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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2020/07/18
赤十字は、世界中で戦争・紛争犠牲者の救援をはじめ、災害被災者の救援、医療・保健・社会福祉事業などを行っています。
そして、それら全ての活動を総称して、「国際赤十字・赤新月運動(以下、赤十字運動)」と呼んでいます。
〇 赤十字運動を支える組織
赤十字運動を支える組織は、3つあります。
これらの組織はそれぞれ独立していて、それぞれに役割がありますが、すべての活動において「7つの基本原則」を共有し、国籍、人種、宗教的信念、階級、政治的意見などで差別することなく、互いに協力しながら赤十字運動を行っています。
また、この赤十字運動では、人々の苦しみを緩和し、生命と健康を保護し、尊厳を守ることを使命として、政府、ドナー(提供者・支援者)、その他の援助組織とも協働し、支援や開発におけるさまざまな人道的活動が展開されています。
創始者アンリー・デュナンが唱えた赤十字思想『傷ついた人々を、敵味方の区別なく救うこと』は、このように赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟、そして各国の赤十字社・赤新月社の3つの組織によって受け継がれ、赤十字運動は今や世界最大の人道ネットワークとなっています。
世界各国での赤十字運動は、例えば下記リンクの国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)facebookなどから日々発信されています。英語表記ですが、たくさんの活動写真を見ることもできるので、興味のある方は一度のぞいてみてください。
国際赤十字・赤新月社連盟 facebook
〇 赤十字運動を支えるボランティア
世界各地で、赤十字の人道活動に最前線で取り組んでいる多くの人々は、ボランティアです。各国赤十字・赤新月社の中には、その活動の約90%をボランティアが担っている社もあります。
日本赤十字社の活動も、ボランティアによるさまざまな活動(地域赤十字奉仕団、青年赤十字奉仕団、特殊赤十字奉仕団、個人ボランティア)に支えられています。
のちに、アンリー・デュナンが、赤十字思想を発するきっかけとなった『ソルフェリーノの戦い』での負傷者救護では、アンリー・デュナンとともに多くの地元のボランティアが協力して一緒に手助けしていました。ボランティア活動は、当初から赤十字運動に不可欠だったのです。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)によると、2020年現在、世界で約1,200万人のボランティアが活動しています。
各国それぞれが抱える課題に応じた赤十字活動にボランティアは従事しています。
その活動内容は、紛争や災害時の救援活動や防災活動などを中心に、保健衛生知識の普及や疾病対策、救急法の普及、献血の推進、地域での高齢者支援など多岐に渡ります。
例えば、紛争や災害の救援活動においては、地元住民からなるボランティアだからこそ見つけることができる当事者の苦労や悩みがあります。
また、赤十字ボランティアは、「7つの基本原則」に基づいた中立の姿勢で活動するので、様々な立場の当事者に赤十字の活動を届けることができます。
赤十字運動において、その活動が地元の人々に理解されて受け入れられる、そして地元の人々との信頼関係を築く、ということがとても重要です。
時には、自身や家族が被害者でもあるボランティアの人々は、赤十字運動の担い手であると同時に、赤十字運動と地元住民との大きな架け橋です。
我々が、海外で医療救援活動を展開するときも、多くの地元ボランティアに助けられています。
2020年7月現在、新型コロナウィルス感染症の影響による渡航制限等のため、世界各地で現地の赤十字社とともに人道支援活動を行っていた日本赤十字社職員は一時帰国しています。各国では、現地の赤十字社スタッフやボランティアによる人道支援活動が続けられています。
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!