『終末期だけでない緩和ケア!』当医療センターで行っている早期からの緩和ケアについて、様々な職種の関わりをご紹介します。

緩和ケア入院って?

2025/05/14

緩和ケアを知ると、入院中でも、病気を抱えながらの生活においても、痛みやつらさが和らいだ状態で過ごしていただけるはず・・・。当医療センターで行われている緩和ケアをご紹介する、こちらの連載。

 

今回は、緩和ケア病棟での入院について、ご説明します。

 

まず、緩和ケア病棟は、最期の場所、看取りのためだけの場所ではありません。

 

 

当医療センターの緩和ケア病棟では、残念ながらお亡くなりになる患者さんもおられますが、痛みなどを取り除くケアを受けて、自宅や介護施設に戻られる患者さんも多く、4~5人に1人おられます。

 

2023(令和5)年の緩和ケア病棟の平均入在院日数は約20日で、何ヵ月も入院されている訳ではありません。早く痛みなどの苦痛が和らいだり、リハビリが進んで日常生活が送れるようになれば、2~3週間程度で退院される場合もあります。

 

また、抗がん治療をしていても、がんそのものによる苦痛を緩和するために一時的に緩和ケア病棟に入院し、体力や気力を取り戻して、再度がん治療を継続される患者さんもいます。

 

ただし、緩和ケア病棟の入棟基準に満たない場合はご遠慮いただくこともありますので、詳しくは、当医療センターホームページ「がんセンター」に、「緩和ケア」というページがありますので、こちらの「緩和ケア病棟ひなげし」「入棟・退棟について」「入棟までの流れ」をご覧ください。

 

「緩和ケアのページ」はこちらから 

 

緩和ケア病棟では、患者さんの苦痛を全人的な苦痛として理解します。

痛み1つにしても、その人の心理的な状態や社会的な背景によって感じ方はさまざまです。また、患者さんによっては、「なぜ、自分だけがこんなに痛い思いをするのか・・」という思いや、痛みにより今までとは違う生活を強いられ、「何のために生きているのか?」と苦悩することもあります。

 

 

痛みという身体的な側面だけでなく、多職種でその人全体に働きかけて苦痛を和らげるように努めています。例えば、医師による鎮痛薬の処方だけでなく、臨床心理士(公認心理師)による気持ちのつらさへの関わりや、理学療法士とともに、痛みがありながらも少しでも自分でできることを継続していけるようにリハビリ訓練するなどが挙げられます。そのような関わりを通して、痛みそのものだけでなく全人的な苦痛が和らぐことで、QOL(生活の質)が改善し、穏やかに過ごせることを目標にしています。

 

多くの患者さんやご家族とお話すると、ホスピス(人生の終末期の苦痛を和らげ、やすらかに過ごす施設)のように、緩和ケア病棟は最期の最期に入院する場所という認識がまだまだ強いように思います。

 

当医療センターの緩和ケア病棟はそうでなく、積極的な抗がん治療をしておらず、緩和すべき何らかの心身の苦痛を抱えていれば、入院することは可能です。

少し早く、治療の段階から、緩和ケア病棟への入院をご検討いただきたいと思っています。

 

 

入院で苦痛が和らげば、患者さんやご家族の意向を確認し、住み慣れたご自宅と緩和ケア病棟を行き来できるように地域の医療機関と連携をとり、患者さんの生活の場を“点”ではなく“線”で支えていきます。

 

次回は、がん治療や緩和ケアで使うくすりについて、ご紹介します。

 

桒原 宏貴(くわばら ひろき)

緩和ケア病棟看護師長、がん看護専門看護師。

好きなことは、サウナとキャンプ。サウナで整って、ビールを飲むのが至福の時間です。

緩和ケア病棟では、患者さんやご家族が笑顔を取り戻し、小さなことにも喜びを感じて、「ここに来てよかった」と思っていただける関わりができるよう、日々、努めています。

詳しくはこちら

日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

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