海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。

コロナ禍のロジスティクス研修

2020/11/21

2月1日から約3ヵ月間、マレーシアのクアラルンプールにある国際赤十字赤新月社連盟アジア太洋州地域事務所(以下、連盟アジア事務所)のOLPSCM (Operational Logistics Procurement and Supply Chain Management)部門で、ロジスティクス要員の育成と能力向上を目標とした研修を受講したので報告します。

 

ロジスティクス要員とは、災害救援などで医療チームが海外に派遣されたときに現地で、医師や看護師が活動しやすいように、医療チームが最大限の成果を出せるように、現地や日本などと連絡をとりながら支援業務に従事するスタッフのことを指します。

 

海外に派遣される時は、日本から輸送される貨物の通関・荷受・現地配送、倉庫管理、調達(市場調査や入札による業者選定も含む)、車両管理など多岐にわたる業務に携わるため、様々な知識の吸収が必要です。

 

今回は、連盟アジア事務所の人道支援物資備蓄倉庫から、各国赤十字赤新月社への物資輸出、倉庫管理とそれに付随する調整・連絡をメインに研修を受けました。

 

 

この倉庫では、食料品を除く支援物資を、主にアジア大洋州38ヵ国の各国赤十字赤新月社の要望に応じ出庫しています。主な品物としては毛布、ターポリン(ブルーシートのような頑丈なプラスチックシート)、蚊帳、ポリタンク、衛生セット、キッチンセットなどを取り扱っていました。

 

物資供給の依頼があった場合、受注、在庫確認、船積み時期の調整から輸出手続きをして各赤十字赤新月社の倉庫へ納入するまでの一連を行います。各国担当者と調整を行う過程で数量変更も珍しくなく、柔軟な対応が随時求められました。

 

現地入りした2月当初は、まだ新型コロナウイルス感染症の影響も小さく、現地に慣れるのに必死でしたが、3月18日からマレーシアもロックダウンしたため、テレワークが中心となり、パソコンで受注や在庫などを確認したり、メールで連絡を取りながらホテルで過ごしていました。

 

 

約2ヵ月間のテレワーク時は、誰とも会えずホテルで軟禁状態になるなんて思いも寄りませんでした。ときにストレスを発散しようにも、必需品の買い出しや通院以外は外出禁止(屋外での散歩や運動も禁止)で、対面でのコミュニケーションが恋しくなることも度々ありました。

 

心配したメンバーが電話をくれたり、オンラインミーティングのビデオ通話でお互いの近況を話したり、日本にいる同僚や家族との電話することが、大きな気分転換になりました。

 

マレーシアでの新型コロナウイルスへの初動対応は、防護具を各国の状況に応じて割り振ることから始まりました。事務所には、各国赤十字・赤新月社のスタッフやボランティアが現地で情報を収集しているため、まさに『現場の声』が入ってきます。

 

ほぼ無人の空港(マレーシア・クアラルンプール国際空港)

 

そうこうするうちに、パンデミックによりマスクなど防護具が世界的に不足し、フライトが減便・中止され、各国ロックダウンに伴う港湾閉鎖が相次ぎ、工場の生産停止などが重なるようになってきました。最前線で奮闘する医療従事者などに必要物資を届けられず、度々、歯がゆい思いをしました。

 

研修生という立場上、新型コロナのオペレーションに深くは関われませんでしたが、チームがコロナ対応に専念できるよう「それ以外の仕事はすべて自分がカバーする」という気概で自分なりに励み通したところ、マネージャーから「限定的な環境でよくチームをサポートしてくれた」という言葉をかけてもらいました。

 

帰国後も、検疫隔離のため和歌山に直帰できず、空港近くで2週間滞在した後、ようやく自宅への帰宅がかないました。職場のみんなに会って、日本語で他愛もないおしゃべりをしたときは心がゆるみ、安心できました。

 

 

日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部

 

「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!

詳しくはこちら

日赤和歌山医療センターHP

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