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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2019/01/19
こちらのサイトをご訪問いただき、ありがとうございます。
「どのような方が読んで下さるのだろう」と思いながら、この記事を書いています。
2015年4月25日、ネパールでマグニチュード7.8の地震が発生しました。その日が土曜日だったことから推測すると、そのときの私は休日を満喫していたと思われます。
それから間もなくして、一通のメールが届きました。
「日本赤十字社にネパールへの人材派遣要請が来ています。」
このメールで、詳細な状況は分からないまでも、ネパールが尋常ではない事態になっていることが理解できました。
そして次の瞬間、私は気付きました。私が派遣される可能性があることを・・・!
実はそれまで、私には海外で活動するための派遣資格がありませんでした。
日本赤十字社では、海外で活動するにあたって、規定の研修を修了し、派遣要員として登録されることが必要となっています。
私は、この地震が起こる半年ほど前に日本赤十字社の海外派遣要員に登録されたばかりだったのです。そのため、この一通のメールから派遣に至るまで、そして、無事に救援活動を終えて当センターの薬剤師に復帰するまでの全てが初めてのことばかりでした。
海外派遣では、自己紹介の時などに「薬剤師」という言葉はあまり使いません。
と言うのも、海外での仕事は、多くの人が想像するような薬剤師の仕事と大きく異なるからです。調剤を行うことはもちろん、患者さんに直接お薬を渡すことは非常に少なく、代わりに、チームの医療活動がスムーズに行えるよう、医薬品や日用品など、ありとあらゆる物品の調達や管理などを行います。
そのため、海外派遣では、ほとんどの場合「薬剤師」ではなく、「メドログ(物流の担当者を表す、メディカルロジスティックスを略したもの)」という名称が用いられます。
ネパール派遣から約2年半後、私はバングラデシュに派遣されることになりました。前回の派遣経験を活かせると思いきや、チームのメンバーも、衣食住の環境も、現地の状況も、仕事内容も全く異なり、結果として、またもや初めてづくしの派遣となりました。
私の場合、もともと国際救援に関心があったわけではありません。いくつもの偶然が重なって、そして、病院の仲間の並々ならぬサポートがあって、今に至ります。
「人生って本当に分からないものだなぁ」と思わずにはいられません。これからも、海外派遣で感じた、「赤十字マークに寄せられる信頼」を胸に、当センターの薬剤師として日々研鑽に努めたいと思います。
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!