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筋力をアップしたい、肩や腰の痛みを軽減したい、身体の柔軟性を保ちたい・・・運動機能を維持・向上させ、いつまでも健康な身体でいられる運動やコツをご紹介します。
2022/04/19
地球上には重力があり、私たちはその重力に対して常に活動しています。
その活動の原動力となるのが「筋力」です。
普段はあまり感じることはありませんが、重力がかかっている中では、人は筋力を使ってバランスを保ち、手足を動かしています。
国際宇宙ステーションでは重力がないため、筋力が必要ありません。そのために長期間滞在する宇宙飛行士たちは筋力低下を防ぐために、毎日特殊なマシンで筋力トレーニングを行っています。そうしないと地球に帰還してもすぐに動けなくなってしまうからです。
12日間の宇宙旅行に行った前澤友作氏が「地球に帰ってきて、重力がこんなに威力絶大だったんだ!というのを改めて痛感した」と言っていたように、重力というものが筋力を考えるうえで重要になります。
そこで、身軽に動ける体づくりを目指して、重力に対して活動する筋肉=抗重力筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。
抗重力筋は、体のあちらこちらに分布しています。この筋肉を鍛えると、身軽に動ける体を手に入れることができます。特殊な道具を使わなくても、体の重みを利用した運動なので、誰でもすぐに取り組めます。
1つ目の運動は、皆さんご存じのスクワットです。
この運動は、簡単なようですが正しく行わないと効果がありません。
足を肩幅に広げて立ちます。膝を曲げ、徐々に腰を落としていくのですが、膝がつま先よりも前に出ないことがポイントです。椅子に腰かけるようにしゃがんで、そこからゆっくりと立ち上がります。1度に20回程度行います。
身体がグラグラするように感じる人は、前方に椅子などを置いて、背もたれに手を添えて、支えながら行ってください。深くしゃがむほど筋肉は鍛えられますが、膝に痛みのある人は無理をしない範囲で実施してください。
スクワットが難しい人は、お辞儀をしながらゆっくりと手を使わずに椅子から立ち上がったり座ったりしても、同様の効果があります。
2つ目の運動は、四つ這い(赤ちゃんがハイハイするように、両手・両ひざを床につける姿勢)での運動です。四つ這い姿勢から手足を上げることで、姿勢を保つために腹筋や背筋を使います。
もちろん、上げた手や足の筋肉も使うことにもなり、一度にたくさんの筋肉を鍛えることができます。右手と左足、左手と右足を交互に上げる運動がより効果的ですが、難しければ右手だけ左手だけ、右足だけ左足だけでも結構です。こちらも20回程度が目安です。
3つ目の運動はつま先立ちです。姿勢よく立った状態でゆっくりと踵を上げ、ゆっくりと下ろしてください。体がふらつく人は、椅子の背、壁、つり革など、どこかを持って実施してください。20回程度から始め、徐々に回数を増やしていきます。
最初はそれぞれ20回を目標に、3つの運動を1セットにして1日1セットから始めます。継続できるようになり、体に痛みが出ない場合は、徐々に、1日の運動量を2~3セットと増やしてください。
痛みがあったり、痛みが出てきたら、無理をしない範囲で行うようにしましょう。
文・・・日本赤十字社和歌山医療センター リハビリテーション科部