日赤和歌山医療センターの医師が健康や病気についての情報をお届けするコーナーです。専門医がさまざまなテーマを解説します。みなさんの健康保持にお役立ていただければ幸いです。

高齢化で進む 目の病気

2018/11/24

高齢化によって、眼科を受診される方が近年ますます増えています。

 

その中でも、特に多いのが白内障です。

 

白内障という病名は、よく耳にしますし、手術を受けたという経験談もよく聞きます。でも、実際にはどんな症状が現れるのでしょう?

 

日本眼科学会専門医である黒田 健一 眼科部副部長に聞いてみました。

 

白内障は、目をカメラに例えると、レンズにあたる水晶体がにごる病気です。加齢に伴う白内障では、水晶体の外側から中心部に向かってにごりが進む傾向があり、中心部までにごりが及ぶと、見えにくさを感じるようになります。

 

個人差はありますが、早い場合では40歳代から始まり、加齢とともに増え、80歳代ではほとんどの人に何かしらの白内障の症状がみられます。

 

ごく初期であれば、点眼薬で進行を遅らせることもできます。しかしながら、水晶体のにごりをなくすことはできません。白内障が進行するにつれて、

 

■ 目がかすむ

■ ぼやけて見えにくい

■ ものが二重三重に見える

■ 光がまぶしく感じる

 

などの症状が現れます。

 

白内障が進行した場合は、にごった水晶体を取り除き、人工の眼内レンズに入れ替える手術が必要です。眼内レンズは、焦点を一点に合わせる単焦点レンズが一般的ですが、近年は「遠く」と「近く」、あるいは「中間など複数の焦点」に合わせる多焦点レンズや、乱視を矯正できるレンズなどがあり、患者さんのご希望にそったレンズを選択することができます。

 

更に、当センターでは、手術中にも最適なレンズに調整できる白内障手術サポートシステムを導入しています。白内障の手術では、濁った水晶体を取り除き、目の中をきれいにします。余分な汚れが取り除かれると、術前と術中では目の状態が変化し、術前検査で設定していたレンズだと誤差が生じることもあります。

 

導入しているシステムを使って手術中に目の状態を再測定し、最適な眼内レンズを選び直すことで、誤差を減らせるようになりました。さらに、眼内レンズをより最適な位置に固定できるようになり、より精度の高い手術を行えるようになりました。

 

その結果、術後に測定すると、術前の予想より裸眼視力が向上する度合いが高くなっています。

また最近は、白内障以外にも、緑内障、糖尿病網膜症、加齢性黄斑変性といった目の病気も増えています。

 

緑内障は、網膜にある視神経が障害されて視野が欠けていく病気です。40歳以上の20人に1人が罹り、現在、日本の失明原因の第1位です。

 

緑内障は気付かないうちに進行するので、見えにくさを自覚して受診された時には視神経の半分以上が障害されている場合が多く、一度欠けてしまった視野は元に戻りません。ですので、早期発見、早期治療がとても重要です。

 

緑内障の治療は、1種類の点眼薬から開始して効果が弱ければ別の点眼薬を追加していきます。ここ数年で新しい点眼薬が開発され、治療の幅が広がっています。点眼薬の次は手術になりますが、当センターでは、最近、保険適用となったインプラント手術など、最新の手術方法を取り入れて行っています。

 

糖尿病網膜症、加齢性黄斑変性は、網膜の中心の黄斑という部分が出血や腫れなどを起こし、最悪の場合は失明に至る病気で、以前は不治の病とされていました。

近年、診断機器の改良により早期発見でき、さらに新しい治療薬が開発され効果を上げています。当センターでは、これらの病気を専門に治療する「黄斑浮腫治療外来」を開設し、より高度な医療を提供する体制を整えています。

 

眼科の分野では、以前に比べて診断機器も発達し、早期発見が可能になってきた上、治療技術も格段に向上しています。

 

見えることは、生活の利便性や行動範囲に関係してきますので、非常に重要だと考えます。症状にお心当たりのある方や、心配な方は早めに地域の眼科にご相談いただき、しっかり見える質の高い生活を送っていただきたいと思います。

 

 

Medeical Information すこやかな毎日のために」では、健康に生活するために、お役に立てそうな情報を、随時 発信していきます。お楽しみに!

 

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日赤和歌山医療センターHP

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