少し知っておくと役に立つかもしれない、こころに関するおはなしです。目に見えないものであるけれど、わたしたちの心は日々ゆらぎ、動いています。そんなときに思い出してもらえたら、ちょっと楽になるかもしれない内容をお届けします。

緑の影響力

2019/07/05

前に住んでいた部屋は、ソファーに寝そべると、ちょうど窓いっぱいに新緑が見えました。

 

実は隣のお屋敷に生えた大木なのですが、緑の葉が風にそよそよと揺れるさまをただぼんやりと眺めているだけで、いろんな疲れがすーっと引いていくようでした。

 

カナダで行われたある研究では、たった5分、小さな公園で座っているだけで、気分が大きく改善することがわかりました。

 

週末に大掛かりなキャンプなどしなくても、5分で充分効果があるというのです。

 

おそらく、公園では、私の部屋から見えたような緑の木々が心地よい木陰を作り、風が吹くたびにカサカサと葉がすれ合い、足元では小さなミツバチがブンブンと羽音をたてながら夢中で蜜を集めていることでしょう。

 

また、砂場では小さな子どもが遊び、隣のベンチにはのんびり過ごすお爺さんがいるかもしれません。

 

小さな部屋の中に比べ、そこには私たちの五感を同時に刺激する環境があります。

 

しかしながら、現実問題として、仕事や家事の合間に公園まで行くのは難しいことです。そもそも、公園が近くにあるとも限りません。

 

そのような時は、部屋やデスク周りに小さな観葉植物を置くだけでも効果があるようです。

 

 

ノルウェー大学とミシガン大学の研究チームは、植物のある環境で作業を行った方が疲れも軽減され、仕事の集中力や効率性が上がることを明らかにしています。

 

日赤和歌山医療センターにも、緑の木と小川を配した「せせらぎの庭」という中庭があり、天気の良い日は患者さんやお見舞い客がベンチでくつろいでいるのを見かけます。

 

通勤や散歩の途中でも、街路樹や花壇の緑に目を向けて、少しリフレッシュしてみませんか?

 

 

 

(臨床心理士 坂田真穂)

 

日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

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