筋力をアップしたい、肩や腰の痛みを軽減したい、身体の柔軟性を保ちたい・・・運動機能を維持・向上させ、いつまでも健康な身体でいられる運動やコツをご紹介します。

運動を継続するコツ

2023/03/17

健康のために運動を続けたいけど、なかなか継続できなかったという経験はありませんか?

 

さらに、コロナ禍で外出する機会も減り、運動不足を感じている人も多いのではないでしょうか。

 

 

厚生労働省の令和元年度「国民健康・栄養調査報告」によると、運動習慣のある人の割合は、男性が33.4%、女性が25.1%となっています。

 

ここでいう運動習慣とは、「1回30分以上の運動を週2回以上実施、1年以上継続している者」と定義されています。運動習慣のある人は全体で3割程度と低く、運動の習慣化が難しいことが良く分かります。

 

習慣的な運動がダイエットや生活習慣病の予防につながるなど、健康効果が高いことはすでに多くの研究で明らかになっています。

 

 

しかし、頭では分かっていても、なかなか行動に移すことはできません。

運動の継続に関する報告によると、運動を続けられない理由として「時間に余裕がない」「一人ではやりにくい」「面倒」「仕事が忙しい」などが挙げられています。

 

それでも、運動を継続するコツを挙げるとすると、達成できる目標を持つことです。続けられない理由から考えると、可能であれば、仕事や家事のすき間時間で行え、家族や友人と、または運動教室などで誰かと一緒に行うのが良いと言えるでしょう。

 

運動をほとんどしていない場合、例えば、携帯電話やスマートフォンについている歩数計で、ご自身の1日の歩数を計測してみましょう。

 

1日の歩数が5,000歩だった人は、そこにプラス1,000〜2,000歩増やせるよう工夫します。一歩の算出方法は、身長×0.45cmと言われていますから、160cmの人の場合5,000歩で3.6km、1,000〜2,000歩増やせると、720m〜1.4kmとなり、1日に5㎞近く長く歩いたことになります。

 

 

まずは、ご自身の運動量、歩数などを確認することが大切です。

 

そこに、1,000歩程度の低い目標を立てて達成できるようにしてみます。思っていたより容易にできた場合は、徐々に距離を伸ばしていくと良いでしょう。成果が見えれば、やる気につながります。

 

前半にご紹介した厚生労働省の運動の定義でも「週に2回以上」とあったように、毎日できなくても、隔日でも構いません。連続して達成できる場合も、飛び飛びになってしまう場合もあるでしょう。「しなければ!」と気構えずに、まずは、やってみましょう。

 

運動と聞くと、まず、運動場や公園、スポーツジムのようなところを思い浮かべるかもしれません。しかし、夏の暑い時期、冬の木枯らし吹きすさぶ時期は、屋外で運動するのを控えがちです。屋外に出るのが億劫になる雨など悪天候の日も、意外と多くあります。

 

そんなときは、ショッピングモールや商店街のような、屋根があったり、空調が効いているところを歩くのも一案です。特に、夏場の熱中症や、冬場の温度差によるヒートショック(急激な血圧上昇)の予防もできるので、運動を継続するためにも、どこで運動するのが自分に合っているのか、日常生活で取り入れやすい場所を検討してみましょう。

 

 

意外なところで、美術館や博物館で展示を見て回ったり、図書館で各フロアを階段で行ったり来たりしても、意外と距離を歩けます。

 

1,000歩の720mなら、10~15分程度のすき間時間でも歩ける距離です。買い物などの日常生活に取り入れたり、ご家族や友人と一緒に行うと、より一層、継続しやすいでしょう。

 

手近な目標を立てて、運動を継続してみませんか?

 

シリーズ12回をお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

詳しくはこちら

日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

Share

この記事を気に入ったならシェアしよう!