少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。

態度と温度の関係

2020/01/03

 

吐く息が白い季節になりました。

この時期、恋人が欲しくなる人やもの寂しい気持ちになる人が少なくないようです。

 

どうして寒い季節になると、私たちは人恋しくなるのでしょうか?

 

クリスマスなどのイベントが多いから?

 

いいえ、それだけではなさそうです。

 

コミュニケーションと体感温度の関係に関する面白い研究が報告されています。

 

この研究では、「態度」と「相手への共感性」という2点で接し方を変えてインタビューを行っています。

 

① 温かい態度で、参加者への共感を示しながらインタビューする群

② 温かい態度だが、参加者への共感は示さないでインタビューする群

③ 冷たい態度で、共感を示しながらインタビューする群

④ 冷たい態度で、共感を示さないでインタビューする群

 

の4条件を設け、それぞれの体感温度を比較したのです。

 

すると、温かい態度で共感を示された人たちは、他の3条件よりも体感温度としての寒さを感じていないことがわかりました。

 

すなわち、私たちは相手に温かい態度をもって共感してもらえるとき、気持ちの上だけではなく、実際の体感温度としても寒さを感じにくいということが明らかになったのです。

 

日頃、私たちは態度や言葉を「温かい」「冷たい」と比喩的に表現しますが、この研究結果を見ると、相手の態度や言葉によって体感温度が変わるということを、私たちが無意識的に感じていたように思えてなりません。

 

気温が寒くなってくると、私たちは、重ね着をしたりエアコン温度を上げて身体を暖めようとするだけでなく、誰かに優しくされたり誰かとわかりあうという体験を増やすことで、心とともに身体を暖めようとしていたのですね。

 

この冬はお互いに温かい態度や言葉をかけあって、寒さを乗り越えていきたいですね。

 

 

 

坂田 真穂(さかた まほ)

日本赤十字社和歌山医療センター公認心理師(非常勤)、2005年より職員のメンタルヘルス支援を担当。臨床心理士、シニア産業カウンセラー。

相愛大学准教授、専門は臨床心理学。教育学博士。主な著書に『いのちを巡る臨床―生と死のあわいにいきる臨床の叡智』(創元社, 2018)など。

 

日赤和歌山医療センターHP

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