軽にご相談ください。

 

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