がん放射線治療の第一人者であり、高度医療に取り組んできた平岡院長が、がんについてわかりやすく解説します。ティーカップを片手にお気軽にお読みください。

第6回 がんは不治の病なの?

2018/09/18

平岡先生は京都大学医学部を卒業して放射線科医となり、2007年には京都大学医学部附属病院がんセンターの初代センター長に就任。2015年の退官まで20年以上にわたり京都大学大学院医学研究科の教授としてがん治療に関わり続けてこられてきました。

 

がん放射線治療の第一人者であり、高度医療に取り組んでこられた平岡先生に、がんについてわかりやすく教えていただきましょう。ティーカップを片手にお気軽にお読みください。

 

前回の第5回では、がんに罹る人が増えているという話をしました。

では、罹ったあとは、どれくらいの人が治るものなのでしょうか。

がん患者の6割以上が治る時代になった


私が若かりしころー1970年代のことですー、がんは不治の病と思われていました。

そのころヒットした「赤いシリーズ」と呼ばれたドラマがあったのですが、白血病で亡くなる薄幸の少女の話で、有名女優が演じたこともあり大きな話題となりました。憶えておられる方もいらっしゃるでしょう。


そこから大きく時代は変わり、現在では「がん=不治の病」と感じる人は少なくなってきています。

今や、がんに罹っても、60%強は治ります。「がん=死」ではなく、生き延びられる時代になっているのです。

 

ドラマの中では少女は亡くなってしまいましたが、今は白血病の多くも治癒しています。

ただ、何をもって治癒したとするかの判断は正直なところ難しいです。

ここでは、治療後5年経って再発が見られないことを基準に「治癒」とします。

 

がん治療の質は飛躍的に向上


治癒率が上向いた理由は、2つの要因があります。

 

ひとつは治療法の発展です。医療技術は年々進歩しています。

 

がんには3つの治療方法があります。これまで治療の中心だった「手術法」も明らかに進化していますが、より大きな影響を与えているのは、「放射線治療」「薬物治療」の進歩です。

(話が長くなるので、また別の機会に詳しくお知らせしますね。)

 

そしてもうひとつは、診断法が進歩したことで、 がんがより早期に発見されるようになったことです。

 

食道がん、胃がん、大腸がんにおける内視鏡検査や、肺がんのX線CT、乳がんのマンモグラフィーなど。このような診断方法によって、2センチメートル程度のがんはしっかり見つかります。

 

早く見つかれば、治癒する確率も高くなります。

悪くなる前に、見つける。これが誰にとってもうれしい方法ですね。

 

がんになっても心配しすぎないで


発見されたがんのうち42%が、転移せず局所に留まった段階で診断されています。その段階で治療が始まれば、約90%の人が治ります。

 

不治の病といわれていたのが信じられない数字ですね。

 

少しがんが進行してしまい、局所を超えて拡がってしまっている段階で見つかる人も25%ほどいます。

けれども、全身にがんが広がっていなければ、約50%の人が治ります。

 

もちろん、がんの種類もさまざまありますから、治癒率や生存率は異なります。

乳がん、子宮がん、前立腺がんは治りやすいがんの代表です。一方、 肺がん、肝臓がん、膵臓がんは治療がより困難ながんです。

 

ただ、どんながんであったとしても、早期発見の重要性が明らかです。

治療法が進歩したのは事実ですが、治癒率だけを見れば、早く見つけることが何よりです。

 

少しでも早く、進行しない段階で見つけられるよう、定期的に検診を受けましょう!

 

次回は、検診について詳しく解説します。

「検診と健診」の違い、知っていますか? ぜひ引き続き読んでくださいね。

 

詳しくはこちら

日赤和歌山医療センターHP

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