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少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。
2019/01/04
買い物に行ったら、ショッピングセンターで小学生時代の同級生とばったり会いました。その時、彼女が私を子ども時代の呼び名で呼ぶことに何とも懐かしさを覚え、その名前を憶えていてくれたことも嬉しく感じました。
名前やニックネームで呼ばれるだけで、関係がぐっと縮まるものです。人は、自分の名前にアイデンティティを持っていると言われています。
海外の研究では、自分のイニシャル(AnnならA)が好きな人はそのイメージ(欧米ではAは成績優秀の意味)に影響を受けるという報告があるほどです。日本でも自分の名前が気に入っている場合、その中にある文字(勇太なら勇)の意味に影響を受けそうですね。
アメリカの鉄鋼王カーネギーは、下請けも含めた全社員の名前を憶えて呼んだそうです。
また、ナポレオンも毎晩、野営の兵を見回る際に必ず兵の名を呼びかけたと言われています。
名前はその個人のアイデンティティでもあるため、名前を憶えてもらえたことで彼らはリーダーに自分を認識されたと感じます。また、人は自分の名前を呼ばれるとその相手に好感を抱くことから、リーダーへの信頼感や士気も高まったことでしょう。
今でも欧米のビジネス場面では、挨拶をする際に「おはよう」だけでなく、「おはよう、○○さん」と名前を呼ぶことがよくあります。
ちなみに、夫婦や恋人の間では名前を呼ぶと「好きだ」と言われた時以上のオキシトシン(愛情ホルモン)が出ることもあるそうですよ。
今日からパートナーのことを「おーい」ではなく名前で呼んでみてはいかがでしょう。
(臨床心理士 坂田真穂)