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筋力をアップしたい、肩や腰の痛みを軽減したい、身体の柔軟性を保ちたい・・・運動機能を維持・向上させ、いつまでも健康な身体でいられる運動やコツをご紹介します。
2022/05/17
肩がこったことがある人は?と問いかければ、多くの方が手を挙げるのではないでしょうか?
その中には、知らない間に治っていた人から、ひどくなると頭まで痛くなるという人もいることでしょう。
人間は、頭という非常に重たいものをバランスを取りながら全身で支えています。
そのバランスが少しでも崩れると肩や腰に負担が生じ、肩こりや腰痛を引き起こしてしまいます。
では、どんな場合にバランスが崩れるのか、考えていきましょう。
誰もが経験のある筋肉痛は、体を激しく動かして筋肉が痛んだときに生じることが多いのですが、実は動かなくても筋肉には負担がかかります。
昔は、重い荷物を長時間背負って肩を痛めるなど、過度な負担がかかって筋肉が耐えられなくなった結果、肩こりが発症していました。しかし、現在の肩こりは「動かないことによる負担」によって生じています。
長時間、下を向くスマホ、パソコン、家事、育児等の動作は、まさにこのバランスを崩す姿勢、動かない負担によるものです。長時間にわたって下を向いていると、首の筋肉は頭の重さによって伸ばされていき、同時に、これ以上伸ばされないように筋肉を縮めようとします。
つまり、重たい頭を支える首の筋肉は常に「伸ばす」「縮める」の緊張状態になり、血のめぐりが悪くなったことで、疲労物質が蓄積することで痛みを引き起こすという悪循環が生じます。
このように、筋肉が固まったような感覚や痛み、疲れたと感じることがいわゆる「コリ」と呼ばれる状態です。この悪循環を改善すれば、肩こりの多くは改善できると言えます。
改善のポイントは、「ちょっとした生活習慣の改善」と「動くこと=肩こりに効果的な運動」の2つです。
ちょっとした生活習慣の改善
① 立っているとき、座っているときも、ちょっとお腹を凹まして姿勢を正し、背もたれを使わないようにする。
② 同じ姿勢を30分以上続けない。立って足踏みしたり、スクワットしたり、肩回しなどをして、筋肉を動かしましょう。
③ 机上での作業(デスクワークなど)をするときは、イスの高さを調整します。低すぎると頭を下げようと猫背気味になり、高すぎると前のめりになってしまいます。
④片方の肩だけで荷物を持たないよう、左右交互に持ち換えたり、リュックサックなど両肩をバランスよく使うものを使用する。
肩こりに効果的な運動
① 痛いところの皮膚を指でつまむ
② 痛いところを軽く押す(ツボ押しできるグッズを使用しても)
③ 姿勢正して、首を前後(上下)左右に動かす
④ 姿勢正して、肩を持ち上げ、ストンと下ろす(立ったままでも、座ってしても)
⑤ 肩を突き上げるように上げて、背中の肩甲骨を動かすイメージで回しながら下ろす(この運動を「後ろ回し」と言ったりします)。
生活習慣を見直し、肩こりを感じたら、こまめにご紹介した運動を試してみてください。
文・・・日本赤十字社和歌山医療センター リハビリテーション科部