最新の情報などHotなニュースから気持ちが和らぐほっとする話題まで日赤和歌山からお届けします。
海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2020/05/16
赤十字のネットワークは世界中に拡がっていて、2020年5月現在、赤十字・赤新月社は、世界192カ国に存在します。日本赤十字社は、その各国赤十字・赤新月社や国際赤十字・赤新月社連盟(連盟と呼ばれています)、赤十字国際委員会(ICRCと略されています)を通じて、世界各地の自然災害をはじめとした諸災害の被害者への緊急救援、復興支援、開発協力等を行っています。
国際的な救援活動を行う組織は、さまざまです。例えば、WHO(世界保健機関)やユニセフ(国際連合児童基金)などの国際機関、青年海外協力隊などを派遣するJICA (国際協力機構)などのNGO/NPO、大学や研究所などが挙げられます。私たち日本赤十字社もその一員です。
国際救援の現場で求められる職種も多岐にわたります。医療救援に焦点をあててみても、医師、看護師、助産師、保健師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、栄養士、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士といった日本での保健医療専門職だけでなく、公衆衛生学の専門家や広報、視聴覚教材作成などの専門職、経理や労務などの事務担当者や、業務遂行を管理する事業管理者も必要です。
今回は、日本赤十字社の一員として、海外で活動する国際救援・開発協力要員(以下、要員といいます)となるための研修をご紹介します。
オンラインで行う「eラーニング(要員登録のための必須研修は2種類)」を修了後、集合型研修に参加します。これらの要員としての要件を満たした人が、日本赤十字社の国際救援に派遣されます。
● eラーニング
eラーニングは、国際赤十字・赤新月社連盟のオンライン研修サイトで、どなたでも、いつでもアカウント登録し受講できます。
下記の必須研修以外にも、国際救援に関する多種多様な研修がありますので、ぜひ覗いてみて下さい。
必須研修① WORC (World of Red Cross and Red Crescent)
対象者:全ての方
目的:赤十字の全体像を学ぶ
受講目安時間:20時間前後
言語:英語
必須研修② Stay Safe
対象者:全ての方
目的:派遣中に欠かせない安全管理について学ぶ
受講目安時間:4時間前後
言語:英語
対象者:社会人経験3年以上の日本赤十字社の職員(TOEIC730点以上取得していること)、または、日本赤十字以外の団体からの参加者、連盟や海外赤十字社の職員
目的:国際的な人道支援事業に従事する要員に必要なことを学ぶ
概要:赤十字の7原則、問題分析能力、日赤職員としての国際支援現地での役割、事業の組み立て方など
受講期間:6日間
言語:英語
対象者:上記IMPACT研修と同じ
目的:ERU事業に必要なことを学ぶ
概要:緊急医療支援の開始から終了までの一連の流れ(拠点設置場所の選択方法、資機材の搬入・管理方法、救援活動の運営方法、現地への引き継ぎなど)
受講期間:6日間程度
言語:英語
これらの研修を受けた後は、登録要員として派遣の機会に備えます。
日本赤十字社の本社や国際救援拠点病院では、上記のような要員への登録研修だけではなく、各要員の派遣の実際を共有する報告会や、救援・救護活動に必要なさまざまな分野の知識について学ぶ勉強会を定期的に開催しています。
将来、要員を目指す日本赤十字社職員を対象とした国際救援体験研修など、国際救援への入り口となるような研修や勉強会も定期的に開催されています。日本赤十字社関係者以外の人も参加いただけるように、公開している勉強会もあります。
その他、派遣先での要員の身の安全の向上と管理を目的とした安全管理研修に参加や、派遣を重ねる職員には、専門的な能力を高めるために国内外の研修へ参加する機会もあります。
当センターの国際活動に興味のある方は、ぜひホームページのお問い合わせページから国際医療救援部宛にお問い合わせください。
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!