院内で、地域で、色々な活動をしている当センター。 あんなこと、こんなこと、ありました! やりました!!  診察などでご来院いただいているとき、入院治療されているとき、それ以外の時間にも実施したことをご報告していきます。

トリアージ(START方式)のご紹介

2018/05/27

3月11日の院内災害訓練では傷病者に対してトリアージを実施し、軽症受入れゾーンから重症受入れゾーンへの傷病者を振り分ける訓練を実施しました。このトリアージという言葉を、みなさんも報道や医療ドラマの中で耳にしたことがあるかもしれません。今回は、トリアージについて少しお話ししたいと思います。

ひとたび災害が起きると多くの傷病者が発生しますが、同時に医療機関や医療従事者も被害をうけ、平時と比べ医療資源は万全ではありません。そのような状況で最大限の救命活動を行うために考案されたのがトリアージです。トリアージは、もともとフランス語で「選別」を意味する「Triage」が語源となっており、言葉のとおり傷病者を重症度順に区分し、治療の優先順位を決定するものです。

現在、トリアージにはSTART方式とPAT方式の2種類の方式がありますが、救助者に対し傷病者が多い場合に、判定基準をなるべく客観的かつ簡素化し、迅速に行うことができる方法としてSTART方式トリアージを実施することが多くなってきました。

トリアージの流れは、医師などがいち早くトリアージを実施するために傷病者を1箇所に集めるトリアージポストと呼ばれる場所が設置され、そこで軽症~重症度を判定して治療を開始します。

当センターでは、正面玄関前にトリアージポストが設置される予定です。ただし、災害発生直後は、病院の建物自体の被災状況を確認し、安全を確認していから傷病者受け入れるため、態勢が整うまで一時的に立ち入りを制限します。

トリアージを実施する際には、写真に示すトリアージタッグを使用します。

これは重症度に応じて4色(赤・黄・緑・黒)の色分けがされており、治療の優先順位を示しています。該当する色を残す(ミシン目で切り離す)ことで傷病者の大まかな状況が視認でき、瞬時に判断可能となります。

各色の意味は、赤色が、最も重症で生命にかかわる重篤な状態で、一刻も早い治療が必要な状態(優先順位が最も高い)、次に黄色は、早期の治療が必要だが状態は安定しており、数時間の時間的猶予はある状態緑色は、歩行が可能で軽傷、そして、黒色はすでに死亡している、もしくは救命が困難な状態(優先順位が最も低い)を示しています。

災害下での限られた人的・物的資源を効果的に活用し救命率を上げるるため、黒色の傷病者には治療が施されることはありません。各色には、歩行可能か? 呼吸は有るか? 脈はどれくらいか? 簡単な指示に応じることができるか? などの判断基準があり、基準に応じて色が決定されます。ただし、傷病者の状況が常に変化することを考慮して、トリアージは1回のみではなく、複数回実施されます。

平時であれば、検査や薬、処置などもどんどんできますが、医療資源が制約された災害時の状況下では、どの傷病者にどの程度の治療をするかという判断が重要になってきます。そのため、トリアージは災害医療には欠かせないものとなっています。

ただ、トリアージを実施するにも経験が必要です。実際、START方式トリアージは、傷病者1人当たり約30秒で行わなければなりません。したがって、迅速な判断力と正確性、知識と経験が求められることから、3月11日の訓練に続き、5月16日、5月19日にもトリアージの研修を行うなど、継続したトレーニングを実施しています。当センターでは、トリアージの研修・訓練を定期的に行うことで、職員ひとりひとりのトリアージ技術の向上を目指しています。また、写真に示すポケットサイズのトリアージ実施表を職員に配布し、いざという時のために備えています。

職員ひとりひとりが災害への意識を高め、「防ぎ得た災害死」を少しでも減らすことを目標に日々訓練を重ねています。

 

活動レポートでは、様々な活動のご報告、裏話などをお届けします。次回も、お楽しみに!

 

詳しくはこちら

日赤和歌山医療センターHP

Share

この記事を気に入ったならシェアしよう!