いつ来るか分からない災害。日赤和歌山医療センターは、どんな対策をしているの? どんな概念や指針、ガイドラインで対策しているの?ちょっとマニアックな情報をお届けして いきます。赤十字の病院が行う救護について知っていただけたら幸いです。

CSCATTT ~Safety~

2020/06/11

今回は、災害対応の原則「CSCATTT」のSであるSafety(安全)についてお話しします。

 

災害の現場では、活動を安全に行うこと(Safety)が重要視されます。

 

なぜ、Safetyが重要かというと、災害現場で安全確認を怠ったまま活動すると、2次災害(救助に行った人がケガをしたり、被害にあうこと)が発生してしまう危険があります。

 

2次被害が起き、医療チームに被害が及んでしまった場合、医療活動が継続できなくなってしまい、救えるはずであった命が救えなくなってしまいます。

 

つまり、災害現場で活動するには、相応の知識や装備が不可欠であり、単に熱意があるというだけで活動をしてはいけないのです。

 

 

では、安全管理はどのように行うべきなのでしょうか?

 

災害対応時の安全管理には、「3S」という原則があります。これは、Self(自分自身の安全)、Scene(現場の安全)、Survivor(生存者の安全)の頭文字をとったもので、災害現場での活動前に確認すべきことを優先順に並べたものです。

 

まず、最も優先されるのは、自分自身の安全(Self)です。災害活動を行うためには、まず自分が無事でなければ、十分な活動を行うことができません。そのためには、自分自身の安全をしっかりと確保するということが前提になります。

 

また、災害現場で活動を行う際には、PPE(Personal Protective Equipment)と呼ばれる安全を確保するための装備が必要となります。例えば、ヘルメットや安全靴、ゴーグル、プロテクター(肘あて、膝あて)、マスクなどで、これらが無ければ、危険な災害現場で安全に活動できません。このように、まず自分自身の安全をしっかりと確保してからでなければ、活動してはいけないのです。

 

 

自分自身の安全(Self)が確保できれば、次に確認すべきは現場の安全(Scene)です。これは、自分たちが活動する場所が安全かどうか?の確認となります。

 

地震などで被害を受けた建物などで活動する場合、落下物や余震による建物の崩落などの二次被害が発生し、自分たちも巻き込まれ、大きな被害をうける危険があります。

 

通常、災害現場においては、消防の管理下で活動しますが、日常的にトレーニングを積んでいる消防隊員と医療者では、Safetyレベルに違いがあります。消防隊員が活動しても大丈夫と判断をしても、それがそのまま医療者が活動しても大丈夫ということにはなりません。最終的には、チーム、個人の判断・責任で活動を行うか否かの決断をしなければなりません。

 

しかし、日常とは違う災害の状況下では、「救える命を救いたい」といったヤル気や使命感が冷静な判断を鈍らせ、安全への意識が甘くなる傾向にあります。

 

ですから、災害現場での活動では、冷静に状況を確認し、危険・無理だと判断した場合は現場には入らないという判断も必要です。「自分の身は、自分で守る」という意識を医療者は常に頭に入れておくことが重要です。

 

自分自身の安全(Self)、現場の安全(Scene)が確保できて初めて、生存者(Surviver)への対応が可能となります。

 

 

テレビドラマや映画などで描かれる、自分の危険をかえりみず生存者を救うという行動は、一見、英雄的で称賛される行為のように思われますが、災害現場では、絶対にしてはいけないことなのです。

 

次回は「Communication」です。お楽しみに!

 

 

 

 

詳しくはこちら

日赤和歌山医療センターHP

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