少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。

第2回 表情に出る? 嘘のサイン

2018/06/01

心理学と言うと『人の心が読める』というイメージを持たれる方もいらっしゃるようです。これは、心理学で表情と感情との関係が研究されているからかもしれません。

わずか0.2秒で人の表情から真実を読み取る心理学者を主人公にした “Lie to me”というアメリカのドラマが日本でも深夜ドラマシリーズとして放送されました。ドラマのモデルとなったアメリカの心理学者ポール・エクマンは表情分析の先駆者で、彼は7つの感情(怒り・軽蔑・嫌悪・恐れ・幸福感・悲しみ・驚き)を表す表情が人類共通であることを発見しました。共通の感情と表情があるので、相手が故意に隠そうとしていなければ、私たちは表情から感情をかなり正確に読み取れます。

一方で、隠したり偽ったりしている感情を読み取ることは困難で、表情分析の知識が必要になってきます。例えば、表情分析学では、嘘をついている人は言い終わった後、口を慌てて閉めたり、口角拳筋に力が入り頬が上がることが知られています。さらに、相手にたくさん話させることで、より簡単に嘘が見抜けるとも言われています。これは、嘘が発言内容から分かるからではなく、人は会話中、脳の大部分が文章を組み立てることに使われるため、知らず知らずに色々な表情や仕草をしてしまうからです。

実際に、アメリカのFBIでは、この表情分析が犯罪者やテロリストの摘発に役立てられています。

私たちも表情分析の訓練を受ければ、詐欺に遭う心配も減りますし、患者さんが本当にちゃんと服薬しているかさえ、簡単に確認できるかもしれません。けれど、恋人にプレゼントを贈った時に、相手が「うれしい!」と言った後、口をキュッと閉じるのを見たら、どんなにがっかりするでしょう。人の心は分からないから、幸せでいられるように思えてなりません。

(臨床心理士 坂田真穂)

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