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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2024/09/21
日本赤十字社(以下、日赤)の国際活動では、世界各地のいろいろな国・地域へ派遣されます。派遣期間は、緊急派遣で約1ヵ月~3ヵ月、国際赤十字・赤新月社連盟の地域事務所などへの半年を超える長期派遣など様々です。
今回は、派遣要員の活動を支える「現地メシ」をご紹介します。
最初の国は、シリア・アラブ共和国(以下、シリア)。実は、シリアはかつて「美食の国」と呼ばれ、食料自給率100%を超えていたそうです。シリアは地中海にも面しているため、地中海料理のように、新鮮な果物・野菜・オリーブオイル・ナッツ・豆類などがよく使われます。
クレープのような生地に、新鮮な野菜や「ファラフェル」と呼ばれるひよこ豆のコロッケなどをたっぷり乗せて、くるくる巻いたシリア式ファストフード。どのお店も安くて美味しく、まさにハズレなし。
(コロッケそのものを「ファラフェル」と言いますが、巻いたモノも「ファラフェル」と現地スタッフは呼んでいました)
バターとお砂糖たっぷりのスイーツ。前述のとおり、野菜や果物が多く使われるヘルシーなシリア料理ですが、一方で、地元の人は、食後に極甘のスイーツを食べるそう。派遣された要員も、「1日2個まで!」と決めていましたが、もれなく太ったとか。
次は、マレーシア。マレーシアはマレー系、中華系、インド系を中心とした多民族国家で、様々な文化が融合しています。熱帯雨林気候に属しており、日本ではあまり見かけない、ドリアン、ランブータン、マンゴスチンなどの果物も、手ごろな価格で売られています。
マレーシアの朝食の定番であり、国民食的存在。ココナッツライス、ゆで卵、キュウリ、落花生、小魚とサンバルと呼ばれる辛いソースを混ぜて食べます。サンバルは、家庭によって味が異なる「おふくろの味」。通勤時間帯には、路上でナシレマを売る女性の姿をよく見かけます。値段は、およそ90円ほど。
マレーシアでは、世界的有名ハンバーガーチェーン店でも、ナシレマのほかに、中華系の人がよく食べるお粥も、通常メニューとして販売されています。
食虫植物のウツボカズラの袋に、お米を入れて炊いた料理。食感・味は、ちまきに少し似ているかもしれません。もちろん、ウツボカズラはよく洗ってから調理します。容器として使われ、食べません。
【番外編:現地スタッフのお手製差し入れ】
派遣期間中、現地スタッフがいろいろな料理を手作りして、外国人スタッフに持ってきてくれることがあります。
写真は、シリア派遣時の差し入れのサラダ。新鮮な野菜にチーズ、良質なオリーブオイルをたっぷり使い、まさに絶品でした。
派遣地によっては、安全管理上、気軽に一人でスーパーにも行けない地域もあるので、現地スタッフのあたたかい心遣いも活力の1つ。食事は、元気の源だけでなく、その地の文化を知る、スタッフ間同士の交流の大切な時間となっています。
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!