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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2026/07/28
2025年10月28日、超大型ハリケーンがカリブ海の島国ジャマイカに上陸し、家屋やインフラを破壊し、同国史上最大規模の被害をもたらしました。多くの医療施設も影響を受け、苦境に陥っている現地の医療提供体制を支援するため、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)はカナダ赤十字社主導の診療所ERU(Emergency Response Unit:以下、ERU)を派遣しました。私は2026年1月からERUの診療医として約1ヵ月間活動に参加しましたのでご報告いたします。
(報告者:古宮伸洋 感染症内科部長 兼 国際医療救援部長)
私が現地に到着した時点で、発災から既に2ヵ月以上が経過していました。しかし、被災地では倒壊したままの家屋が数多く残り、電気などのインフラも復旧しておらず、医療施設も十分に機能を回復できていない状況でした。政府は地域医療支援として主に山間部など、医療アクセスが困難な村々へ診療チームを派遣しており、私たちERUチームもこの地元の医療チームと協力しながら巡回診療に従事しました。
「海外の被災地での医療活動」というと、外傷や感染症への対応を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際の診療の大半は高血圧や糖尿病など慢性疾患の継続治療でした。ジャマイカでは高血圧や糖尿病の罹患率が高く、災害による通院中断や薬剤不足によって血圧や血糖値が悪化する患者さんが少なくありませんでした。
慢性疾患の治療を中断させないことは災害医療として極めて重要な課題です。慢性疾患の増悪は目に見えにくいため災害の直接的な被害として認識されにくいものの、長期的には健康状態の悪化につながる可能性があります。この課題は海外だけでなく、日本国内で発生する災害においても共通しています。
今回の診療活動の中では患者さんから「God bless you!(神様のご加護がありますように)」と温かい言葉をいただくことも多く、被災された方々の強さと復興への強い意志に触れる機会となりました。
私たちのERUチームによる巡回診療は2月で終了しましたが、医療資機材の寄贈と、それらを現地のチームで継続して活用するための研修が、現地チームの医療活動の支援となり、また、復興の一助となることを信じています。
巡回診療で診察を行う古宮医師©JRCS 診療風景©JRCS
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!