病気のことだけでなく、病院の中のことももっと知ってもらいたい!このコーナーでは病院の設備を中心に、ちょっとマニアックな情報をお届けしていきます。病院にきたときに「あっこれのことか〜」と気に留めていただけたら幸いです。

建物の不思議なすき間…「エキスパンションジョイント」

2018/05/15

日本赤十字社 和歌山医療センターの建物内はバリアフリー構造になっているのに、建物と建物の間の廊下にはほんの少し段差があります。歩きやすさのためにはないほうがいいはずなのに、なぜかある。どうしてでしょうか?

これは、エキスパンションジョイントと呼ばれるもので、建物と建物のつなぎ目です。一見しただけではわかりませんが、このつなぎ目部分は伸び縮みするようになっています。建物をぴったりと結合するのではなく、あえて「すき間」を作っているのです。


なぜ、建物の間に「すき間」を作っているかと言うと、大きく2つ理由があります。まず1つは建物にかかる負荷を減らすためです。建物材質である鉄やコンクリートは季節や昼夜の温度変化によって膨張したり伸縮したりを繰り返すので、全部がつながっていると建物に
大きな負荷がかかり劣化が早くなってしまいます。この「すき間」で余裕を持たせることで、建物のひび割れを防止しているのです。

 

建物を長く使うために、この部分が作られているのですね。

 

もう1つの理由は、地震対策です。地震が起こったときには、建物それぞれが違う揺れをすることがあります。そのときに建物が割れたり壊れたりすることを防ぐために、この部分が揺れを吸収して被害を減らす役割を担います。電車の連結部と同じような働きですね。建物が動いても被害が少なくなるよう対策を取っているのです。

 

万が一、地震が来たときのことも考えられているのですね!

 

院内を歩いていて、このエキスパンションジョイントを発見したら、「今日も建物を守ってくれているんだな」と優しい目で見てあげてください♬

 

院内探検隊がゆく(第2回)は院内にあるエスカレーターの秘密についてです。実は百貨店や駅にあるエスカレーターとは違った工夫がされているのですよ。お楽しみに!

日本赤十字社 和歌山医療センター病院サイトはこちら

Share

この記事を気に入ったならシェアしよう!