がん放射線治療の第一人者であり、高度医療に取り組んできた平岡院長が、がんについてわかりやすく解説します。ティーカップを片手にお気軽にお読みください。

がん診療に欠かせない画像診断

2018/12/10

平岡先生は京都大学医学部を卒業して放射線科医となり、2007年には京都大学医学部附属病院がんセンターの初代センター長に就任。2015年の退官まで20年以上にわたり京都大学大学院医学研究科の教授としてがん治療に関わり続けてこられてきました。

がん放射線治療の第一人者であり、高度医療に取り組んでこられた平岡先生に、がんについてわかりやすく教えていただきましょう。ティーカップを片手にお気軽にお読みください。

 

前回まで、がん検診の持つ役割や現在の受診率等について話を進めてきました。

周囲が検診を受けていなくとも、ご自身のために、ぜひ受けていただきたいと思います。

 

さて、今回からは、がん診療に欠かせない画像診断についてです。私の専門分野でありますから、自分なりの言葉で詳細にお伝えしていきます。

 

画像診断とは、体を外から見てもわからない体の中の様子や病気を画像にして目で見えるようにし、異常がないか診断する医療技術です。

 

画像診断が果たす重要な役割

 

まず、画像診断ががん治療の中で果たす役割についてです。

適切に治療を行うためには、無くてはならない診断方法で、X線やCT、PETなどの検査があります。検査名を聞くと、ピンと来る方も多いのではないでしょうか。

画像診断を受けていただくことで、がんの早期発見と、すでにできてしまったがんの広がりや性質などを調べられます。

 

まだ症状が出ておらず、ご自身で気づいていない状態のがんでも、画像による診断によって見つけることができることも。早期発見の要も担います。

そして、医師は画像診断によって撮影された画像とそのほかの検査結果をまとめて治療方針を決めたり、今後の予測を立てたりし、治療へ進んでいくこととなります。とても重要な検査のひとつだということがわかっていただけたかと思います。

 

画像診断の種類と、複数の組み合わせ

 

 

画像診断にはさまざまな種類があります。

X線やCT、MRIなどは名前を聞いたことがある方が多いかもしれません。

 

どうしていくつもの種類があるかというと、それぞれに得意・不得意の部位等があるためです。症状や疑われる疾患に合わせ、どの画像診断を行うか決定し、実施しています。

 

複数の検査で撮影された画像を合わせて診断することもあります。

 

いくつもの検査を受けることや、そもそも画像診断を受けるのが得意でない方もいらっしゃるでしょうけれど、できるだけ正確で最適な診断をするために、検査を実施していますので、ご理解いただければと思います。

 

 

さて、次回からはそれぞれの検査について、もう少し掘り下げてお伝えしていきます。

 

 

 

平岡 眞寛(ひらおか まさひろ)

日本赤十字社和歌山医療センター名誉院長。

1995年43才で京都大学 放射線医学講座・腫瘍放射線科学(現:放射線医学講座 放射線腫瘍学・画像応用治療学)教授就任、京都大学初代がんセンター長。日本放射線腫瘍学会理事長、アジア放射線腫瘍学会連合理事長、日本がん治療認定医機構理事長、厚生労働省がん対策推進協議会専門委員なども務めるがん放射線治療の第一人者。世界初の国産「追尾照射を可能とした次世代型四次元放射線治療装置」を開発し、経済産業大臣賞、文部科学大臣賞、JCA-CHAAO賞等を受賞。2016年4月から2022年3月まで当医療センター院長。2021年1月から、がんセンターで放射線治療(週1回外来診察あり)を担当。

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日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

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