海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。

オンライン研修の導入 ~COVID-19の影響を受けて~

2022/03/19

新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの人が集まって研修を受けることが難しくなり、オンライン研修やWEBセミナーといわれる、パソコンやスマホを利用した研修の実施に対する需要が急激に高まりました。

 

当医療センターでは、2020年秋からオンライン会議システムを導入し、国際医療救援部でも、これまで集合型で行っていた講演会やセミナーをオンライン形式に切り替えて実施してきました。

 

 

オンラインセミナーには、ライブ配信と事前収録の2つのパターンがあります。

 

これまで行ったセミナーでは、ライブ配信の形式をとり、参加者が会場とオンラインの両方にいる場合と、オンライン参加のみの場合と、2種類の方法で実施しました。

 

参加者から、『学びが多かった』『心に響いた』という声が多く寄せられたオンラインセミナーでは、講師のプレゼンテーション能力の高さはもとより、映像や動画が効果的に使用されていて、参加者を飽きさせず、メッセージが伝わりやすい構成になっていました。

 

2020年8月に開催したCOVID-19研修会(ベトナム・日本をオンラインで結んで実施した)

 

オンライン形式で実施することの最大の強みは、講師も参加者も、国内外の場所を問わずに講演したり、参加することが可能な点です。

 

また、eラーニングでは、反復学習やすきま時間での学習ができ、研修内容を分割して学べることから、学習効率アップや定着も期待できます。

 

一方、研修外での交流が難しいことや、グループワークをはじめとする参加者間での相乗効果を得にくいこと、集合型よりも集中力が求められ、消耗度合いが高いことなどが難点として挙げられます。

 

 

集合型とオンライン形式では、研修の目的に到達するまでの過程が異なることを踏まえて、研修の要素ごとに適した方法を選択することが可能です。

集合型とオンライン形式の組み合わせはもちろん、動画・SNS・講義・グループワーク・投票といった、様々な手法を融合する研修は、ブレンディッドラーニングと称されます。

 

特に、事例・情報・知識のシェアや習得を目的とする研修では、従来の集合型研修の内容にとらわれず、オンラインを使用した研修として再構築し、受講者が主体的に参加できて、役に立つ研修を目指しています。

 

共有する情報の質を高めていくには、オンライン上のセキュリティ意識の強化も重要です。参加者の出入りが比較的自由で、同じ時間に一ヵ所の会場にいるわけではないオンラインセミナーでは、内容の一部を切り取られてしまい、訂正の機会がないまま、SNSなどで誤情報が拡散される可能性があります。

 

運営側は、講師や参加者ともに、個人情報などの適切な取り扱いとともに、炎上リスクなどへの意識を持つ必要があります。

 

 

令和4年度は、当部主催の熱帯医学研修会秋頃に予定しています。これまで集合型で行っていた研修の一部をオンラインに切り替えて、集合型とオンラインを融合して実施できるよう計画しています。

 

日本赤十字社国際要員ウェブサイト 案内を掲載しますので、ぜひチェックしてください。

 

 

日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部

 

「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!

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日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

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