院内で、地域で、色々な活動をしている当センター。 あんなこと、こんなこと、ありました! やりました!!  診察などでご来院いただいているとき、入院治療されているとき、それ以外の時間にも実施したことをご報告していきます。

産婦人科医を海外に初派遣

2023/06/05

2023年5月31日(水)、当医療センター産婦人科医のレバノン共和国への派遣の出発式を開催しました。派遣される春日 摩耶 医師は、通常業務の傍ら、海外への派遣に必要な研修を修了し、今回、初めての派遣。当医療センターから産婦人科医を海外医療救援に派遣することも初めてで、産婦人科専門医としての働きが期待されています。

 

 

パレスチナ難民が、故郷を失い、難民としての生活を余儀なくされてから、今年で75年が経とうとしています。レバノンには、パレスチナ難民が住む難民キャンプが12ヵ所あります。

 

パレスチナ赤新月社(赤新月社は、イスラム圏の赤十字社に使用されます)は、難民キャンプ内に5つの病院を設置し、主にパレスチナ人に対して低額あるいは無料で医療を提供しています。

 

日本赤十字社は、2018年から、それらの5つの病院に医療チームを派遣し、病院スタッフへの技術支援や提言・研修を行い、長い間脆弱な立場に置かれている人々が、より良い医療サービスを受けられるよう支援しています。

これまで、当医療センターからも救急科・集中治療部の医師を派遣してきました。

 

現地の病院では、勤務するスタッフ自身も難民で、海外留学等が制限されていたりするため、新しい医療技術や知識を学ぶ機会が非常に限られています。そのため、日本の病院では一般的である検査があまり実施されていないなど、技術や体制が十分に整っていないこともあります。

 

春日医師は、産婦人科領域の超音波検査、周産期・新生児部門の診療技術支援・指導に携わる予定です。


 

出発式では、院長 山下幸孝が「国内でも県内でも不足が報じられている産婦人科の医師が派遣され、現地で求められる技術支援を行うことは、たいへん意義深いこと。専門性を発揮し、頑張ってきてもらいたい」と挨拶され、中 国際医療救援部長からも「派遣される病院は、私自身も数年前に視察したことのあるところです。新しく建て替えられ、救急部門もある大きな病院だけれど、日本と同様にはいかないことが多いはず。健康に気を付けて、様々なことを伝え、また、吸収してきてほしい」と、激励の言葉が送られました。

 

 

続いて、春日医師は、「設備も人材も限られた状況で、分娩や検査、手術などをどのように実施したらよいのか、現地スタッフの知見をもとに、より良い方法を工夫したい。これからも支援を続けるというよりは、現地のスタッフだけで医療を提供できるように、現地スタッフと協力しながら、医療を提供する体制を作っていきたい。超音波検査の技術や、画像を読影するコツを伝えたり、帝王切開の手術に立ち会ったりしながら、指導していければと考えている。派遣が決まり、レバノンの国や生活について、いろいろ調べてみた。中東は初めて訪れる地域なので、不安はあるが、これまで自分が培ってきた知識や経験を活かしたい」と心境を語った。

 

春日医師は、6月1日(木)、日本赤十字社本社(東京)で出発前のブリーフィング(説明)を受け、同日深夜に成田空港から現地に飛び立ちました。7月下旬まで、約7週間活動する予定。

 

 

活動レポートでは、様々な活動のご報告、裏話などをお届けします。次回も、お楽しみに!

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