少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。

目で見て、声に出し、耳で聴く

2021/09/03

 

『こころの扉』を書かせていただいていると、「よく毎月いろんなことを書けますね!私なんか文章を書くのが苦手で」と声を掛けられることがあります。

 

しかし、実は私も文章を書くのが苦手で、いつもなんとか書き上げるものの、まとまりがない上に誤字だらけ。それを何度か読み返して修正しています。

 

先日、自宅で修正作業をしていると、「また、声に出して読んでいるの?」と家族に笑われました。

 

どうやら、大人が声に出して読むことに違和感があるようです。

 

音読をした方が、自分の文章を客観的に確認しやすいことから、声に出して読むようにしているのですが…。

 

実は、文章の修正作業以外にも、きちんと理解したい説明や心に留めたい文章があれば、音読するようにしています。

 

これは後で知ったのですが、黙読であれば情報が目からしか入らないのに対し、音読では目と耳から入るために、より一層内容を認識しやすく、記憶にも留まるようです。

 

また、脳機能開発で有名な東北大学の川島隆太教授によると、音読によって脳機能が活性化することで、記憶容量自体も20~30%増えるといわれています。

 

思えば、小学校の時にはよく本読みの宿題がありましたが、それは黙読ではなく、家族に朗読を聴いてもらうものでした。

 

また、学校でも教科書を皆の前で読んだり、級友が読み上げる内容を耳で聞きながら文字を目で追っていました。

 

テレビなどでも目にするように、寺子屋の時代から、本を朗読する学習が続けられてきたのです。

 

スマホやゲームによる子どもの読書離れが深刻な現代では、三鷹市立図書館と日本動物病院協会が、子どもの読み聞かせ相手に犬を利用する珍しいプログラムを導入し、読書意欲向上を図っているそうです。

 

じっと聴いてくれる相手がいることで朗読を楽しめるのであれば、一石二鳥ですね。

 

久しぶりに、親子で、夫婦で、あるいは友人と、読み聞かせ楽しんでみてはいかがでしょう?

 

 

 

坂田 真穂(さかた まほ)

日本赤十字社和歌山医療センター公認心理師(非常勤)、2005年より職員のメンタルヘルス支援を担当。臨床心理士、シニア産業カウンセラー。

相愛大学准教授、専門は臨床心理学。教育学博士。主な著書に『ケア ー語りの場としての心理臨床ー』(福村出版, 2020)など。

日赤和歌山医療センターHP

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