生まれる、成長する、学ぶ、悩む、暮らす、産む、寄り添う、過ごす、老いる…。 どんなときも 自分らしく、そして 健康に生活するために、産婦人科医から 身体のこと、体調のこと、病気のこと、予防や対策などをお伝えします。

産婦人科受診の大切さ

2024/03/26

思春期から老年期まで全ての女性へ向けて、産婦人科医で女性ヘルスケア専門医の山西恵医師に、女性特有のからだの不調や病気のことを伺います。

毎日の生活をもっと元気に、豊かに! 一緒に学んでいきましょう。

 

 

第1回第2回は、日赤和歌山の産婦人科の紹介をしてきました。これからも私たち産婦人科医が日々考えていることや、皆さんの健康に役立てていただけるような情報を、この連載を通じて伝えていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

困っている患者さんはたくさんいて・・・

女性のライフステージごとに、女性特有の症状がかわります。

 

10代の思春期や20代から40代の性成熟期では月経随伴症状や月経異常、40代後半からの更年期では月経異常や更年期症状、閉経後の老年期では骨盤臓器脱(子宮脱や腟脱)などの症状が起こり得ます。

 

 

実は、このような女性ヘルスケアに関連する症状で困っている人はたくさんいますが、人と比べることができないので「こんなものかな?」と我慢していたり、デリケートな悩みなので相談できなかったりと、一人で悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

 

症状の感じ方は人それぞれ

典型的な月経痛であれば産婦人科受診につながりやすいですが、多彩な症状を呈する月経前症候群や更年期症状で、長い期間悩んでいても医療機関を受診できていない人も少なくないです。

 

ましてや月経痛があって、毎月、学校や仕事を休んでいたり、月経量が多くて困っていても、それが普通だと感じていたり、半年、月経が来ていなくても、さまざまな理由で医療機関を受診できていなかったり…。

 

症状の感じ方は、人によって異なります。

また、症状を自覚していても、「産婦人科受診するのが何となくこわい」「検査や治療を受けるのに抵抗がある」「忙しくて受診する時間がない」など、医療機関を受診するにはいくつものハードルがあると思います。

 

 

しかし、医療機関を受診したからといって、必ず治療を受けなければならないわけではありません。また、治療法も1つとは限りません。

 

お困りの症状が少しでも楽になるように、その人が抱えている症状や周りの環境、希望に合わせて、治療法の選択肢を提案しています。必ずしも手術や薬などの治療が必要になるわけではありません。経過をみることがその人にとって良い場合もあります。患者さんが納得した上で治療を選択できるよう、できる限りサポートしたいと考えています。 

 

婦人科検診は定期的にうけましょう

子宮頸がんにはいくつか種類があり、一概には言えませんが、一般的にはゆっくり進行するため、2024年現在、子宮頸がん検診は2年に1回受けることが推奨されています。子宮頸がん検診を含む婦人科検診を定期的に行うことで、産婦人科受診への抵抗がやわらぎ、症状があるときに相談しやすくなります。

 

 

婦人科検診を受けたり、気になることがあれば早めに受診したりと、産婦人科を身近に感じていただけると嬉しいです。

 

次回は、産婦人科での「受診のキホン」と題して、診察の流れやおすすめの服装、患者さんからの質問などをご紹介します。

 

 

山西 (やまにし めぐみ)

日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。

学生時代はバレーボールを楽しみましたが、現在は育児と肩の痛みで鑑賞専門です。健康管理の大切さを身に沁みて実感しているため、いつかバレーボールを思い切りプレーできる日を夢見て、体力づくりをしていきたいです。

悩める患者さんやご家族のご希望に寄り添った診療を心がけています。すこやかな日常が送れるようサポートしていきたいと考えています。気軽にご相談ください。

詳しくはこちら

日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

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