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筋力をアップしたい、肩や腰の痛みを軽減したい、身体の柔軟性を保ちたい・・・運動機能を維持・向上させ、いつまでも健康な身体でいられる運動やコツをご紹介します。
2022/11/15
今まで、転んだことはありますか?
転んだことのない人は、いないでしょう。
しかし、「転んだくらいで、ケガなんてしないよ!」と思う人がほとんどでしょう。
年齢を重ねるにつれて、転んだだけで骨折をする人が多くなっていきます。
わが国では、転倒・転落が原因で体調が悪くなっていき、年間1万人が亡くなっているという報告があります。年齢が上がるにつれてリスクが上昇し、骨折によって介護が必要となる人も少なくありません。
骨折の原因の1つに、「骨粗しょう症」という病気が関係しています。骨粗しょう症とは、骨がもろくなり、ちょっとした衝撃で骨折しやすくなる病気です。
骨は、加齢、運動不足、女性ホルモンの欠乏などで強度が低下します。
骨粗しょう症は、病院で診断・治療を受けることも大切ですが、適度な運動・栄養バランスのとれた食事も重要です。
骨は刺激が加わることで強くなる性質があるため、運動を継続することが大切です。また、日光に当たることで、体内でカルシウムを吸収するビタミンが生成されるため、熱中症に注意しながら、屋外にも出かけましょう。
転んで骨折しやすいところは、太もも・背骨・手首や二の腕です。転んだときに、尻もちをついた衝撃で、足の付け根(股関節)や背骨が折れたり、反射的に腕を突っ張って手首や二の腕の骨が折れてしまったりするためです。
ここで、質問です!
転んでしまうのは、どんな状況だと思いますか?
実は、7割以上が屋内です。65歳以上になると、約8割にのぼります。およそ半数がリビング、次に、階段、ダイニング(食堂)、台所が多いとされています。
つまづく原因は、電気コード、敷居、敷物のめくれなどに足を引っかけてしまうことが多いようです。簡単にできる工夫として、
① 電気コードは、極力壁を沿うように固定する
② 敷居には、段差解消用スロープを設置する
③ 敷物は、滑り止めマットや固定テープ等でめくれにくくする
等が良いでしょう。
また、スリッパは履かず、滑り止め付きの靴下を履くことで、さらに、つまづきにくくなるため、おすすめです。足元を照らす照明を置くのも、暗いときに有効ですね。
つまづかないよう、普段から床には物を置かないなど、整理整頓を心がけましょう。
「骨粗しょう症」以外に、転びやすくなる原因は、足の筋力低下、視力の低下、バランス能力の低下、足の柔軟性低下、複数の薬を服用していることが挙げられます。転んだことがある人は、繰り返し転ぶことが多いので、特に注意が必要です。
転倒を予防するために簡単に行える運動をいくつか紹介します。
転ばない体を作ること、転びにくい環境を整えることが大切です。
ぜひ、心がけてみてください。
文・・・日本赤十字社和歌山医療センター リハビリテーション科部