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生まれる、成長する、学ぶ、悩む、暮らす、産む、寄り添う、過ごす、老いる…。 どんなときも 自分らしく、そして 健康に生活するために、産婦人科医から 身体のこと、体調のこと、病気のこと、予防や対策などをお伝えします。
2024/05/21
思春期から老年期まで全ての女性へ向けて、産婦人科医で女性ヘルスケア専門医の山西恵医師に、女性特有のからだの不調や病気のことを伺います。
毎日の生活をもっと元気に、豊かに! 一緒に学んでいきましょう。
産婦人科診察は、多かれ少なかれ抵抗があると思います。前回から、産婦人科診察の一般的な流れについてお話しています。今回は、受付や問診票をすませ、いよいよ診察室に入ったら、産婦人科医がどんなことに気を配りながら診療しているか、説明していきます。
「1.予約」~「3.受診準備」は、こちらから
4.問診(診察)
まず、いつから、どんな症状があるのか、詳しく伺っていきます。内診が必要か、どんな検査が必要かは、問診しながら決めていきます。症状や気になることの他、診察の方法などに希望があれば伝えてください。
5.産婦人科診察
内診は必ず行うわけではなく、診察上、必要な場合に行います。内診台と呼ばれる、椅子のような診察台に座ります。内診台があがっていき、上を向いて寝ている体勢で、脚を開き診察します。強い痛みはありませんので、リラックスして受けてください。股関節や足の手術を受けたことがある場合など、内診台の姿勢に不安がある人は、診察時に相談してください。通常、内診台は自動で動くようになっていますが、患者さんの状態にあわせて負担がかからないように手動で調節することもできます。
6.検査
必要に応じて、血液検査や尿検査を行います。また、専門の病院でCTやMRIを受ける必要がある場合もあります。
よくある質問
初めて産婦人科を受診する際は、誰しも不安を持ちます。
代表的な質問をQ&A方式でお答えします。
よくある質問① どんな服装で受診すればよいか
内診は下着を脱いで行うため、すそが広がる、丈が長めのスカートがおすすめです。他の服装でも診察できますが、ゆったりしたスカートなら下着を脱ぐだけで済み、脱ぎ着がスムーズです。
よくある質問② 月経中の受診は控えた方がよいか
子宮頸がんの検査など、月経開始直後を避けた方が良い検査もありますが、月経痛などの診察であれば、月経周期に関わらず診察可能な場合もあります。また、月経が終わりかけの時期に発見しやすくなる疾患もあります。診察しないとわからない部分があるので、症状がある場合は、月経周期に関わらず、一度受診して相談してください。可能な範囲で診察いたします。診察時の出血を気にされるかも知れませんが、必ずシートを敷いて診察しますので、診察台などに血がつくことは気にしなくて大丈夫です。
よくある質問③ どうしても内診に不安があり、受けたくありません
内診や経腟超音波検査は重要な診断方法のため、必要に応じて行います。性交渉歴がない場合は必須ではありません。それにかわる方法を提案します。性交渉歴があっても不安が強い場合も、同じように他の診断方法を提案しますので、診察の際に相談してください。
よくある質問④ 内診時にどうしたらよいかわかりません
内診時に、お腹の上にカーテンをかける場合もあれば、そうでない場合もあります。病院によって異なりますが、カーテンを開けて欲しいなどの希望があれば伝えてください。深呼吸して、できるだけ力を抜いて受けていただければ、痛みの強い検査ではありませんので、安心して受けてください。
内診後に、微量の出血がある場合があります。おりものシートやナプキンなどをご用意いただくと安心です。
受診の流れや代表的な質問について説明しました。不安に思っていることは我慢せず、いつでもスタッフや医師に相談してください。
次回からは、女性ホルモンや月経についての話題です。まずは、女性が知っておきたいライフサイクルの各ステージと体の変化について解説していきます。
山西 恵(やまにし めぐみ)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。
学生時代はバレーボールを楽しみましたが、現在は育児と肩の痛みで鑑賞専門です。健康管理の大切さを身に沁みて実感しているため、いつかバレーボールを思い切りプレーできる日を夢見て、体力づくりをしていきたいです。
悩める患者さんやご家族のご希望に寄り添った診療を心がけています。すこやかな日常が送れるようサポートしていきたいと考えています。気軽にご相談ください。