少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。

事実より、信じたいを優先しちゃう?

2021/04/02

 

「駅まで一番早いルートは?」「近所でメキシカン料理を食べられるお店は?」。

情報社会になった今、知りたい情報はスマホ1つで手に入るようになりました。

 

しかし、情報が共有されやすくなったことで、フェイクニュースも拡散しやすくなりました。

 

トイレットペーパーが不足するというニセの情報が出回ったせいで品切れが続くなど、時に社会経済に影響を及ぼす問題に発展することもあります。

 

特に、災害発生時や感染症流行時など、社会に不安が蔓延する時ほど、こうしたデマが流れやすいようです。

 

人は、繰り返し目や耳にすることを信じる傾向があります。

 

スーパーで商品を選ぶ時も、よく見たことのあるパッケージに手を伸ばしやすいのは、宣伝などで繰り返し目にしているためだといえるでしょう。

 

また、人は「正確であること」よりも「自分が信じたい内容であること」を信じる傾向があるため、情報の出どころや根拠を確かめることなく、誤った情報に騙されてしまうのです。

 

カナダで行われた研究によると、情報を誇張してでも相手を説得しようとする人は、自分自身もニセの情報に騙され易いことが明らかになりました。

 

逆に考えれば、フェイクニュースを拡散する人は、悪意ある人ばかりではなく、騙された挙句に誇張を加えながら説得しようとしているだけなのかもしれません。

 

いずれにせよ、真実を見抜くというのはなかなか難しいことです。

 

最新の研究で、幼児は無意識のうちに笑顔を注視することで、本物か作り笑いなのかを見抜く能力があることが判明しました。

 

子どもは言葉によるコミュニケーションが不十分だからこそ、逆に、そこにあるものを注意深く観察するのでしょう。

 

大人になった私たちも、時にノイズと感じられる言葉や知識は横に置いて、自分の目に映っているものをまっすぐに見たいですね。

 

 

 

坂田 真穂(さかた まほ)

日本赤十字社和歌山医療センター公認心理師(非常勤)、2005年より職員のメンタルヘルス支援を担当。臨床心理士、シニア産業カウンセラー。

相愛大学准教授、専門は臨床心理学。教育学博士。主な著書に『ケア ー語りの場としての心理臨床ー』(福村出版, 2020)など。

日赤和歌山医療センターHP

Share

この記事を気に入ったならシェアしよう!