いつ来るか分からない災害。日赤和歌山医療センターは、どんな対策をしているの? どんな概念や指針、ガイドラインで対策しているの?ちょっとマニアックな情報をお届けして いきます。赤十字の病院が行う救護について知っていただけたら幸いです。

CSCATTT ~Communication その1~

2020/07/09

今回は、CSCATTTの2つ目のCであるCommunication(情報収集、伝達)についてお話しします。

 

災害医療での「Communication」は、情報収集や伝達という意味で用いられます。また、情報収集や伝達を行うために通信手段を確保することも含まれます。

 

災害医療において、情報はとても重要です。

 

 

災害医療は、基本原則であるCSCAにもとづいて行われるのですが、どんなふうに行われるか一言で説明すると、Command&Control(指揮命令系統)を構築し、Safety(安全)を確保したうえで、Communication(情報収集)を行い、集めた情報を評価・分析(Assessment)し、活動方針を立ててから効率的に活動を行うという流れとなります。

 

 

情報が入らなかったり、伝えられなかったり、間違った情報が入ったり、情報の処理が間に合わなかったりすると、評価・分析がうまくいかず、適切な活動方針が立てられなくなってしまいます。

 

すなわち、現場が混乱し、効率的で効果的な活動が行えなくなります。

災害対応が失敗する原因として最も多いのは、このような情報収集・伝達の不備と言われており、それだけ、情報収集・伝達は災害対応において重要な要素と言えるでしょう。

 

情報を有効に活用するためには、情報を収集・伝達する「手段」と情報の「内容」を両立させ、適切に情報を集めて活動する人が共有することを常に意識する必要があります。

 

情報の「手段」は、普段からの準備がとても大切です。災害が発生すると、普段使用している固定電話やスマートフォン、インターネットを用いたメールやSNSなどの通信手段が使用できない、もしくは、使用が制限される場合があります。

 

通信が遮断されてしまうと、集めた情報を連絡・報告することができなくなり、せっかく構築したCommand and Controlが機能しなくなってしまいます。ですから、普段から災害に強い代替通信ツールを準備しておくということが大切です。

 

通信ツールには、「1 対 複数」の通信が可能なもの(日赤無線、トランシーバーなど)や、「1対1」の通信が可能なもの(衛星電話など)、メールやFAXのように文字での通信が可能なものなど、それぞれ特性があります。必要に応じて適切な通信ツールを選択する必要があり、事前に複数の通信ツールを準備しておかなければなりません。

 

 

当然、その通信ツールを使える人や使うための適切な場所の確保も必要です。当センターでは、災害時の通信手段として、衛星電話、無線機などを整備し、職員が誰でも通信できるようにトレーニングを実施し、災害に備えています。

 

次に、情報の「内容」は、簡単にいうと情報の質、量のことです。災害時には様々な種類の膨大な情報が飛びかいます。これらの情報の中には誤ったものや重複したものなども含まれるので、選別し、適切に情報処理・発信しなければなりません。

 

このように「情報の手段」と「情報の内容」を両立させた上で、災害対応に必要な情報を素早く、正確に収集し、正しく分析・判断(Assessment)して、それに基づいて的確に対応することが重要になります。

 

≪ 文・資料 災害医療救援センター ≫

 

次回は「Comminucation その2 ~通信手段~」について解説します。お楽しみに!

 

詳しくはこちら

日赤和歌山医療センターHP

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