少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。

一緒にいると、似てくるの?

2019/02/01

 

近所の人や知人が飼っているペットを見て「どこか飼い主と似ているなぁ」と感じたことはありませんか?

 

「ペットは飼っているうちに、だんだん性格や表情まで飼い主と似てくるのではないか」と言う人もいます。

 

実際、カリフォルニア州立大学の実験で、ランダムに並べられた飼い主とペットの写真を第三者に見せたところ、64%という高確率で正しい組み合わせをマッチングできたそうです。こうなると、先の仮説がますます信憑性を増してきますね。

 

しかし、この実験には続きがあります。先の実験結果はあくまでもペットが純血種の場合で、同実験を非純血種(雑種)で行った場合の正答率は35%に落ちたというのです。

 

この正答率の差は、純血種は飼い主がペットショップ等で選んで買ってくるのに対し、非純血種は拾ってきたり譲り受けたりして飼い始める差によるものだと考えられています。

 

つまり、自分で選択したペットの方がより飼い主に似ているのです。このことは、言い換えれば、ペットが飼い主に似て来るのではなく、飼い主が自分にどこか似ているペットを選ぶのだと言えるでしょう。

 

ちなみに、ペットだけでなく、どこか似ている夫婦というのもよく見かけますね。この場合も同様に、お互いに似たところのある相手を好きになってしまうケースが多いと言われています。

 

さらに、人間同士の場合は、相手と仲良くしていたい気持ちから無意識的に表情や動作を真似てしまう“シンクロニー”と呼ばれる現象も加わって、時間経過とともにより似てくると考えられています。

 

ペットも夫婦も、似ている相手と居る一体感は心地良いものです。けれども、自分たちは同じだと思いすぎるのは危険です。

 

自分とは異なる相手の意見や価値観も尊重し、その違いを楽しむ余裕も持ちたいですね。

 

 

(臨床心理士 坂田真穂)

日赤和歌山医療センターHP

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