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生まれる、成長する、学ぶ、悩む、暮らす、産む、寄り添う、過ごす、老いる…。 どんなときも 自分らしく、そして 健康に生活するために、産婦人科医から 身体のこと、体調のこと、病気のこと、予防や対策などをお伝えします。
2024/04/23
思春期から老年期まで全ての女性へ向けて、産婦人科医で女性ヘルスケア専門医の山西恵医師に、女性特有のからだの不調や病気のことを伺います。
毎日の生活をもっと元気に、豊かに! 一緒に学んでいきましょう。
産婦人科を受診された患者さんから、「もっと早く受診しておけばよかった」と聞くことがあります。
気になる症状(例えば、月経痛や月経不順、不正出血など)を、不快あるいは不安に思いながら生活を送りつつも、なかなか受診できなかった理由の中には、「何となくハードルが高かった」という声があります。
産婦人科診察に抵抗がある人も多いと思います。
そこで、産婦人科診察でどのようなことをするのか、少し説明したいと思います。
産婦人科診察は、腟鏡診、内診、経腟超音波検査などがあります。腟鏡診は、腟鏡という器具を腟内に挿入し、腟内や子宮腟部を診ます。内診は、指を腟に入れながらお腹を押さえて、子宮や卵巣の大きさや状態を確認します。そして、経腟超音波検査は、腟に超音波プローブという細い棒状のものを入れて、子宮や卵巣の様子を確かめます。
このような産婦人科診察は、すべての患者さんに必ず必要というわけではありません。症状や問診内容によって、どのような診察方法が良いか判断しています。
そこで、事前に記載される問診票が、診察にとても重要になってきます。しかし、戸惑いを感じる質問も含まれているかもしれません。例えば、問診票では性交渉の経験があるかどうかという項目があります。答えにくい人も多いと思いますが、それによって診察方法がかわることがあるので、大切な質問なのです。性交渉の経験がなければ、産婦人科診察で痛みや苦痛を伴うため、他の診察方法なども検討します。
どのような診察を行うと負担が少ないか、また、疾患を正確に見つけられるかなどを考えながら、患者さんにあわせた診療を行っています。不安なことがあれば、遠慮なく相談してください。
婦人科の診察の流れ
一般的な婦人科診察の流れを紹介します。
1.予約
病院によって初診受付の方法が異なります。オンライン予約を行っているところも多いですが、よくわからない場合は、電話で問い合わせてみてください。
2.受付
診察を受ける前に、問診票という質問シートを渡されます。内科では、既往歴(これまでの病気)や家族歴(血のつながった人の病気)などを主に聞かれますが、産婦人科ではそれらに加えて、月経歴や結婚歴、妊娠・出産歴、性交渉歴なども聞かれます。
月経歴は、初経の年齢、月経周期(月経が始まった日から次の月経が始まるまでの日数)、最終月経日(一番直近の月経が始まった日)、月経の様子(月経の量が多いという自覚があるかどうか、月経痛の有無)、閉経していれば閉経年齢などを確認します。時期などは、受診する前に確認してメモを準備しておくとスムーズです。
産婦人科では、結婚しているかどうか、離婚歴があるかどうかなどの結婚歴や、妊娠・出産歴では、流産や中絶の経験も伺います。書き間違えた場合は、診察時に私達スタッフにこっそり教えてくれると助かります。診断や診療内容に関わってくることなので、正確に答えていただきたいです。
3.受診準備
受付時や診察の前に、身長や体重を測定したり、記入した問診票の内容を確認することがあります。診察時に尿検査があることがあるので、トイレに行きたくなったら、先に済ませずに、受付や看護師に一声かけてください。
次回は、診察の様子と、患者さんからよく聞かれる質問を紹介します。引き続き、お読みください。
山西 恵(やまにし めぐみ)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。
学生時代はバレーボールを楽しみましたが、現在は育児と肩の痛みで鑑賞専門です。健康管理の大切さを身に沁みて実感しているため、いつかバレーボールを思い切りプレーできる日を夢見て、体力づくりをしていきたいです。
悩める患者さんやご家族のご希望に寄り添った診療を心がけています。すこやかな日常が送れるようサポートしていきたいと考えています。気軽にご相談ください。